陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日本映画「アマルフィ 女神の報酬」

2011-01-16 | 映画───サスペンス・ホラー
2009年公開の話題の邦画「アマルフィ 女神の報酬」を、お正月特別放映で視聴しました。織田裕二&天海祐希の共演、ほかこの手の大作にはおなじみの豪華な顔触れが揃っています。福山雅治も中井貴一も意外なところで登場。

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イタリア大使館に赴任してきた外務省の書記官・黒田康作は着任早々、その人当たりの悪さのために大使館でも微妙な空気を生んでしまうような男。
ある日、大使館にホテルに娘を誘拐されたと訴える母親・矢上紗江子が現れる。犯人からの身代金要求の電話にとっさに応じた黒田は、その後、娘の父親役として事件に巻き込まれていく…。

夫婦を偽装して危ない橋を渡り歩いていくうちに、お互いの恋心が燃上がり…というハリウッド映画にありがちな展開に見せかけてそうでもない。サスペンスですが派手なカーアクションもありません(邦画でそんなのやるわけない)

警察の不手際で犯人を取り逃がし、夫も亡くしただひとりの家族である娘を想う母親の気持ちが、ときに癇癪を爆発させ、黒田を苦しめます。黒田とて、ほんらいは別の重要な華々しい任務があったのに、いち個人のわがままに突き合わされている。でも、いっけんクールにみえながら母親のことを守りつづけようとする黒田には、公務員の理想形を見出してしかるべきでしょう。

真犯人はあんがい身近にいて、真の目的は別のところにあります。
それが終局三十分前にほのめかされてはいるけれど、さらにさらに別の方向へと反らされていくようなしかけ。これが日本のどこかの片田舎か、もしくは大都会なら、よくある二時間サスペンスで使われるネタじゃないかしらという気もしないではないですが、ロケーションを楽しむ目的もあるでしょうね。

ただ織田裕二が主演で、「あの人物」が敵役という映画(ヒントは雪山の映画)を知っていると、ぼんやりと犯人が読めそうな気がしないでもないです。日本の映画ですと配役から役どころがあらかた推測できてしまうのが悲しい。

そしてなぜか、あのお茶目な警部が「キャプテン翼」の愛好者(?)なのが、よくわかりません。
この映画がなんといってもすばらしいのは、主題歌を担当しているサラ・ブライトマンの透き通った美声。ご本人が登場するシーンもあります。

視聴者には嬉しいお年玉企画のお正月放映。
こんなに早くに地上波に流して大丈夫なのかしらとも思いますが、最近の映画はBSなどではすぐに観れるからでしょうか。じつは、今月からスタートする主人公がおなじ連続ドラマ「外交官・黒田康作」のタイアップ企画であるとのことでした。


(2011年1月3日)

アマルフィ 女神の報酬 - goo 映画

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