陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日本映画「花より男子ファイナル」

2010-01-15 | 映画──社会派・青春・恋愛
現在公開中の映画「のだめカンタービレ」のように、人気を博した原作漫画がドラマとなり、アニメとなり、はては映画化とおおきくメディア展開していく例は珍しくはありませんが、「花より男子」もその一例。

朝日放送系列で2009年12月、過去二回のドラマシリーズのダイジェスト紹介のあと、放映されたのが2008年の映画「花より男子ファイナル」
主演は、井上真央と松本潤。「天地人」で石田三成役の小栗旬の茶髪が似合わない。監督はTVドラマ演出家の石井康晴。

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巨万の富を誇る財閥の御曹司、道明寺司と、庶民階級の女子高生牧野つくしとの、ハチャメチャ学園ラブストーリー。ドラマの第一期、二期ではまだまだ頼りない感じだった道明寺演じる松本潤が、映画版では声の据わった演技をみせていてそこは魅力だったのだけれど、筋書きとしてはあまりおもしろくない。つうか、結婚決めたのに、なんで他人行儀に苗字で呼び合うの?

時期はドラマ第二期のラストで、道明寺がつくしにプロポーズしてから四年後。
紆余曲折を経て、結納を交わした道明寺と大学生のつくしだったが、道明寺家にとつぐ花嫁に代々受け継がれるティアラを、何者かに奪われてしまう。侵入者の足取りを追ってふたりは、一路アメリカへ。盗まれた家宝を奪い返す資金を得るためカジノに挑戦したり、オークションに出品されたティアラを競り落とそうと悪戦苦闘。
道明寺の友人だったF4たちも、救いの手をさしのべてくれたおかげでティアラは手もとに戻るが、つくしはかつて恋心を寄せていた花沢類の不審な行動から疑いを抱いてしまう。

もともと日本の学園ドラマだったのを、舞台をアメリカ、香港、はては南国の無人島、そして日本と移していく。しかしスケールは大きくなっても、どこかロードームービーや香港映画、マフィア作品、無人島でのサバイバル映画のまがいものといった感じが否めません。そして、うすうす観客は、じつはふたりの愛情を試すために窮地に追い込んでいったのだと勘づいてしまいます。意外な人物も一枚噛んでいたというのは驚きではありましたが。

別に古典的なプロットでも構わないのだけど、こんな俺様主義の男子についてきて幸せになれるのかな、と思てしまいます。そして、とりたてて際立って美人という扱いでもない女子が美男子に囲まれて、という逆ハーレムドラマがここ最近多いんですけど、なんだかなぁ。


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原作漫画のほうは、十巻ぐらいまで借りて読んだことがありますが、初期だったせいか人の描き方がやたらカタいという印象しかありません。でも読み進めるのがあまり苦ではない漫画でした。また読みなおしてみようかな。十年以上も連載されて、発行部数が日本一の少女漫画だったんですね。しかし、原作者の神尾葉子氏は現在、少年漫画に路線変更されてしまったようで。

日曜朝に放映していたアニメは、持田真樹、宮下直紀、山本耕史が声優になっていたのですが、ヒロインの棒読みが酷すぎました。

1995年に内田有紀、谷原章介、藤木直人のキャストで映画化。台湾でも「流星花園」と題されてドラマ化されて、その人気に押されて日本でもTVドラマになったんですね。


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