漫画家アシスタント物語

どーすりゃ漫画家に成れるのか、何で漫画家になれないのか?漫画家アシスタントの日常と苦悩!漫画大バカ人生劇場 

漫画家アシスタント もう終わりで章 その7

2016年07月19日 22時13分36秒 | 漫画家アシスタント

 ( この写真は、東京、目白駅近くにある立ち食い蕎麦屋さんを写したものです。 駅改札口を出て、交番
  を左側に回り込むと階段の途中にこの蕎麦店があります。 出勤の途中でたまに立ち寄るのですが、
  取り立てて美味いという事はありませんのです・・・・・《 2016年、7月、撮影 》 )

  【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧下さい。 】  

 

                        その7


        《 漫画家アシスタントが・・・・やる気のないわけ・・・・!? 》



私は19歳の時( 1974年頃 )に怪奇漫画家のアシスタントを始めてから、60歳になるま
での40年間、漫画の背景を描いて食ってきたわけですが・・・・・・・・

このアシスタント業というものは、毎日、下積みの陽の当たる事のない仕事ではありま
すが・・・・・・・・やりがいや、ささやかな誇りを感じる事だって、ただの一度もありません。

つまり・・・・・・・・

 「 今日は、やる気を出して頑張るぞ~! 」

・・・・・みたいな爽快で健康的な気分になって仕事をした事なんぞ、一度もないって事な
のです。

築50年になって壁や天井にヤバそうなクラック(でかいヒビ!)が走るこの目白のマンシ
ョンに出勤する時、いつも憂鬱な気分になのは、今も昔もちっとも変っていません。( こ
のJプロには勤続38年 )( ※参照 )

 『 まだアシスタントをやっている・・・・ 』

とか・・・・・

 『 ろくな漫画が描けない・・・・ 』

 『 このまま半端者で終わるのか・・・・ 』

・・・・・・こうした焦りを感じないで過ごす日など稀なわけです・・・・・・


10年ほど前の事だったと思うのですが・・・・・

ある朝の仕事場で、二人の先輩アシスタント( 二人とも当時50歳代 )が・・・・

 「 仕事場のデスクに座ると気合が入るなァ、やっぱり・・・・ 」

 「 うん、気持ちが引き締まるね~ 」

 「 これが生きがいなんだよなァ・・・・ 」

・・・・とても充実した表情で二人が喋るのを、私は落ち込んだ気分で黙って聞いていま
した。

 『 どうして、他人の漫画の背景なんか描いていて生きがいを感じるんだろう・・・・? 』

それは、きっと立派な事なのかも知れませんが・・・・・・・・少なくとも、私は長年、漫画の
背景を描いているのに・・・・・・・・その事自体好きになれないのです。

自分の漫画を描く事とのギャップがあまりにも大きいので、背景の仕事というのはまっ
たく楽しくありません。

集中したり、気合をいれたりなどといった事は、まったくなく・・・・・・ただ、無理やり手を
動かしている・・・・・・といった感じなのです。

漫画家になれないのに、漫画の背景を書いている理由が分からないので困るのです・・
・・・・・・

その「 分からない 」まま40年が過ぎようとしているわけで・・・・・・・・

それでもきっと、絵にかかわる事で隠居するまで飯が食えるって事は、きっと幸せな事
なのかも知れません。

少なくとも、このブログを読んで下さっている方の中には「 好きな事やって飯が食える
んだからいいじゃないか 」と思われる方もおられるでしょう。


ところで、漫画家に成れずにアシスタントを辞めていった多くの若者が、その後、どうな
っているのか・・・・・・・・

私の知る限り・・・・・・・何人かの人々は・・・・・・・

田舎へ帰って実家の家業を継ぐとか、零細企業に就職するとか・・・・・・そんなパターン
が多い様ですが・・・・・・・・

東京でアルバイトを転々としていたり、清掃員やガードマンをやったり、産廃業や風俗業、
土木業・・・・・・朝から晩まで体を酷使している人もいるわけです。

中には、窃盗犯や猥褻犯、精神病者や自殺者など・・・・・・・・個性的な方々もおられます。



               「 漫画家アシスタント もう終わりで章 その8 」 へつづく・・・・

        ( 不定期連載、目標は、毎月2回アップだが・・・・・実際は月1回がやっと )




  【 ※参照 】
 ・Jプロ・・・・・・・・漫画家J先生の仕事場。東京目白にあり、バブル期には6~7人
  のスタッフが在籍。しかし最近はスタッフ2名。連載は1誌。ちょっと淋しい今日
  この頃です。







   


【 各章案内 】  「第1章 その1」  「第2章 その1」  「第3章 その1」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )



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