陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

大河ドラマ「精霊の守り人」第一回

2016-03-27 | テレビドラマ・アニメ
発表が昨秋だったのでまだ当分先だと思っていた、このドラマ。
いよいよ先週に、第一回が放映されていました。本屋とかでポスターをよく見かけたので、番宣が多く、注目を集めたのではないでしょうか。

新ヨゴ王国の帝の第二王子チャグムが川に落ち、その命を助けたのは女用心棒で短槍使いのバルサ。バルサは命の恩人にもかかわらず、王子の「秘密」に関わるものを目撃した咎で王宮に連行されてしまいます。王子は魔物にとりつかれていたがために、抹殺されようとしていたのでした。第二王子の母である二ノ妃の懇願を受けたバルサは、チャグムを連れて逃避行をすることに。そこに王宮から放たれた刺客が襲いかかり…。

公式ホームページ(http://www.nhk.or.jp/moribito/)を見た限りでは、特殊メイクや衣裳が絶妙に凝りすぎていて、どこか特撮っぽさが否めなかったのですが、放映ではさほど違和感はありませんでした。韓流ドラマっぽい(たしかに王宮の役人たちの服装とかが)というご意見もあるようですね。河原のシーンなどはあきらかに日本のロケ地だとわかりますので、あの大陸風の衣装ではやや浮いた印象があります。

まあ、なんといいましても注目すべきは、主演綾瀬はるかさんの殺陣でしょう。第一回ラストで、狩人のひとりジンと死闘を演じます。こちらは仮面ライダーで人気だった松田悟志。その動きがなかなかサマになっていました。アニメ版や新潮文庫版挿絵のバルサだと中肉中背の筋肉質なイメージがあったので、華奢な感じの綾瀬さんでだいじょうぶかな、と心配はしたのですが、なかなかのお手並み。綾瀬さんは、声がやや透き通りすぎて、武人としては凄味が足りないようには思います。ただ、綾瀬さんは、原作者の上橋菜穂子先生のお目がねにかなった「身体能力の高い」女優さんなのだそうで、たしかにそれは画面から感じますね。役づくりのために計画的にからだを鍛えられていたそうで。綾瀬はるかさんといえば、「わたしを離さないで」というカズオ・イシグロ原作ドラマでも熱演で話題をふりまいていますし、「八重の桜」でのマイナスイメージ(があったのかどうかはわからないけれど、低視聴率だったのを気にされていた模様)を払拭できそうですね。

しかし、この主演を食うぐらいの存在感があったのは、帝を演じる藤原竜也と、二ノ妃役の木村文乃でしょう。原作で二ノ妃の不倫(?)劇とかなかったはずなんですが…。帝も「精霊」の巻では、影が薄いはずなんですが。聖導師が平幹二郎というのは、やや老け過ぎではないのか、とか。いろいろ気になるのですが、原作にはないような改変があったりするのでしょうね、やはり。

第一回では「影の守り人」で詳しく語られる義父との過去が映像で挿入されていましたね。「守り人」シリーズは「天と地の守り人」までの十巻すべて、全22回、三年にわたってドラマ放映されるそうです。最後まで読んでいないですが、最終巻までいくと、登場人物もそれなりに年をとっていくんですね。成人したチャグムが主人公のお話もあったり。

なぜ、あの呪術師のトロガイ婆さんを、わざわざ高嶋礼子にしたのか疑問だったのですが、謎が解けました。第三作の「夢の守り人」では、彼女の若かりし頃が登場しますので。本人いわく、美人らしい…。「幽☆遊☆白書」の幻海師匠みたいなものでしょうか。

リアルタイムで視聴するのはなかなか厳しいですが、これからの楽しみとさせていただきます。その前に、原作を最後まで読みきる時間があればいいのですが…(笑)。こんなことを書いているうちにも、また一巻から読みなおしたくなってしまったではないですか! この勢いで「獣の奏者」や「鹿の王」もドラマ化希望です。個人的には、精霊の守り人アニメぐらいのクオリティで、全シリーズアニメ化もお願いしたいところです。(「獣の奏者エリン」のビジュアルが好みではなかったので…)



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