やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【賢い子育て】 よい遊びを (2) ~「現実不適応人間」の量産?~

2012年05月21日 | 教育5 賢い子育て:家庭編

■よい遊びを ~その2~

2 変わってきた子供の生活と遊

 前回、50年ほど前までの子供の生活の様子について簡単に紹介しました。今回は、それがどのように変わってきたか確かめます。

●「今」を生きていくための日常活動(主に)

50年ほど前まで
・・・食事・排泄、睡眠、衣服の脱着、家業の仕事や風呂たき・炊事・掃除などの家事…など。
・・・・・・・・・食事・排泄、睡眠、衣服の脱着がほとんど。

学習

50年ほど前まで・・学校の勉強(+宿題)、読書、さまざまな習い事、家業の仕事や家事の仕方や食糧獲得の方法の学習など。
・・・・・・・・・学校の勉強(+宿題、+学習塾)、読書、さまざまな習い事(※「野球やサッカーなどのスポーツも含む)。

●遊び(主に)

50年ほど前まで・・「自然」を対象にしたさまざまな遊び(※魚採り・釣り、木の実の採集などの食糧獲得の活動も含めて)。地域の子供集団遊び(=(男):鬼ごっこ、かくれんぼ、泥投げ合戦、縄とび、将棋、こま廻し、ぺちゃ、ビー玉遊び、将棋、などなど多数…/(女):ままごと、なわとび・ゴムとび、おはじき、人形遊び、など。※「家事」のために、男よりも遊ぶ時間がかなり短かったのではないかと思う。

・・・テレビ・DVDなどの娯楽映像の視聴、いわゆる「ゲーム」、マンガ読書、など。


 50年ほど前までの子供の活動のほとんどが、(「学校の勉強」と「読書」を除けば、)《現実そのもの(=自然環境、住宅・集落などの人工環境、人間)に直接関わる活動》でした。

 ところが、その後急速に、子どもの生活から、「家業の仕事」「家事」「食糧獲得」「自然対象の遊び」「地域の子供集団遊び」という《現実に直接関わる活動》が大幅に減ったり、あるいは、ほとんどなくなったりしています。
 その代わりに、「娯楽映像の視聴」や「ゲーム」や「マンガ読書」などの、《非現実(=バーチャル世界)に関わる活動》がとても多くなっています。

 ※「学校の勉強」の多く:国語・算数・社会・理科・外国語(英語)という「主要教科」は、実はほとんど「非現実に関わる活動」です。最近できた「総合的学習」は主に現実に関わる学習です。しかし、《受験(※ペーパーテスト学力)に直接関係のない例外的学習》だからとか、《とても手間のかかる高度な学習》だから、といった理由で、軽視されたり減らされています。
 現状の公立小中学校の教育は、結果的に(※企画者にとっては意図的に?)《非現実的な、つまり精神的にも社会的にも未熟な人間(=現実に適確に対応・適応しきれない人間)を量産している》のはまちがいないと思います。

 要するに、現代の日本の(他の「先進国」も?)子供たちの活動の多くが、《非現実(=バーチャル世界)に関わる活動》になってしまっているということです。
 これは恐るべきことだと思います。
 その結果、この数十年間、日本の子供たちの心身はひよわになるばかりです。
 心も体も、どんどん未熟になっています。つまり、大人になる年齢が高くなっているということです。
 ※~江戸時代~明治時代~戦前は、15歳あたりでおおむね大人になっていたようです。今は、30歳ぐらいでしょうか?

~(このシリーズの)次回、「3 なにがよい遊びなのか? 」~

参考になりましたらクリックをお願いします! 読んでくださる方の存在が励みです。※コピー、リンクはご自由にどうぞ。