ちょっと前から気づいていたのだけど、記事にし忘れていた事などを。
上橋菜穂子原作の大人気児童文学「守り人シリーズ」の第一作「精霊の守り人」が、なんと実写ドラマ化されます。主演は綾瀬はるかさん。放映は来年春からの予定。詳細はこちら。
たしか、何年か前にNHKでアニメ化もされましたよね。
毎回じゃなかったけれど、クオリティ高くて、けっこう楽しみにしてましたっけ。個人的にはもうちょい、主演のバルサがワイルドな雰囲気の人が良さそうにも思うんですが、あんまり、きっつい感じだとやりすぎ感があるからでしょうか。さすがに「平清盛」に出てきた杏演ずる北条政子みたいなのはどうなのよ、と思いますし。タンダ兄貴役はあたりだと思います。個人的には、トロガイ婆はもっとこう、高畑淳子か野際陽子あたりをおどろおどろしくさせた方が良かったりして(笑)
それはともかく、バトルシーンはどうなるんでしょうね。中国映画みたいに、華麗なワイヤーアクションは期待できないでしょうけど。
このシリーズ、児童文学で発売されたのを、数年前から新潮文庫で大人向けに発売しています。この新潮文庫版シリーズを本屋で見かけたおりに買い集めているんですが、じつは三作目の「夢の守り人」までしか読み進めていません。ずっと、何年も積ん読状態。三作目までしか読まないで言うのもアレですが、第二作目の「闇の守り人」が好きですね。バルサと義父の話なんですが、泣けます。続きが読みたいんですけど、読んでしまうと、人生の楽しみというか、張り合いがなくなってしまうような感じがして、手がつけられないんですよね。シリーズ全巻コンプリートしているわけでもないので。
上橋菜穂子先生と言えば、近年刊行された「鹿の王」が本屋大賞を受賞したり、また国際アンデルセン賞を受賞したりと話題になりましたね。「鹿の王」はかつて傭兵隊長だった男と、原因不明の奇病に挑む青年医師とのダブルヒーローのストーリーで、なかなか巧妙な構成。しかし、読みづらいカタカナの名前や、独特の風俗や食べ物などが作中にわんさか出てきますので、最初は慣れるのがたいへんです。すごく、頭が柔らかくないと、なかなか作品世界に入り込めない。
「守り人」と並んで、NHKでアニメ化されたという「獣の奏者」も講談社文庫版で、王獣編、闘蛇編のみ読了。親を亡くしたけれども、特殊な才能に目覚めてやがて国の対立に巻き込まれていく女の子の話。主人公が前向きで、労働しながら学ぶという姿勢がしっかりと描かれていて、すごく共感できます。
数年前に読んだ「狐笛のかなた」も和風の筋立てなので、ことさら読みやすかったですね。アンデルセン賞受賞後に、エッセイ集も発売されたので、借りて読んでみましたが、上橋ワールドの源泉たるものがよくわかります。研究者の卵だった時代に、オーストラリアのフィールドワークでの体験談がすごく印象的。
日本人作家はどうしても、東京だとか、もしくは身近な地方都市だとかを舞台にした私小説か、もしくは、過去に範をとった歴史小説かあたりが典型として多いように感じます。海外を舞台にしても、未来小説っぽくなっても、どうしても現代の日本人らしい生活感がにじみでてしまうといういいますか。極端に誰にもまだ開かれていない舞台を、土ひとつから築き上げるような、地道な苦労が上橋作品にはあるように感じますが、しかし、なかなか、特殊設定を多くすると、そこになじむまで時間がかかりますよね。想像力が試されるというものです。
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【アニメ「精霊の守り人」レヴュー一覧】
過去記事をさぐってみたら、2008年でした。
上橋菜穂子原作の大人気児童文学「守り人シリーズ」の第一作「精霊の守り人」が、なんと実写ドラマ化されます。主演は綾瀬はるかさん。放映は来年春からの予定。詳細はこちら。
たしか、何年か前にNHKでアニメ化もされましたよね。
毎回じゃなかったけれど、クオリティ高くて、けっこう楽しみにしてましたっけ。個人的にはもうちょい、主演のバルサがワイルドな雰囲気の人が良さそうにも思うんですが、あんまり、きっつい感じだとやりすぎ感があるからでしょうか。さすがに「平清盛」に出てきた杏演ずる北条政子みたいなのはどうなのよ、と思いますし。タンダ兄貴役はあたりだと思います。個人的には、トロガイ婆はもっとこう、高畑淳子か野際陽子あたりをおどろおどろしくさせた方が良かったりして(笑)
それはともかく、バトルシーンはどうなるんでしょうね。中国映画みたいに、華麗なワイヤーアクションは期待できないでしょうけど。
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このシリーズ、児童文学で発売されたのを、数年前から新潮文庫で大人向けに発売しています。この新潮文庫版シリーズを本屋で見かけたおりに買い集めているんですが、じつは三作目の「夢の守り人」までしか読み進めていません。ずっと、何年も積ん読状態。三作目までしか読まないで言うのもアレですが、第二作目の「闇の守り人」が好きですね。バルサと義父の話なんですが、泣けます。続きが読みたいんですけど、読んでしまうと、人生の楽しみというか、張り合いがなくなってしまうような感じがして、手がつけられないんですよね。シリーズ全巻コンプリートしているわけでもないので。
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上橋菜穂子先生と言えば、近年刊行された「鹿の王」が本屋大賞を受賞したり、また国際アンデルセン賞を受賞したりと話題になりましたね。「鹿の王」はかつて傭兵隊長だった男と、原因不明の奇病に挑む青年医師とのダブルヒーローのストーリーで、なかなか巧妙な構成。しかし、読みづらいカタカナの名前や、独特の風俗や食べ物などが作中にわんさか出てきますので、最初は慣れるのがたいへんです。すごく、頭が柔らかくないと、なかなか作品世界に入り込めない。
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「守り人」と並んで、NHKでアニメ化されたという「獣の奏者」も講談社文庫版で、王獣編、闘蛇編のみ読了。親を亡くしたけれども、特殊な才能に目覚めてやがて国の対立に巻き込まれていく女の子の話。主人公が前向きで、労働しながら学ぶという姿勢がしっかりと描かれていて、すごく共感できます。
数年前に読んだ「狐笛のかなた」も和風の筋立てなので、ことさら読みやすかったですね。アンデルセン賞受賞後に、エッセイ集も発売されたので、借りて読んでみましたが、上橋ワールドの源泉たるものがよくわかります。研究者の卵だった時代に、オーストラリアのフィールドワークでの体験談がすごく印象的。
明日は、いずこの空の下 | |
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日本人作家はどうしても、東京だとか、もしくは身近な地方都市だとかを舞台にした私小説か、もしくは、過去に範をとった歴史小説かあたりが典型として多いように感じます。海外を舞台にしても、未来小説っぽくなっても、どうしても現代の日本人らしい生活感がにじみでてしまうといういいますか。極端に誰にもまだ開かれていない舞台を、土ひとつから築き上げるような、地道な苦労が上橋作品にはあるように感じますが、しかし、なかなか、特殊設定を多くすると、そこになじむまで時間がかかりますよね。想像力が試されるというものです。
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【アニメ「精霊の守り人」レヴュー一覧】
過去記事をさぐってみたら、2008年でした。