陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ターミネーター2」

2009-06-13 | 映画──SF・アクション・戦争
六月はターミネーター月間。というわけで、楽しみにしてた「T2」(1991年作)を観ました。二度目なんですが、これはやはり何度観てもおもしろい。ジェームズ・キャメロン監督の演出、タフな女性の描きかた、そしてぴりぴりと緊張感をそそる音楽。いろいろな要素あるかと思いますが、とにかくおもしろい!じつはシリーズ中いちばんのお気に入りです。

内容は「ターミネーター3」とほぼ被るわけですが、前作「ターミネーター」では襲う役だったアンドロイドに救われるという仰天のストーリー。

この映画がなんといってもいいのは、13歳のジョン・コナー、母のサラ、そしてT800型が疑似家族を演じてるところですね。ジョンがファザーイメージを、強くて逞しいターミネーターに抱いてしまう。かつ未来の使用者として、殺人鬼のターミネーターを人間らしく育てようともする。
人類存亡の危機をうったえたのに変人扱いで精神病棟に収容されたという設定もびっくりな、あのサラ・コナーは今回は語り部でもある。彼女は一夜かぎりの夫亡き後、来るべき日のために準備をし、からだを鍛えてもいた。

襲いくる敵は液状にかたちを変えて再生する新型ターミネーターT1000。「ブレードランナー」の冷徹なレプリカントを彷彿とさせる。

この第二作でジェームズ・キャメロンは監督を降りたのですが、この続編にこそ彼のメッセージがぎっしり詰まっているように感じますね。
そして、うまいのは前作との繋げかた。終盤右腕をうしなったターミネーターは這いずりながらも、敵に食らいつこうとするシーンは、無印の鉄工所でサラを追いつめるシーンと重なりますよね。あと、いつもながら裸で登場してヤンキーの服を剥ぐとか、ド派手なカーアクションですとか。今回は前半部でのバイクで逃げるジョンをダンプで追う追跡劇の迫力がすごかったです。

にしても、いつも思うけど。コナー母子に関わって命落としたり、車や服、銃器を奪われる一般市民、任務に忠実なだけなのに痛い思いしてしまう警察官の方々、お気の毒としかいいようがない(汗)

ジョンがターミネーターに人を殺してはいけないと説くシーン、母の殺人をとめるシーン、よかったですね。サラが「創るというのは人を育てること」という台詞にも納得。人を虐げるものは創作とはいえない。それは表現者としての監督のヒューマニズムに照らした想いの代弁だったように感じました。

(〇九年六月十三日)

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