陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「イエスマン ”YES”は人生のパスワード」

2011-09-11 | 映画──ファンタジー・コメディ
ジム・キャリー主演の映画は楽しめることが多いのですが、本作もアタリでした。
2008年の映画「イエスマン ”YES”は人生のパスワード」は、ツイてない男が自分の人生を肯定していくことで開運していくコメディドラマ。

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銀行員のカール・アレンはとにかく不運続き。
友人の美人の恋人と結婚、元妻には恋人ができ、勤め先からは昇進はもみ消され、あげく失業の危機に。平気を装ってはみますが、傷心は癒えず、内こもり気味に。

ある日、旧友と再会し、人生が楽しくなるというセミナー「イエスマン」に誘われます。それはあらゆることにイエスと答えると教え込む、宗教団体のような場所でした。教祖のテレンスから、今後いっさいの頼みごとにイエスと受け入れる誓約を立てさせれたカールは、さっそくそれを実行しようとするのですが…。

イエスマンの団体がとにかくうさんくさすぎて、なにかオカルトっぽい気がしますが、とくに裏で糸を引いてたりはしません。

さいしょは明らかに理不尽な要求にも断れずに受け入れていたカールの前に、わずかに幸運の兆しが。新しい恋人アリソンと巡り会い、職場での評価も急上昇。傷つくことを恐れて人間関係に臆してカールは、パーティにも出入りし、友好関係を広めていきます。

主人公が何の気なしにはじめたことが本人だけではなく、周囲をも巻き込んで幸せにしていくあたりは胸の奥が温かくなりますね。弱者に優しい目線を感じさせます。

そのいっぽうで、彼女とのこじれから、何でもかんでも安請け合いではなく、必要に応じてイエス・ノーを言えるようにと学び、人生を自分でコントロールする術を得ていきます。

途中、いくつかこんなのありえないと思うようなエピソード(マンションの老婦人とのアレとか…)や、オーバーアクションが鼻につくきらいはありますが、観終わった後に満ち足りた気分にさせてくれる一作です。

自分の人生はツイていないと肩を落として生きがちな日本人、とくに若い人には観てほしい映画ですね。この主人公のような真似はとうていできはしないだろうけれど、前を向いて歩こうと思わせてくれます。お説教がましくないところが気に入っています。

共演はゾーイ・デシャネル、ブラッドリー・クーパー、テレンス・スタンプ。
監督はペイトン・リード。

ジム・キャリーのギター弾きながらの歌唱シーンは、胸にぐっと込み上げてくるもがありました。
なお本作は、ダニー・ウォレスが書いた自叙伝『イエスマン』に基づいているとのことです。

(2011年2月28日)

イエスマン “YES”は人生のパスワード - goo 映画

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