やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】296  (22) 日中関係Ⅰ(幕末・近代前半) -1- <索引語を比べる 1/2>

2017年09月12日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

  ようやく、《現在の状況に直接的に影響を及ぼしている”近現代のできごと”》 の描き方について調べ始めることになりました。

 近現代のできごと群を、”時系列”で(教科書のように)個別的に扱うと、《過去のできごとの結果としての現在》 という”因果関係” や、各社の”編集意図” がなかなか分かりにくいので、これまでの「差別」「日朝関係」「アイヌ」などのような、《通史的な比較》をすることが多くなります。

 今のところ、 (22)日中関係Ⅰ、(23)日中関係Ⅱ(第1次世界大戦以後)、(24)日台関係、(25)日露関係、(26)日英関係、(27)日米関係 の順で予定しています。

※各項目内で、さらに細分化して比べますが、おそらく、①ほぼ共通の描き方と、②かなりちがう描き方の両方があるだろうと予想しています。例えば、先行して少し調べてみた「南京事件」や「大東亜戦争の開戦」の細目では、多くの教科書に ”これは日本の教科書か?”と疑いたくなるような、異常な表現が見られます。

 

(22)  日中関係 Ⅰ(幕末・近代前半)の描き方のちがい  -1-

ⅰ 索引語(巻末掲載)を比べる 1/2 ~事項索引~


 

1 独自性

の索引語は1社のみ掲載・・・自由社と学び舎がきわだっている。必然的に、索引語数が多くなっている。

は2・3社のみ掲載・・・育鵬社、自由社、清水書院、学び舎が目立つ。

 

2 共通性(基本重要単語)と、独自性

・全8社が掲載している語=アヘン戦争 五・四運動 三国干渉 下関条約 清(国)辛亥革命 尖閣(諸島) 第1次世界大戦 第2次世界大戦 中華人民共和国 中華民国 日清修好条規 日清戦争 日中共同声明 日中戦争 日中平和友好条約 満州国 満州事変  

 

・7社が掲載している語(不掲載社名)=関東軍(帝国書院) 極東国際軍事裁判(学び舎) 義和団事件(学び舎) 植民地(学び舎) 大東亜共栄圏(日本文教) 太平洋戦争(学び舎) 二十一か条要求(学び舎) 日中共同声明(清水書院) 南満州鉄道(株式会社)(自由社) 盧溝橋(事件)(日本文教)

 歴史教科書だから、1社だけ欠くのは、①うっかりミスか、②よほどの独自な編集方針だろう。

 学び舎は上記10語の半分を占めている。学び舎の欠語のうち、特に「極東国際軍事裁判」「植民地」「太平洋戦争」の3語は、《歴史上の超重要語》に思えるが…なぜ載せない?

 

3 政治的に敏感で重要な語はどうなっている?

・「連合国」…英語表記では、「United Nations」。この英語は日本語では、「連合軍」「国際連合(国連)」と訳されているほど、現代史上とても重要な語。

 だが、帝国書院、日本文教の2社は載せていない。なぜ?

 

・「台湾」…日本にとってはとても縁が深い国なのに、東京書籍、教育出版、日本文教の3社が載せていない。?

 

・「南京事件」…東京裁判以後、中華民国・GHQ・中国共産党により広く宣伝された「大事件」。日本人の多くが、”誇大すぎる” とか、”ほとんど嘘(作り話)”、あるいは ”ねつ造” と思っている、”歴史認識における国際的係争案件”。自由社、教育出版、清水書院の3社が載せていない。

 関連する「南京大虐殺」という索引語を、清水書院だけが載せている。確信犯?

 

・「大東亜戦争」…れっきとした、当時の日本政府(天皇陛下)が国際的に宣言した公式名称。育鵬社、自由社、学び舎の3社だけが載せている。

 

・「支那事変」…同じく公式名称。育鵬社と自由社だけが載せている。

※古代から戦前までよく使われた「支那」という言葉そのものは「差別語」ではない。 参照:<ウィキペディア:支那> <:シナ(支那)を「中国」と呼んではいけない三つの理由>)

 

~次回、人名索引…~ 

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