( この漫画は、以前公開したことのある「未完成の加筆部分」を完全に仕上げた一コマです。本来の
作品「覇王の船」にはなかった追加分(10ページ)の中の一コマです。《 2008年8月、制作 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その61
漫画には「 締め切り 」というものがあります。
プロ、アマを問わずに、この「 締め切り 」という「 約束事 」があることで
作品完成に向かって頑張れる一面があります。
この事は、年齢、経験、画力、知力を問いません。誰でも同じ様なものです・
・・・。ただ何となく漫画を制作するのではなく「 漫画賞の締め切りに間に
合わせなくては・・・ 」とか「 同人誌の締め切りに・・・ 」とか、「 約束 」
や「 期限 」があった方が良い場合が多いのです。
私の「 覇王の船 」は締め切りが「 迷走 」したまま・・・( その事に甘えた
まま )・・・ズルズルと制作が遅れていくのです・・・。
いったい私の作品は期待されているのだろうか・・・いないのだろうか・・・
・・・。 それが、サッパリ分からない。・・・かといって・・・・
「 私の漫画は見込みがありますか? 」
・・・なんて、聞けません・・・! ゆっくりだろうが何ンだろうが前進しな
くてはなりません・・・。制作開始から2年目( 半年で完成させる目標は忘れ
たフリをしつつ・・・ )、少しづつですが背景を処理し、完成した原稿も10ペ
ージ、20ページと増えていきますと・・・だんだん「やる気」も出てきます・
・・・・
『 ゲームどころじゃないぞ・・・ 』 ( すでに手遅れだが・・・ )
ゲームのコントローラーを持つ前に・・・ペンを持つ! とりあえず1時間でも、
30分でも・・・・・
実は、掲載される雑誌「 週刊ヤングJ 」の別冊「 Bクラブ 」で開始された文
芸長編シリーズは、どうも、パッとしなかった様子で・・・・・。
原作に夏目漱石などの近代純文学を選んだことで、ごく一部の文学ファンにはウ
ケたかもしれませんが、多くの若い( 中学、高校生 )読者にはイマイチだった
と思います。ですから私も、いつ担当編集員から・・・
「 この企画が中止になっちゃってねェ・・・残念だけど・・・Yさんの
漫画・・・制作を中止して下さい 」
・・・ってな事を、言われるか分からない状況だったのです。
事実、私が完成させた「 覇王の船 」が掲載された頃に、この「 文芸長編シリー
ズ 」は打ち切りになったのでした。( 私の「 覇王の船 」がウケなかった事が原
因であるのかどうかは不明 )
ところで・・・もし、締め切りに遅れそうになっって・・・
「 すいません、今月中に完成させるのがキツクなっちゃってェ・・・ 」
と、描き手が頭を下げたら、編集員が・・・・
「 いいですよォ・・・大丈夫、大丈夫。来月でも再来月でも、再々来
月でも! 」
・・・これでは、描き手にとって本当に幸せな事ではありません。例えばこんな
感じに・・・
「 馬鹿野郎ッ! それでもプロかよ~ォオオッ! 早く仕上げろ、ぶっ
殺すぞォ! 」
このぐらいに言われた方が描き手にとっては幸せな事なのです・・・・。 なぜ
なら、この言葉の裏側には・・・
『 お前の原稿が必要なんだよ! 頼むよ! 絶対に描いてくれよッ! 』
・・・という、メッセージが隠れている事を描き手が心で感じ取るからなのです!
私の「 覇王の船 」も、やっと「 全速前進 」で進み始めます。編集部、ならびに
担当編集員のK氏には誠に申し訳なかったのですが・・・・・
今頃・・・・・エンジンが全開に・・・・・しかし、それは気持ちの良い積極的な
創作活動・・・ではなく、自分の影が薄くなっていく・・・自分の存在が消えて行
ってしまいそうな・・・そんな恐怖から突き動かされた結果だったのです・・・・
・・・。
そして、私はゆるみがちな「 集中力 」を維持するために一つの方法を考え出しま
した・・・・・・
「 これしかない・・・これが出来なきゃ・・・俺は終わりだ・・・・・・! 」
( 注 : もったいぶった終わり方をしていますが、たいした方法
ではありせんので、過度な期待は禁物です! )
「 漫画家アシスタント 第5章 その62 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第5章 特別編part2」へ戻る 】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ 拙ブログ「漫画家アシスタント物語」(第1~4章収録)が書籍化!
全326ページ。第1章の一部漫画化! 秘蔵未公開写真19点、描き下ろ
しイラスト18点を含む画像総数148点! デビュー漫画「雨のドモ五郎」
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★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』
( 劇画「覇王の船」 + 小説「蟹工船」の二本立て! )が発売中!
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【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
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漫画には「 締め切り 」というものがあります。
プロ、アマを問わずに、この「 締め切り 」という「 約束事 」があることで
作品完成に向かって頑張れる一面があります。
この事は、年齢、経験、画力、知力を問いません。誰でも同じ様なものです・
・・・。ただ何となく漫画を制作するのではなく「 漫画賞の締め切りに間に
合わせなくては・・・ 」とか「 同人誌の締め切りに・・・ 」とか、「 約束 」
や「 期限 」があった方が良い場合が多いのです。
私の「 覇王の船 」は締め切りが「 迷走 」したまま・・・( その事に甘えた
まま )・・・ズルズルと制作が遅れていくのです・・・。
いったい私の作品は期待されているのだろうか・・・いないのだろうか・・・
・・・。 それが、サッパリ分からない。・・・かといって・・・・
「 私の漫画は見込みがありますか? 」
・・・なんて、聞けません・・・! ゆっくりだろうが何ンだろうが前進しな
くてはなりません・・・。制作開始から2年目( 半年で完成させる目標は忘れ
たフリをしつつ・・・ )、少しづつですが背景を処理し、完成した原稿も10ペ
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・・・・
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ズ 」は打ち切りになったのでした。( 私の「 覇王の船 」がウケなかった事が原
因であるのかどうかは不明 )
ところで・・・もし、締め切りに遅れそうになっって・・・
「 すいません、今月中に完成させるのがキツクなっちゃってェ・・・ 」
と、描き手が頭を下げたら、編集員が・・・・
「 いいですよォ・・・大丈夫、大丈夫。来月でも再来月でも、再々来
月でも! 」
・・・これでは、描き手にとって本当に幸せな事ではありません。例えばこんな
感じに・・・
「 馬鹿野郎ッ! それでもプロかよ~ォオオッ! 早く仕上げろ、ぶっ
殺すぞォ! 」
このぐらいに言われた方が描き手にとっては幸せな事なのです・・・・。 なぜ
なら、この言葉の裏側には・・・
『 お前の原稿が必要なんだよ! 頼むよ! 絶対に描いてくれよッ! 』
・・・という、メッセージが隠れている事を描き手が心で感じ取るからなのです!
私の「 覇王の船 」も、やっと「 全速前進 」で進み始めます。編集部、ならびに
担当編集員のK氏には誠に申し訳なかったのですが・・・・・
今頃・・・・・エンジンが全開に・・・・・しかし、それは気持ちの良い積極的な
創作活動・・・ではなく、自分の影が薄くなっていく・・・自分の存在が消えて行
ってしまいそうな・・・そんな恐怖から突き動かされた結果だったのです・・・・
・・・。
そして、私はゆるみがちな「 集中力 」を維持するために一つの方法を考え出しま
した・・・・・・
「 これしかない・・・これが出来なきゃ・・・俺は終わりだ・・・・・・! 」
( 注 : もったいぶった終わり方をしていますが、たいした方法
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>>「この野郎ッ! それでもプロかよォオオッ! 早く仕上げろ、ぶっ殺すぞォ! 」
くらいに言われた方が書き手は幸せだってのはよーく分かります。
私は漫画ではないのですが、ある本の翻訳をしたことがあって、出版者が「いいよ、うちから出版しても」と言ってくれた時は奇跡だと思いました。
しかし、相手は校正の催促をしてこないんですよ。
多分、自分の原稿が間に合わなかったら、他人の原稿を入れて予算はそっちに使われるのかもと思いましたね。
私:「いつでもいいよ、と言ってもだいたいの目安はあるんでしょ」
編集者:「じゃ、今年上半期ということで」
私:「上半期ですねーということは逆算して遅くとも初校はX月X日提出ですよねー」
と無理やり締め切りをでっちあげて、それからは大した用でもないのに編集者に今ここまで進んだよ、こっちの表現の方がよかったかなぁ、などとメールをしていました。
誰かに催促されたいですね。
誰にでも平等にありますからね。
創作者には太く短く、細く長くと様々な生き方も。
時代の流れやら病気やらと。
生きてるだけでもすごいことですけど。
ノーベル賞受賞者を見て思いました。
昨夜テレビで面白い番組が。「印税スター誕生」。
タレントがプレゼンして大手出版編集者が決めるという。
決定されれば一万部で出版保障されます。
三名のタレントが選ばれてました。
一万部というのは、すごい部数だとつくづく思わされました。
部屋に入りきれない物量ですからねぇ。
とはいえ、大体の人が適度な締め切りでも、なんだか最終的に無茶な締め切りと発展してゆくのであります(笑)
わたしも、なんだかただいまちょっと無茶スケジュールになりかけているので、がんばります。
あきらめても、困るのは自分だけ締め切りなんですが、あきらめないようがんばりますw
漫画のコーナーには別の蟹工船の漫画がありましたけど……。
または、駅でいうと。
発売日にマンガ棚、マンガ文庫棚で目を皿のようにして探しても見つからず
しょうがないのでアマゾンで買おうかとして値段を見たら文庫扱いなのを発見
それで次の日に宝島文庫のコーナーに行ってみたらありました
感想は・・・ド迫力の画と展開で一気に読み干しましたよ
上手く言葉に出来ませんが、鬼気迫るとはまさにこの事かと
もしページの制限が無いなら・・・源さんの死体発見から結末までもうひと山ふた山見たかったです
世の中ますます底なしの不景気になっていって、蟹工船ブームも
まだまだ続きそうなので・・・大幅増補・・・できませんかね?
こんにちは、鯉さん。
>無理やり締め切りをでっちあげて、それからは大した用
>でもないのに編集者に今ここまで進んだよ、こっちの表
>現の方がよかったかなぁ、などとメールをしていました。
実は、来週はこのネタでスタートします・・・! この話はネタば
れですね!(つまり・・・皆さん、同じ様な事考えるんですね!)
>山本さん、へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>一万部というのは、すごい部数だとつくづく思わされ
>ました。部屋に入りきれない物量ですからねぇ。
はい。 でもって仮に、その本が返本になったら・・・・・目も当て
られません・・・!
しかし、最近は返本はどんどん裁断してしまうそうです。残し
ておいても資産として税金はかかるし維持費はかさむし・・・いい
事がないそうです。
>ラティさん、へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ラティさんが自分を(締め切りで)追い込んでいる・・・ひ・・・み・・・
・・・つ・・・(でもないか・・・?)の漫画ブログを紹介させて下さい!
アラブ文化を紹介する「アラびいき」http://arabiiki.cocolog-nifty.com/blog/
>しろいさん、みみさん、へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「劇画 蟹工船 覇王の船」は宝島文庫・・・つまり、文芸のジャンル
で登録されているので、漫画コーナーには無いと思います。
お店によっては新潮社の「蟹工船」のとなりに置いてくれていた
りします。
>おっぱい刑事乳頭派さん、へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>感想は・・・ド迫力の画と展開で一気に読み干しましたよ
ありがとうございました!
>世の中ますます底なしの不景気になっていって、蟹工船
>ブームもまだまだ続きそうなので・・・大幅増補・・・できま
>せんかね?
大恐慌は恐ろしいですが・・・大増刷は美味しそうです! でも、
それは・・・ない・・・・・・と、思います。 現実はキビシイのです。
いやホント。
いやはや・・ほんと週一って・・何にもしてなかったら、大変じゃないんですけど・・色々していると結構、時間とられてできなかったりしますよねー。
簡単に書いているつもりでも・・時間かかります^^;
漫画って・・書くの時間かかるよなーとしみじみ
思う瞬間です。読むのは一瞬なのに・・
ラストシーンだけで5回も書き直したとか。
アシがトキワ壮の描画シーンで正座してペン入れしたところを胡坐に書き直させたり。
目が悪くなったので、何度も目薬を差しながら明日のジョーの顔を描くが、ペンの顔線が細くて上からなぞると2重線になって失敗したり。
そして、当時のメンバー、ちばてつや先生が70近いので、このくらいの年齢になると、手塚先生も、石森先生も、赤塚先生、藤子A先生もと、トキワ壮メンバーの7割が亡くなっている。
すごい話だなぁと。
これが人生なんですね。
とりあえず宣伝文は書き終えたので書籍の責任者の人に手書きの文書を渡し、その日の内に文章をパソコンメールで送信してもらいました。
掲載日はまだわかりませんが、新聞の折り込みチラシの様な形で7500部ほど掲載されるみたいです。
私が住んでいるのは千葉県の東金市なので、この辺りに住んでいて新聞をとっている人は目にされるかも知れません。
ちなみに千葉県の東金市は3週間ほど前に女児の遺体遺棄事件が起こった現場地域で…まだ犯人が捕まっておらず、町全体が何となく物々しい雰囲気…。
早く犯人が捕まってほしいです(関係無い書き込みですみません)。