陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「アンジェラ」

2016-09-30 | 映画──社会派・青春・恋愛
2005年のフランス映画「アンジェラ」は、リュック・ベッソン監督作のラブストーリー。人生に行き詰まった男が、ミステリアスな金髪の美女に出会うお話です。冴えない(けど性格は悪くはない)主人公が、突然可愛い少女に付きまとわれる日本のアニメを思い浮かべるシチュエーションですが、パリを舞台にするとおしゃれに見えますよね。モノトーンの色調で、古い名画を見ているようなノスタルジーのせいもあるでしょうが。

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アルジェリア系アメリカ人の男アンドレの人生は、美しい街パリで行き詰まっていた。
事業に失敗し多額の借金が返せず、高利貸しに命を狙われる羽目に。返済期限は48時間。絶望のままに身投げしようとしたアンドレ。しかし、おなじく身投げしようとした謎の美女アンジェラを救ってしまう。

どうみても風采のあがらない主人公に、背の高いスレンダーな美女は不釣り合い。
しかし、アンドレは不器用ではありますが根っからの悪人ではないところが救い。いっぽう、アンジェラはアンドレを勇気づけ、金策のために手を貸してくれる。
アンジェラは彼を救うために天から舞い降りた天使だと打ち明けるが…。

途中までの掛け合いコントのような会話ほおもしろかったのですが、駄目男が妄想で美女に慰めてほしいために編み出した偶像のような雰囲気がして鼻白みます。男は自分で状況を打開せず女に頼ってばかり。終盤でギャングに面と向かって啖呵を切り、人生を希望を見出すことができますけど、え、それだけなの?と肩透かし。そんなもんで人生好転できるなら、奇跡なんていらんでしょうに。ラブストーリーというにはあまり萌えるシチュエーションもなく(美女と野獣のペアだから仕方ないのですが(笑))、最後の別れも盛り上がりに欠けたうえでご都合的にハッピーエンド。児戯に類するにに等しい出来ですね。あともうひとひねりあったらいいと思いました。

ただ、人生に絶望しても自分で自分を大切にしよう、愛情と支えがあればどんな苦境も乗り越えられるというメッセージは伝わってきますけどね。疲れてるときに観れば癒されるのかも…。「愛してる」っていう言葉を言いたい、言われたい、それが恋愛を好む観客の本心なのだろうけれど。

出演は「アメリ」のジャメル・ドゥブーズ、「ファム・ファタール」のリ−・ラスムッセン。フランスの人気コメディンとスーパーモデルの共演。


(2011年12月19日)

アンジェラ - goo 映画

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