陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ハリウッド・ミューズ」

2009-08-31 | 映画──ファンタジー・コメディ
99年の映画「ハリウッド・ミューズ」は、映画監督・脚本・主演の三役をつとめたアルバート・ブルックスの作品。
漫画家や小説家が、自身の投影像のような作家を主人公としてつくった物語は、体のいい自伝みたいなものでたいがいつまらないものですが、この作品もご他聞に洩れず。ただ、おなじような業界事情を暴露した「セレブリティ」よりは、まだ観れたかな。
以下、ネタバレあり。

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受賞歴もある映画脚本家のスティーヴンは、映画スタジオの若手重役から、シナリオを無碍にされ契約を切られてしまう。
藁をも縋る思いで、友人の同業者から、創造の女神ミューズの化身であるというサラの噂を聞く。彼女にインスピレーションを与えられたものは、かならず成功者になれる。
半信半疑だったスティーヴンだが、次作のヒントを得たさにサラに会う。贅沢好きのサラは、ティファニーの贈り物、高級ホテルのスイートルーム、豪勢な食事と、無茶な見返りを要求。ご機嫌取りのため、要求をなすがままに受諾するしかない、スティーヴン。

彼の脚本は遅々としてすすまない。いっぽう、サラの入れ知恵でクッキーの工房を開いた妻は、街で大当たりし、才能の途絶えた夫に代わって家族を養うと宣言。サラの元には、ひっきりなしにハリウッドの大物監督が訪れ、創作の糸口をつかんでいく。

焦るスティーヴン。
やがて、彼女の正体が、女神どころかとんでもない人物だと知らされて…。

最後はいちおうそれなりに報われるのですが、やはり作家の自己満足なのか、という気がしないでもない。
美女や妻にふりまわされる中年男の悲哀を感じさせます。

見どころは、「ターミネーター」や「タイタニック」のジェームズ・キャメロンマーティン・スコセッシロブ・ライナーと名うての監督たちが本人役で出演。サラに啓示をもらいにきます。キャメロン監督って、あんなに繊の細いタイプだったんですね。

主演のミューズ役に、「氷の微笑」で有名なシャロン・ストーン。
女神役だけあって人間離れした美貌を発揮してますが、いくらなんでもこんな欲得まみれな神様もいやだと思いました(笑)

(〇九年六月十九日)


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