陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

氷上の花嫁、復活の舞

2008-11-29 | フィギュアスケート・スポーツ
ふだんあまりスポーツ番組なんて観ないのですが、きょう偶然にも見かけたフィギュアスケート選手のことを書いておこうと。
フィギュアスケートNHK杯のペアフリーを夕方から中継していました。
惜しくも優勝は中国人ペアに流れましたが、二位という大健闘をみせた井上怜奈、ジョン・ボルドウィンのペア。
四年ぶりの表彰台、ふたりとも三十路になっての快挙です。

この井上選手、調べてみましたらすごい方です。
五輪出場歴はあるがメダル獲得はなく、あまりメディアに大々的にとりあげられないので存じあげなかったのです。
長野オリンピック中に父親を肺ガンで亡くされています。しかもご自身も肺ガンを罹患したり、頭蓋骨骨折、卵巣摘出など、まさに波乱づくめの人生。〇一年に渡米し〇五年にアメリカ国籍を取得してからはアメリカ代表として滑ってらっしゃるのです。しかし、フィギュアを続けるにも有力なスポンサーはなく、アルバイトをしながら、衣装まで自前で用意して参戦したといいます。
〇七年に引退を表明したものの、母親の意を汲んで復帰。今年一月の大会でパートナーのジョンから、氷上のプロポーズを受けたことはいまでも伝説になっていますね。

演技が終わったとたんに会場は拍手の嵐。
祖国だからともいえるのですが、リンクに投げ入れられた花束を拾うかわらしい少女スケーターも、なんだか微笑ましく感じました。他の国のペアでは男性がジャンプに失敗したせいで優勝を逃し、女性側が最後につっけんどんな対応をしていたのが目についたので、よけいに仲睦まじさがアピールされましたね。

ところで気になったのですが、最近は選手の衣装も自由なんですね。女性といえば露出の多い派手なレオタードというのが帝石だったのですが、ペアで水兵服を着込んでパンツルックの女性もいました。コスプレみたいですね(笑)

フィギュアほど美しいスポーツはないですね。
ひとはそれぞれ自分の本領を輝かせる舞台をもっているはずですが、井上選手にとってはそれがリングだったのでしょう。よくあんな肌を凍らすような寒い舞台で笑顔で舞えるものだと感心しますね。まさに氷上こそが悲しみも喜びも踊っていくキス・アンド・クライの場所。演舞が終わっても、人生の挑戦はつづく。
今後の井上選手の活躍に期待したいです。

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フィギュアスケートに親しんだ漫画といえばこれでした。少女漫画の題材になることが多いのですね。


【女子シングルの感想に続く】

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