映画「フォーエヴァー・ヤング」

時間を超えて恋人たちが再会し、愛を再燃させるというストーリーは魅力的なのですが、安易な結末になりがち。
1993年の映画「フォーエヴァー・ヤング」は、すこし期待はずれ。

フォーエヴァー・ヤング【ワイド版】 [DVD]ワーナー・ホーム・ビデオ 1997-12-01売り上げランキング : 96946おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

1939年、空軍大尉でテストパイロットのダニエルは、恋人のヘレンに求婚できずじまい。
ある日、ヘレンは交通事故で昏睡状態に。絶望したダニエルは、友人の科学者ハリーに頼んで、人工冬眠の実験体に志願。ヘレンが目覚めたら、起こしててもらう約束だった。

1992年、空軍の倉庫で忘れ去れたように保管されたカプセルから、凍りづけの男がめざめる。
半世紀ほど前と変わらぬダニエルは、少年ナットとその母親クレアの家に厄介になる。手がかりであるハリーがすでにこの世にいないことで気落ちするダニエルだったが、あのヘレンが生きていると知って…。

…と、ここまで書くと後の展開はおよそ予想される通り。これといったひねりもないです。
特殊メイクで老化していくダニエルは、いまの眉間に何本も皺がよって二重あごになったメル・ギブソンとはまた違った表情。

半世紀間、一途に恋人の目覚めを待ちつづけた男の感動のラブストーリーと紹介されていますが、ダニエルとクレアが一時的にいい雰囲気になるんですよね。ヘレンが死んだと思っていたからかもしれないですけど、どこが純愛？ と疑問に感じる。
最後はハッピーエンドなんですが、あのあとダニエルの寿命は尽きてしまったような気がします。

当時としてはロマンチックでおもしろいテーマだったんでしょうけど、今となってはこのテのネタは類例を観てきたので、珍しさがありません。
主演のメル・ギブソンを愛でるための映画と断言してもいい。

脳死移植法が成立した今となっては、ヘレンの奇跡も起こりにくくなるのではないかしらと。

監督は、「13日の金曜日」Part2 および 3 のスティーヴ・マイナー。

（〇九年八月十四日）

フォーエヴァー・ヤング　時を超えた告白(1993) - goo 映画