陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「心の旅」

2011-05-24 | 映画──社会派・青春・恋愛
記憶喪失になった男がかつて愛した女を忘れてしまうが、ふいに思い出してしまう。そんな名作映画だったのが「心の旅路」
1991年作のアメリカ映画「心の旅」(原題は Regarding Henry)も、おなじ記憶喪失を扱っていますがまったく話の筋は異なります。ただし、最後に感動に行き着くところはおなじ。

以下、ネタバレ有り。

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ニューヨークの腕の立つ弁護士ヘンリー。根っからの仕事人間で、妻や娘には横柄な態度で接する。
ところがストアで強盗に遭遇、銃撃された彼は、リハビリの甲斐あって回復するが記憶だけは元に戻らなかった。さいしょは妻や娘に他人のように接するが、しだいに心を開いていく。
だが、字も満足に読めず子どものような言動の彼が元の弁護士業に戻れるわけもなく、かつて豪勢な暮らしぶりをした家族は家を手放さなくてはならなくなる。

かつてとは性格が一変して優しくなった夫に、妻のサラも娘のレイチェルも大喜び。
不利な証拠を握りつぶして勝訴にもっていった強引な遣り口を今さらながら思い知らされて、また仲間のそしりもあって、ヘンリーは弁護士復帰をあきらめる。
それを決定的に促したのは、明るく励ましてくれた看護士のブラッドレーであり、また思いもよらなかった妻との愛情関係だった。
ヘンリーが入院中にこだわっていた「リッツ」が、意外な伏線になっています。

けっきょくヘンリーは、記憶喪失になる直前には回復しませんが、それを飛び越えて夫婦の馴れ初めの時代にまで遡ったといえるでしょう。
家族三人でやり直す人生が、幸福な期待を呼び寄せている、そんなラスト。

主演の性格の激変した男を演じ分けたのは、名優ハリソン・フォード。
監督は、マイク・ニコルズ。


(〇九年八月九日)

心の旅(1991) - goo 映画

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