陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。

映画「ハーブ」

2016-10-01 | 社会派・人生映画
2007年の韓国映画「ハーブ」は、こころと身体の成長が伴わない女性のラブストーリー。コメディタッチなのであまり重くない仕上がりかと思いきや、後半からシリアスな展開が。ややネタバレ気味です。

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発達障害のため見た目が20歳であるが精神的には7歳のままのチャ・サンウンは、折り紙とラッピングが得意。花屋を営む母ヒョンスクと暮らしています。

ある日、着ぐるみを着ていた交通機動隊員のジョンボムを見かけてひと目惚れ。
お伽話のお姫さまにこよなく憧れる彼女は、彼こそが王子様と思い込む。いっぽう、ジョンポムは彼女が弁護士事務所につとめる才女だと勘違いし、熱烈にアタックをはじめるのですが…。

よくある勘違い、思い違い型の恋愛なのですが、お互いが騙そうとしてそう偽ったわけではない。けれど、ジョンポム側の思いこみには打算が見えてしまうのがややマイナスか。サンウンの正体を知ってしまったあとの冷淡な態度は鼻白んでしまうものがあります。

微笑ましいのは、サンウンと母との思いやり。
精神が子どもで永遠に反抗期を抱えているような娘とは時にささいな喧嘩をし、そして仲直りする。夜の公園での会話は心に残ります。

その後、サンウンのことが忘れられないジョンポムはやがて心を通わせていくのですが、母のヒョンスクとのいざこざもあって恋路は先行き不安に。さらに母に迫る抜きさしならない事情が親子を追いつめていきます。娘のいのちを大事に思うあまり、娘のしたいことをじゅうぶんにさせてやることができない親心。このあたりは障害児のランナーとその母親を描いた「マラソン」の情念と似たものを感じさせます。

にしてもラブストーリーだと思っていたのに。後半はすっかり男性の見る影なしですね。ラストでちょこっと顔出しするんですけれど。けっきょく王子様よりも、継母と思って辛く当たる母との愛情を選んだということでしょうか。

やがて、通常の人間よりも遅い時間の流れのなかに生きていることを自覚しはじめたサンウンは、人生の残り短い相手のためにゆっくりながら成長を遂げます。抜けた髪の毛をそっと隠すシーンなどにそれが表れていますよね。

ヒロインの友だちの少女ヨンナンがやたらと悟っているのがなんともいえないですね。あの年で男を見る目があるとは。韓国にも天才子役はいるようです。

監督はホ・インム。
出演は「アメリ」のヒロインを思わせるほどキュートさが魅力のカン・ヘジョン、相手役はチョン・ギョンホ、母親を演じたのはぺ・ジョンオク。


(2011年7月4日)

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