陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ウェールズの山」

2015-03-21 | 映画──社会派・青春・恋愛


1995年の映画「ウェールズの山」は、英国の田園地帯の緑豊かな景観とそこに暮らす人々の温かさがしみじみと感じられる佳作。そう大して劇的なことはおこらない中編ですが、なかなかコメディタッチ。

1917年、英国ウェールズ地方の小村を訪れたふたりの測量士。
彼らの測量対象は、村人が誇りとしてきた神聖なる”山”フュノン・ガルウ。山の高さを巡って村人の期待が高まるが、測量の結果、山と認定するにはあと六メートル足りない、”丘”だと認定されてしまう。

測量士を泊めた宿屋の主人モーガンは、折り合いの悪い神父のジョーンズの説得にならい、村人を指揮してフュノン・ガルウを山に変える作戦を実行。測量士をエンストや色じかけで足止めするいっぽうで、盛り土をして高くするのだった。

地形を変えるなんてとんでもない話なのですが、これは実話。
老若男女総出で作業に参加。その姿に心うたれた測量士の若手アンソンもいつのまにか作業を手伝い、測量のやり直しをしてしまいます。
悲願は達成され、フュノン・ガルウは、標高306メートルの山として認定。
おそらく一メートル分の土は、作業中に亡くなって埋葬されたジョーンズ牧師のものだったのでしょう。

主演は若手技師に、ヒュー・グラント。
監督はクリストファー・マンガー。彼の生まれ故郷のウェールズ南部に伝わる逸話をもとにした傑作コメディです。

日本でも三輪山など山岳信仰が存在しますから、大自然をあがめる村人の気持ち、よくわかりますよね。

ウェールズの山(1995) - goo 映画

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