漫画が原作である邦画というのは、基本あまり期待していないのですが。この映画はそもそもドラマとして親しんだものですから、実写にしても違和感はありませんでしたね。
〇六年作のこの映画は、じつはこのシリーズの実写映画三作目でしかも、およそ二〇年ぶりのスクリーン化なのだそうです。
以下、ネタバレあり。
…と、その前におさらいを。
「スケバン刑事」の三シリーズはどれも子どもの頃、リアルタイム視聴していたクチですが、いちばん好きだったのは、二作目の南野陽子主演の少女鉄仮面伝説。一作目のやさぐれた不良少女っぽい斉藤由貴とはうってかわって、お嬢様っぽいところがよかったです。この二作目は、共闘する少女(ビー玉のお京と、あとお嬢様)がふたりいて、戦闘ヒロインの友情としても微笑ましたかったですよね。南野陽子さんは、「アリエスの乙女たち」でも印象深いですね。できたら、もっとテレビに出演してほしいです。
第三作めの風間三姉妹は、主人公が野生児っぽくて、しかも忍者ものになっているので、なじめませんでした(汗)そういえば、「喰霊─零─」の神楽と黄泉さんって誰かに似てるなと思っていたんですが、風間三姉妹の三女と長女ですよね。ポニーテールで黒セーラー服って(笑)
さて、この二十一世紀版スケバン刑事。映画化されなかった第一作ドラマと因縁がありそうです。
舞台はニューヨークからはじまります。NY市警に勾留された母親の釈放とひきかえに、特命刑事に任命された少女。彼女は麻宮サキの名をあたえられ、不穏分子のつどうとされる学園への潜入調査を開始します。
この主演をつとめるのが、松浦亜弥さんなのですが。
あけすけにいいますと、この映画は、彼女のファン向けの映画といってもいいでしょう。さらにいえば、ドラマ第一作への懐古。じつは、この少女は斉藤由貴演じた初代サキの娘!ラストには母娘の会話シーンもあります。
でも、あややは顔も童顔ですし、どうも声がかわいらしすぎて、啖呵を切るときも声が据わっていません。そこが、ちょっと惜しい。斉藤由貴はいつもはほわんとした感じがするんですけど、ドスの利いた声はでて迫力あったように記憶していたのですが。
赤、黒、白で際立たせたオープニング映像から、最初三十分ほどはかなり演出も斬新で見応えがあったのですが、話がすすむにつれて期待がしぼんでしまいます。まず、敵に魅力なさすぎ(爆)カリスマ性を装っているわりには、やってる犯罪が、ネットでの祭りとか、銀行強盗とか、ショボいです。しかも最終決戦であんがいあっさり死んじゃいますし、ゲーム感覚を理由にするのももうありきたりなんですね。だとしたら、もっと狂気じみた性格にしたほうがよかったけれど、中途半端に二枚目きどりなのでできないという。
いっそのこと、あの姫川亜弓みたいなタカビーお嬢様(なんで、こいつだけ赤ジャケットなんですかッ? 還暦なの?(違))をラスボスにして、白黒ふたりのサキで対決させるほうがよかったんじゃないかしらって思います。
あと、さいしょはあんなにヨーヨーの扱いに不自由していて自分のどタマにぶつけて失神していたのに、なんであんな土壇場の銃撃の雨をくぐりぬけて狙撃手を倒していけたのかふしぎでした。といいますか、あの防弾スーツは、どうにかして~(笑)監督とかが、あややにセーラー服とかレオタードコスプレさせるためにつくった映画としか思えませんでした(どキッパリ)
筋書きはさんざんなのですが、ひとつおいしかったのは、サキのお友だちになるいじめられっ子が、びみょうに百合担当。私はじつはこのコが、あんがいラスボスなんじゃないかって踏んでました(深読みしすぎ)
ありきたりとはいえ現代の病理をついたテーマでしたけれど、あの八〇年代のドラマの内容はあまり覚えていなくて、どういうことを扱っていたのでしょうね。子どものころ観たせいかもしれませんが、あの頃のドラマがやはりおもしろくて、それはきっとバブルの全盛期で豊かな時代だったからなんでしょうね、きっと。
(〇九年二月五日)
〇六年作のこの映画は、じつはこのシリーズの実写映画三作目でしかも、およそ二〇年ぶりのスクリーン化なのだそうです。
以下、ネタバレあり。
…と、その前におさらいを。
「スケバン刑事」の三シリーズはどれも子どもの頃、リアルタイム視聴していたクチですが、いちばん好きだったのは、二作目の南野陽子主演の少女鉄仮面伝説。一作目のやさぐれた不良少女っぽい斉藤由貴とはうってかわって、お嬢様っぽいところがよかったです。この二作目は、共闘する少女(ビー玉のお京と、あとお嬢様)がふたりいて、戦闘ヒロインの友情としても微笑ましたかったですよね。南野陽子さんは、「アリエスの乙女たち」でも印象深いですね。できたら、もっとテレビに出演してほしいです。
第三作めの風間三姉妹は、主人公が野生児っぽくて、しかも忍者ものになっているので、なじめませんでした(汗)そういえば、「喰霊─零─」の神楽と黄泉さんって誰かに似てるなと思っていたんですが、風間三姉妹の三女と長女ですよね。ポニーテールで黒セーラー服って(笑)
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さて、この二十一世紀版スケバン刑事。映画化されなかった第一作ドラマと因縁がありそうです。
舞台はニューヨークからはじまります。NY市警に勾留された母親の釈放とひきかえに、特命刑事に任命された少女。彼女は麻宮サキの名をあたえられ、不穏分子のつどうとされる学園への潜入調査を開始します。
この主演をつとめるのが、松浦亜弥さんなのですが。
あけすけにいいますと、この映画は、彼女のファン向けの映画といってもいいでしょう。さらにいえば、ドラマ第一作への懐古。じつは、この少女は斉藤由貴演じた初代サキの娘!ラストには母娘の会話シーンもあります。
でも、あややは顔も童顔ですし、どうも声がかわいらしすぎて、啖呵を切るときも声が据わっていません。そこが、ちょっと惜しい。斉藤由貴はいつもはほわんとした感じがするんですけど、ドスの利いた声はでて迫力あったように記憶していたのですが。
赤、黒、白で際立たせたオープニング映像から、最初三十分ほどはかなり演出も斬新で見応えがあったのですが、話がすすむにつれて期待がしぼんでしまいます。まず、敵に魅力なさすぎ(爆)カリスマ性を装っているわりには、やってる犯罪が、ネットでの祭りとか、銀行強盗とか、ショボいです。しかも最終決戦であんがいあっさり死んじゃいますし、ゲーム感覚を理由にするのももうありきたりなんですね。だとしたら、もっと狂気じみた性格にしたほうがよかったけれど、中途半端に二枚目きどりなのでできないという。
いっそのこと、あの姫川亜弓みたいなタカビーお嬢様(なんで、こいつだけ赤ジャケットなんですかッ? 還暦なの?(違))をラスボスにして、白黒ふたりのサキで対決させるほうがよかったんじゃないかしらって思います。
あと、さいしょはあんなにヨーヨーの扱いに不自由していて自分のどタマにぶつけて失神していたのに、なんであんな土壇場の銃撃の雨をくぐりぬけて狙撃手を倒していけたのかふしぎでした。といいますか、あの防弾スーツは、どうにかして~(笑)監督とかが、あややにセーラー服とかレオタードコスプレさせるためにつくった映画としか思えませんでした(どキッパリ)
筋書きはさんざんなのですが、ひとつおいしかったのは、サキのお友だちになるいじめられっ子が、びみょうに百合担当。私はじつはこのコが、あんがいラスボスなんじゃないかって踏んでました(深読みしすぎ)
ありきたりとはいえ現代の病理をついたテーマでしたけれど、あの八〇年代のドラマの内容はあまり覚えていなくて、どういうことを扱っていたのでしょうね。子どものころ観たせいかもしれませんが、あの頃のドラマがやはりおもしろくて、それはきっとバブルの全盛期で豊かな時代だったからなんでしょうね、きっと。
(〇九年二月五日)