休日の深夜におもしろそうな映画が二本あったので、どちらを優先しようかと迷ったのですが、放映時間の早いために観はじめてハマってしたのが映画「亀は意外と速く泳ぐ」
それで、こちらは観たのが、残り一時間とすこしになってから。
しかし、やはり後回しにしてよかったのかな、という気がしました。今となっては。
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ひと言でいいますならば、オタクの、オタクによる、オタクのための映画です。
差別にあえぐマイノリティを称賛する映画というのは多々ありまして、たとえば人種差別ですとか、ジェンダーなどはその典型です。が、しかし。オタクという被差別者が叛旗ののろしをあげるのには、なぜか後ろめたさを感じるのはなぜなのでしょうか?そもそも、サブカルチャーというものが、生きていく上でぜったい必要ではないからかもしれませんね。
主人公のユウジは熱狂的なアクションフィギュアのコレクター。彼は幻のフィギュアを入手するためにコレクターどうしでしのぎを削りあい、家財を売り払ってまで軍資金をつくろうとして、恋人にも愛想吐かされてしまいます。
しかし、伊藤英明演じるイケメン青年だから、厭味がありません。
物語は、ユウジたちのいる現実世界とSFちっくな未来世界とが交錯していくのですが、どこかで観た感じがしてありきたり。恋人とは最後にはよりを戻すようですが、なんだか都合がいいような気がしますね。趣味が共通していうのならいいのですけれど、男のロマンに付き合わされる女の人の不幸って、よくわかりますね(苦笑)
「いつだって歴史を動かしてきたのはマニア」というナレーションがありますが。マニアの種類が違うと思います。歴史を動かしてきたのは、二次元をゲーム感覚で動かす人でなくて、現実的に経済観念や法律に通じ、あるいは強靭な肉体や、美的感覚に優れた人たちではなかったでしょうか。
私もオタクですから、なじることはできないんですけれど。
なんていうんでしょう、マニアが動かしてきた歴史って、すごく狭い世界のような。去年のアキハバラの事件とかを思い出すと、つくづくそう思いますね。熱狂を浴びせる方向を間違うと、ただの暴力主義者でしょう。
あと、スポンサーが博報堂なので、企業CMも兼ねてるんだろうか、と思ってみたり。
しかし、大塚明夫氏の素顔が見れたのは儲けものでした。声優さんってつくづく、お声とお姿のギャップが多いですよね(笑)
(〇九年二月二十八日)