陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

四大陸フィギュアスケート選手権2013(一)

2013-02-11 | フィギュアスケート・スポーツ
いまさらのいまさらでいまさら恐縮なんですが、フィギュアスケートの四大陸選手権とは、アフリカ、アジア、アメリカ、オセアニアの四大陸の所属選手のみが参加できるとされています。しかし、なぜ、ヨーロッパを除くのだろうかといえば、欧州選手権が別にあるから。しかし、四大陸とはいえ、実質はアジアとアメリカ大陸の大会と言っても過言ではなく、1999年の第一回以来、メダリストのほとんどは日本、中国、カナダ、米国の四カ国人で占められています。

第十五回めとなる2013年の四大陸選手権は、2000年以来の開催となる大阪。他ならぬホームグラウンド、日本人選手は今季GPシリーズでもファイナルまで絶好調。となれば、表彰台を日本人が独占、男女同時優勝も不可能ではない。事前の予測ではそんな期待が持たれましたが、勝負の世界はなかなか思ったようにいかないものですね。

四大陸では過去二度の優勝経験があるエース高橋大輔選手。
昨季は王座を奪われたライバル、パトリック・チャンが欠場とあれば、俄然、優勝候補の筆頭格とされるもの。しかし、SPでは出遅れて四位からのスタート。FSでの挽回が期待されたのですが、予定されたジャンプの過半数を取りこぼしたがために、さらに大きく後退し、総合で222.77点の七位に。高橋選手は、今年に入ってSPの演目を、ベートベンの「月光」に急きょ変更。敗因は練習不足と慢心にあったと分析しています。四回転が二本とも決まらず、トリプアクセルでの転倒と大技で取り逃がした格好になりましたが、逆にそれが決まっていればどれほどのハイスコアだったのか。

さて、今大会、高橋選手と王座争いをくりひろげるかに思われた、ホープ羽生結弦選手。SPでは首位に立ち、初の栄冠に手が届くか、と期待が高まりましたが、FSではGPシリーズでも高得点を稼いだ四回転ジャンプの二回目が不発。四回転サルコウが二回転に。ラストを締めるジャンプの三回転ルッツが一回転に抜けるなど。最終的にはスコア246.38点での銀メダルに終わってしまいました。

はじめての四大陸代表に挑んだ無良崇人選手は、総合218.08点で、SPから順位動かず八位入賞。四回転一本を成功させています。次世代オリンピック候補者としては、ひじょうにいい経験を積んだのはないでしょうか。今季はウェアが決まってますね。

初優勝をもぎとったのは、カナダの22歳、ケヴィン・レイノルズ選手。
日本でも人気が高い選手です。じつは、彼、公式の試合で四回転を二度も成功させたはじめての選手なのですね。SPでは六位と表彰台圏外。誰もが優勝をかっさらうとは思いだにせず。しかし、そのフリーではなんと、四回転ジャンプを三つ盛り込んだ構成、しかも、ふたつめは三回転とセットのトゥループ連続技、みっつめは加点の高い後半での四回転トゥループ。他のジャンプもミスはまったくなしの完全演技に、場内からは拍手喝采。フリーでは二位を大きく突き放す172.21点、トータル250.55点の大逆転優勝。かねてからその才を買われながらも不遇な採点に泣いたとされるカナダボーイが栄冠に輝きました。この人、ハリポタの俳優に似てるとされてますが、日本の古めかしい少女漫画に必ずいそうな、線の細げな金髪少年っぽいですよね(爆)。

三位になったのは、中国の若手・閻涵(ハンヤン)選手。
若手選手が台頭しているのは、日本だけではなさそうですね。そのうち選手層が充実してきたら、アジア選手権も実現しそうな気もしますが。


【過去のフィギュアスケート記事一覧】

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« たまにはおうちでカフェ気分 | TOP | プレイバック、ヴァレンタイン! »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | フィギュアスケート・スポーツ