陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ドクトル・ジバゴ」

2011-06-27 | 映画──社会派・青春・恋愛
1965年の米英映画「ドクトル・ジバゴ」は、革命、そして第一次世界大戦と混迷の続くロシアを舞台に、数奇な運命を辿った医者にして詩人の人生を壮大なスケールで描いたもの。201分というボリュームです。

以下、ネタバレあり。

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19世紀末、帝政崩壊寸前のロシア。
幼い日に両親を失って、科学者に引き取られたユーリ・ジバゴは医師を志す青年だが、詩人としても有名だった。育ての親の娘トーニャと結婚したものの、薄幸の仕立て屋の娘ラーラに惹かれてしまう。ラーラは、ジバゴにとっても因縁のある弁護士コマロフスキーに言い寄られて、発砲事件を起こしてしまう。しかも、彼女の恋人パーシャは革命軍に参加していた。

第一次大戦中、従軍医師として派遣されたジバゴは、そこで看護婦として働くラーラと再会するも、愛は告げない。家族のいるモスクワへ帰還した頃、ロシアは白軍と赤軍に分かれての内戦状態だった。ジバゴは、革命軍のリーダーである異母弟の勧めで、妻のトーニャや息子とともに田舎へ疎開。しかし、ジバゴのみ白軍のスパイとして捕らえられてしまう。
そこでもまた、ラーラと巡り会い、ついに友情が愛情に変わってしまう。

この後、ラーラとの関係を知った妻のトーニャがパリへ亡命してしまい、凍てつく大地にジバゴはラーラと人目を忍んで暮らさざるを得ない。
そして、このふたりの仲を引き裂く男がふたたび現れてしまう。

物語は、語り手ともいえるジバゴの異母弟で革命軍の高官が、ラーラの面影を写した若い娘を訪ねたところからはじまります。彼女が知らない父親の真実の人生が明らかにされる、大河ドラマ。

主演は、ジバゴ役に「アラビアのロレンス」の名優オマー・シャリフ。
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」では、薄幸の少年を見守る優しい老人となっていたのが驚きでした。
ラーラ役は、ジュリー・クリスティ 。トーニャ役は、喜劇王チャップリンの娘ジェラルディン・チャップリン。
監督は、デイヴィッド・リーン。

この映画の列車でポーランド人が運ばれていくシーンは、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」に影響を与えたといわれています。

(〇九年八月二十四日)

ドクトル・ジバゴ(1965) - goo 映画

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