陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日本映画「恋するマドリ」

2010-04-16 | 映画──社会派・青春・恋愛
四月から新生活がスタートする方もいらっしゃるでしょうね。
私も人生で何度か引っ越ししましたが、大学進学時に独り暮らしをはじめたのがいちばん大きな引っ越しでした。

2007年の映画「恋するマドリ」は新居に引っ越してきた女子美大生が、奇妙な三角関係に巻き込まれるラブコメディ。
このヒロインの住む部屋、外観は古びていて築十年は経っていそうなんですが、それでも都内でこれだけの広さの物件に住むなら最低でも六、七万はするんじゃやないかなぁ、なんて敏いこと考えながら観てました。

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結婚を控えた姉と喧嘩別れして、独り暮らしをはじめた美大生の青木ユイ。
忘れ物を探すために戻った以前のマンションで、ユイの部屋の新しい入居者アツコと親しくなる。アツコは家具のデザイナーで、インドに留学を予定しており、デザインコンペのアイデアに悩むユイに、あれこれとアドバイスしてくれる。
その頃、樹木から取り出したエキスで発光を生みだす実験をしている若手研究者大野タカシの、アルバイト助手として働くことに。
しかし、タカシはユイの階上の住人、しかもユイの暮らす部屋に住んでいながら失踪したという恋人がいた…。

じつはその恋人こそが、アツコ。
お互いの居場所を知らぬまま、二人がいまだに未練を持ち合っていることを、ユイは知ってしまいます。朴訥としているけれど研究一途な青年には恋心を寄せつつも、同性として憧れを抱く女性の幸せも願ってしまうヒロイン。なんとか二人を引き合わせる場を設けようとしますが、すれ違いばかり。

最終的にふたりは誤解を生じるような最悪な顔合わせをしてしまい、離ればなれになりそうになる。空港に出発する彼女を追いかける主人公という展開は、なんともベタベタなんですが、脇を固める個性あふれるメンツの登場にやや救われているといったところ。強面の引っ越し業者が、まさかあそこまで活躍するとは。

しかし、全般的にゆるい日常にテンポのずれた笑いを持ちこみながら動いていく男女関係というのは、日本のドラマではよくあるパターン。最近ではネットですぐになんでも調べられるので、トリビアめいた専門知識を語らせて、高級感を出しているきらいがあります。

出演は、「恋空」の新垣結衣、大河ドラマ「天地人」の伊達政宗役があっていた松田龍平。
アツコを演じた菊池凛子を観たのは、NHKの朝ドラ「ふたりっこ」以来なんですが、ずいぶんと演技力のある女優に成長したものだと感心しました。
新垣結衣の芝居が下手という意見もありますが、どこか一生懸命な学生らしさが出ていてよかったんではないでしょうか。

DVDでなんども観なおしたくなる邦画(とくに現代ドラマ)は少ないのですが、テレビで放映していたから観れたというおもしろさでした。

(2010年2月12日)


恋するマドリ(2007) - goo 映画

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