漫画家アシスタント物語

どーすりゃ漫画家に成れるのか、何で漫画家になれないのか?漫画家アシスタントの日常と苦悩!漫画大バカ人生劇場 

漫画家アシスタント もう終わりで章 その8

2016年09月24日 01時51分00秒 | 漫画家アシスタント

 ( この写真は、東京、目白にある仕事場のマンションから撮影したものです。 隣のビルで外装の修繕工事をし
  ているのですが、その鉄骨の足場に作業員がいます・・・・画面中央の小さな黒っぽい人影です。 命綱一本で
  立っている場所は、幅が30㎝ほどの鉄骨の上です・・・・・《 2016年、9月、撮影 》 )

  【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧下さい。 】  

 

                        その8


        《 漫画家アシスタントが・・・・昔の友人を思い出す・・・・!? 》



仕事中は、まったく楽しくないという話を書かせていただきましたが・・・・・・・・

自分の漫画を描いている時には、どんなに困難な作業であっても、緊張感と充実感があり、
達成感だってあるのです。

仕事場( ※参照 )の先輩方に私の漫画作品を見てもらうと・・・・・・・・( といっても20年以上前
の話 )

 「 凄いねェこの絵・・・・・でも、Y君(私)なんで仕事場でこれ位の絵描かないの? 」

・・・・・・と、そんな事を言われたものですが・・・・・・・・

私は、いつも笑って誤魔化していましたが・・・・・・・・

実際には・・・・・・・・・・・・

 『 自分の漫画でもねェ~のに頑張れるかッつ~~の! 』

・・・・・・・・ってな事を心の中でつぶやいていました。

ちなみに、私が頑張れば頑張るほど師匠の感性に嫌われる暗い絵になってしまう・・・・・・・・
・・・・・そんな矛盾もあるのですが・・・・・・・・・・


さて、前回、漫画家に成れずにペンを折るアシスタントがその後、どうなるのかといったお話
を書かせていただきましたが・・・・・・・

漫画家になる夢を抱きつつ挫折していった人の中には、精神病や犯罪者や自殺者といった
最悪のケースに至った人たもいる訳ですが・・・・・・・

注意すべきは、漫画家に成れないから精神病になったり自殺したりするわけではないんだと
いう事です。

また、精神病になったり、自殺したりする様な「 弱い人間 」だから漫画家に成れないといっ
た訳でもないと思われます。

努力が足らないとか、勉強が足らないとか、ハングリーじゃないとか、結局才能で決まるんだ、
とか・・・・・・・そんな理由をあげる人がよくいるのですが・・・・・・・私には、そんなに難しい問題
ではない様な気がするのです・・・・・・・・・・( 第一、努力だのハングリーだのって抽象的だし相
対的なんですよね )

私の結論は簡単です・・・・・・・

『 楽しく夢中になっているだけで良い 』

・・・・・・・こんだけです。

実は・・・・・・・

この単純な事がなかなか出来ないし、また、この事に「運」の良し悪しが絡んでくるので、さら
に「狭き門」になってしまうのだと思います。

「 夢中になったいるだけ 」・・・・・・・そんな理屈では納得出来ない方も多いかも知れませんの
で、少し説明して置きたいと思います・・・・・・・

売れる漫画を描いている時に「 楽しく夢中になっている 」のは、誰でも納得がいくと思います。

でも、売れない漫画を描いて、ボロ糞に侮辱されて、年だけ取って貧乏になっていく状態で、
「楽しく夢中に」なれる人間は、もはや狂っているとしか言いようがありません。

ほとんどの漫画家は、子供の頃から多くの人々から褒められ、喜ばれ、期待され、評価され、
「 実力と自信 」そして「 創作の喜び 」を当たり前のものとして身に着けています。

ですから、机に向かって黙々と漫画を描き続け、気が付けば食事も時間が経つのも忘れてし
まう・・・・・・・・そんな事が起こりますし、どんな苦労や忍耐を伴う作業中も、楽しくて仕方がな
いポジティブな精神状態を簡単に維持します。

好きな事をやって、自分で面白がって、気が付けば預金通帳に毎週20万円振り込まれる。
( 新人漫画家が週刊連載を持った場合の例 )

ただし、連載を維持出来なくなる時の苦しみは、生き地獄ではありますが・・・・・・・

逆に・・・・・・・

人から期待もされず、評価もされず、文句ばかり言われる・・・・・・・その結果が明るい未来の
訳がないのは、誰だって簡単に予想できるはずです。

それでも、かすかな「 希望 」( 麻薬 )を胸に漫画を描いていた私ですが・・・・・・・

我ながらよくもまあ漫画家に成る気で40歳、50歳と年を重ねてこれたものだと思います・・・・・・・


私が高校生の1年生の時に漫画家を目指す大きな原動力になった出来事をここで紹介した
いと思います。( この事がなかったら、もっと早く漫画をやめていたと思います )

病弱だった私は、小学生の時に三浦半島にある養護施設で3年ほど暮らしたのですが、その
時に知り合った荒居君とは、高校へ行く頃まで付き合っていました。

彼も私と同じ様に病弱で色白、内向的で人見知りするタイプで、声を荒げたりする事などただ
の一度もない優しい男の子でした。

とても仲が良かったのですが一緒に遊んではいても・・・・・・彼の家には行けませんでした。

彼には母親と「 姉 」がいたのですが、どうしても私が家へ行くことを嫌がりました。

高校生になって、私は漫画の同人誌に入り、作った肉筆回覧誌( 会員の生原稿を集めたも
の )を彼に貸した事があるのですが・・・
・・・・・・・

彼の「 姉 」がその同人誌を見てとても気に入ってくれたそうで、私は初めて彼の家へ招待され
ました。

東京の三軒茶屋から世田谷線に乗って少し行った処に荒居君たちが暮らす小さな古い木造ア
パートがありました。

アパートの近くまで来た時に、彼は立ち止まって深刻な表情を浮かべ・・・・・・・

 「 お姉さんってのは、ウソなんだよ 」

 「 ? 」

 「本当は、妹なんだ」

 「????」



               「 漫画家アシスタント もう終わりで章 その9 」 へつづく・・・・

        ( 不定期連載、目標は、毎月2回アップだが・・・・・実際は月1回がやっと )




  【 ※参照 】
 ・仕事場・・・・・・・・Jプロ、漫画家J先生の仕事場。東京目白にあり、バブル期には6
  ~7人のスタッフが在籍。しかし最近はスタッフ2名。連載は1誌。ちょっと淋し
  い今日この頃です。







   


【 各章案内 】  「第1章 その1」  「第2章 その1」  「第3章 その1」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )



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