( この写真は、東京新宿西口の写真である。右手にある円筒形の構造物は換気塔であるが、
今ではすっかりつる草におおわれている。デジカメ故障のため、予定していた高田馬場
の写真は掲載できませんでした。とても残念です・・・。《 2007年度12月撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その22
アシスタントの先輩、南さん( 仮名:南浩志、1968年当時19歳、東北出身 )
が語る1968年10月21日・・・俗に言う「 新宿騒乱 」の一夜の出来事に私は、
言葉を差しはさむ事も出来ずに黙って耳をかたむけていました・・・・。
新宿西口で機動隊の暴行を受けた南さんは、自宅の新宿区下落合のアパート
に徒歩で向かいますが、途中で二人のサラリーマン風の男性に声をかけられ
ます・・・・。
口と頭部からの出血で血だらけになった南さんをその二人の男性が肩を貸し
てくれて、しばらく一緒に歩いて行く・・・そして・・・高田馬場駅を過ぎ
た頃・・・・
二人は南さんから事件の経過を聞き、 血を吐き出しながら口走る南さんの
機動隊に対する怒りについて・・・
「 そりゃ~ひでェや・・・! 」 「 何ンてことするんだろォ! 」
同情する様に相づちをうち、南さんの怒りに興奮しながら・・・いたわる様
に励ましてくれる・・・その二人が・・・・・・
道に人影がなくなると・・・まったく口をきかなくなったのです・・・・。
南さんは自分の体を支えてくれる二人の腕の力がだんだん強くなってくるの
を感じて・・・ふと、彼等の顔を見つめる・・・・・
なぜか二人は周辺をキョロキョロと見回している・・・。 そして、二人で
目配せしているのです・・・。 南さんがイヤ~な予感を感じた時には・・
・・・もう手遅れでした。 この二人から逃げ出すチャンスを完全に逸して
いたのです!
二人はそのガッシリとした腕で南さんを抱え込む様にして人気のないビルと
ビルの間の細いすき間に連れて行きました・・・
「 ・・・えェ・・・ッ! な・・・何・・・いィ・・・? 」
南さんは気が動転して声がうわずります。
二人の男の表情も声も態度も一変! 南さんの襟首を締め上げながら・・・
「 この野郎ォ~おおおッ! 」
男の素早い鉄拳が南さんのアゴに炸裂します。吹き飛ばされる様に南さんは
ビルのすき間のゴミと空き瓶の中にくずれ落ちました。
その後は、まったく抵抗も出来ぬまま二人に殴る蹴るの暴行を受けます。
「 このヒッピー野郎ッ! 」
「 てめェ~みてェ~のが日本をダメにすんだよォ~ッ! 」
手で頭や顔をガードしても、その上から蹴り上げられ、無防備な腹部や腰に
も痛撃が加わる・・・
「 このクソ野郎がァ~ッ! 」
「 クタバレ~ッ! 」
南さんは、この時に「 死 」というものを意識したそうです。 自分は、今、
殺されるのではないだろうかと・・・・・
きっと・・・東京の暗いビル街の片隅で撲殺死体が一つころがっていたとし
ても・・・「 新宿騒乱 」のニュースに埋もれてしまうだろう・・・・・。
自分はこんな所で撲殺され、腐乱死体になってしまうのだろうか・・・・!
「 死ね! この野郎ォ~ッ! 」
二人の男には、明らかに殺意があった!
生まれて初めて味わう暴行と屈辱・・・そして、死の予感・・・・・・
南さんは、出血多量の朦朧とした意識の中で・・・死に往きつつある自分を
呼び戻すかの様に絶叫します!
「 だずげでェええええ~~~ッッッッ!! 」
「 漫画家アシスタント 第5章 その23 」 へつづく・・・
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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しイラスト18点を含む画像総数148点! デビュー漫画「雨のドモ五郎」
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【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
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アシスタントの先輩、南さん( 仮名:南浩志、1968年当時19歳、東北出身 )
が語る1968年10月21日・・・俗に言う「 新宿騒乱 」の一夜の出来事に私は、
言葉を差しはさむ事も出来ずに黙って耳をかたむけていました・・・・。
新宿西口で機動隊の暴行を受けた南さんは、自宅の新宿区下落合のアパート
に徒歩で向かいますが、途中で二人のサラリーマン風の男性に声をかけられ
ます・・・・。
口と頭部からの出血で血だらけになった南さんをその二人の男性が肩を貸し
てくれて、しばらく一緒に歩いて行く・・・そして・・・高田馬場駅を過ぎ
た頃・・・・
二人は南さんから事件の経過を聞き、 血を吐き出しながら口走る南さんの
機動隊に対する怒りについて・・・
「 そりゃ~ひでェや・・・! 」 「 何ンてことするんだろォ! 」
同情する様に相づちをうち、南さんの怒りに興奮しながら・・・いたわる様
に励ましてくれる・・・その二人が・・・・・・
道に人影がなくなると・・・まったく口をきかなくなったのです・・・・。
南さんは自分の体を支えてくれる二人の腕の力がだんだん強くなってくるの
を感じて・・・ふと、彼等の顔を見つめる・・・・・
なぜか二人は周辺をキョロキョロと見回している・・・。 そして、二人で
目配せしているのです・・・。 南さんがイヤ~な予感を感じた時には・・
・・・もう手遅れでした。 この二人から逃げ出すチャンスを完全に逸して
いたのです!
二人はそのガッシリとした腕で南さんを抱え込む様にして人気のないビルと
ビルの間の細いすき間に連れて行きました・・・
「 ・・・えェ・・・ッ! な・・・何・・・いィ・・・? 」
南さんは気が動転して声がうわずります。
二人の男の表情も声も態度も一変! 南さんの襟首を締め上げながら・・・
「 この野郎ォ~おおおッ! 」
男の素早い鉄拳が南さんのアゴに炸裂します。吹き飛ばされる様に南さんは
ビルのすき間のゴミと空き瓶の中にくずれ落ちました。
その後は、まったく抵抗も出来ぬまま二人に殴る蹴るの暴行を受けます。
「 このヒッピー野郎ッ! 」
「 てめェ~みてェ~のが日本をダメにすんだよォ~ッ! 」
手で頭や顔をガードしても、その上から蹴り上げられ、無防備な腹部や腰に
も痛撃が加わる・・・
「 このクソ野郎がァ~ッ! 」
「 クタバレ~ッ! 」
南さんは、この時に「 死 」というものを意識したそうです。 自分は、今、
殺されるのではないだろうかと・・・・・
きっと・・・東京の暗いビル街の片隅で撲殺死体が一つころがっていたとし
ても・・・「 新宿騒乱 」のニュースに埋もれてしまうだろう・・・・・。
自分はこんな所で撲殺され、腐乱死体になってしまうのだろうか・・・・!
「 死ね! この野郎ォ~ッ! 」
二人の男には、明らかに殺意があった!
生まれて初めて味わう暴行と屈辱・・・そして、死の予感・・・・・・
南さんは、出血多量の朦朧とした意識の中で・・・死に往きつつある自分を
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