12345・・・無限大  一粒の砂

「一粒の砂」の、たわごと。
無責任結構・ 中途半端・ちゃらんぽらん・ 出たとこ勝負、で参りましょう!

せみしぐれ

2006年09月13日 02時16分10秒 | Weblog

先日のブログ 「幸齢者」 に対する、
コメントを頂いた。

とても貴重なご意見と感じたので、
以下に、引用させていただく。

「私から年齢を
奪わないでください。
これは、
私が年月をかけて作った 
財産なのですから」

ピオーネさんのホームページで
見た言葉なのですが、

とても素敵な言葉で

時々自分に言い聞かせています・・・
決して、年齢を重ねることは
悪いことではないはずです。


誠に、その通りである。

しかるべき人生経験を経ずしては、
理解できないことが沢山ある。

例えば、藤沢周平氏の作品が、その一つの例である。

同氏の作品は、小生の波長に合うものが多い。

中でも、ここ数年繰り返し、様々な媒体を通し、
読み・見・聞きした作品に「せみしぐれ」がある。 

噛めば噛むほど、味がある作品である。

この作品を、数種類の媒体で鑑賞するという、
珍しい経験をした。 

(番号は、小生が、感銘を受けた順とした) 

1.ラジオの有名アナウンサーによる朗読 (八十数回に分けて放送)     

2.原作小説そのもの     

3.某国営放送のTV連続ドラマ (数回に分けて放映・延べ十数時間)     

4.映画 (2時間程度に短縮されたもの)

幼き日、やまかがしに噛まれ、
指を吸ってもらった“おふくさん”のときから、
藩主の側室となり、
いよいよ尼寺に入る日まで、
のことが綴られている。

人の半生に渡る恋の物語である。

ここに描かれた人の心機微は、
若い人には、理解しにくいものがあろう。

ひと歳とってこそ、深い本当のところが分かるのである。

これぞ、“幸齢者”の醍醐味である。