最近、若者が家族や他人を殺したり傷つけたりする凄惨な事件が立て続けに起きて
います。2008年1月11日に青森県八戸市で、引きこもりの18才の少年が、母
親と弟、妹を刺し殺して部屋に火をつけた容疑で逮捕されました。
2008年1月5日には、16才の少年が、品川区の商店街で5人の通行人を刃物
で刺し負傷させる通り魔事件がありました。
2007年5月27日には、会津若松市で17才の高校生が母親の頭を切断して殺
し警察に出頭した事件がありました。
マスコミは、それぞれの事件の犯行動機や原因を様々に報道していますが、共通す
るのは、若者が持つ「怒り」のエネルギーがある一定程度の限界点を超えると、一番
身近な家族や無実の他人に向かって「暴力」の形で爆発し、人を殺したり傷つけた点
だと私は思います。
多くの若者は、大人と同じく、「怒り」のエネルギーをスポーツや趣味や人間関係
でうまく発散させていますが、発散できない若者は一体どうしたら良いのでしょう
か?
若者が持つ「怒り」のエネルギーが外の人間に向けられた場合は、「学級崩壊」
「イジメ」「暴力(傷害や殺人)」となります。若者が持つ「怒り」のエネルギーが自
分自身に向けられた場合は、「不登校」「リストカットなどの自傷行為」や「自殺」
となります。
●それでは、若者の持つ「怒り」のエネルギーとは一体何なのでしょうか?
3つの事件で語られるキーワードは下記の通りです。
「優等生」「成績」「塾」「人間関係」「不登校」「母親」「離婚」「母子家庭」
「父親不在」「家庭内暴力」「武器」「武装」「殺人」「傷害」「うつ病」「抗うつ
剤」「精神科」
これらのキーワードから読み取れるより大きなキーワードは、以下の4つになりま
す。
1つは、「離婚」「母子家庭」「父親不在」「家庭内暴力」「母親」にあらわされ
る「家庭」です。
2つ目は、「優等生」「成績」「塾」「人間関係」「不登校」にあらわされる「教
育」です。
3つ目は、「家庭内暴力」「武器」「武装」「殺人」「傷害」にあらわされる「暴
力」です。
4つ目は、「うつ病」「抗うつ剤」「精神科」にあらわされる「うつ状態」です。
若者が引き起こした悲惨な事件は、「家庭」と「教育」という、人間が生活するた
めに一番基本的なところが、実はどうしようもない程度まで破壊されていて、その現
実の中で、若者の「怒り」のエネルギーが蓄積され、限界を超えて身近な家族や他人
に対して「暴力」の形で爆発させたのではないでしょうか。
●「家庭」と「教育」がなぜ破壊されてしまったのか、誰が破壊したのかが次の問題
です。
日本の「家庭」を破壊した主犯は2001年4月に87代内閣総理大臣に就任した
小泉純一郎とその一派です。在任期間の6年近く小泉純一郎とその一派が強権的に強
行した「小泉構造改革」によって、日本人の生活と日本人のモラルが破壊され「家
庭」が破壊されました。対米完全従属によって日本人の富が米国に収奪されていま
す。
「構造改革」「グローバリゼーション」「規制緩和」「民営化」「小さな政府」
「自己責任」「テロとの闘い」を煽った自民=公明党の政治家や各省の役人、マスコ
ミや広告代理店、御用学者や御用評論家は、「小泉構造改革」によって直接利益を得
た経団連や経済同友会に結集する大資本の経営者と共に、小泉内閣から有形無形の利
益を得ている共犯者です。
日本の「教育」を破壊した主犯は、戦後一貫して「中教審」を使って大資本に都合
の良い人材の育成を「教育改革」の名で実現させてきた経団連や経済同友会に結集す
る大資本の経営者です。
文教族の政治家や文部科学省の役人、自民=公明党の政治家及び各種有識者会議に
選ばれる御用学者や御用評論家は、政府や大資本と繋がっていて、有形無形の利益を
得ている共犯者です。
1995年に当時の日経連(現在の経団連)は、日本の高度経済成長期を支えてきた
終身雇用、年功序列、企業内組合に代表される「日本的経営」を破棄し、それに代わ
る「新時代の日本的経営」という提言を発表しました。この提言の中で、雇用形態を
3つに分けています。 第1は、少数の経営エリートとその候補者で正社員。
第2は、経営エリートを補佐する高度な専門性を持った専門職で、正社員か非正社
員かは問わない。
第3は、安価で取替え自由な契約社員やパート従業員で、いつでもより安価な外国
人労働者に代替可能な層です。
自公政権は、この提言を忠実に守って、労働法制や派遣法を改悪し労働分野の規制
緩和を実現し、賃金の抑制と雇用の弾力化をして来ました。その結果、正社員の数が
大幅に減少し、低賃金の派遣パートー労働者が急増し、大資本は莫大な利益を上げて
います。日本人の大部分は、この6年で急速に貧困化(ワーキングプアー化)し、大資
本の経営者や正社員、大株主など一部の富裕層がますます豊かになりました。
日本は、いつの間にか先進国中、米国に次ぐ世界第二位の大格差社会になってし
まったのです。
●「うつ病」「抗うつ剤」にあらわされる「うつ状態」について。
日本の「家庭」と「教育」が破壊されたために「うつ状態」の若者や主婦が急増し
ています。中学生の4人に1人が「うつ状態」といわれています。従来の「会社共同
体」が破壊されために、「うつ状態」のサラリーマンや労働者が増えています。
「うつ状態」の日本人が急増し「抗うつ剤」の消費が急増して、製薬会社と 医者が
利益を得ています。又「抗うつ剤」の大量服用によって暴力的な発作を引き起こす症
例も報告されています。
●「暴力」がいとも簡単に蔓延してしまったのは、どうしてでしょうか?
若者が、「武器」を調達して「武装」し「暴力」に走るのは、ブッシュ大統領が
2001年に開始したアフガニスタンと2003年に開始したイラクへの「対テロ戦
争」を名目とした侵略戦争の影響が大きいと思います。毎日TVで、イラクでの自爆テ
ロで100人近い死者を出す生々しい映像を見せ続けられている若者にとって、
「暴力」は身近なものであり「死」は日常のものになっています。
平和で静かな田園風景ではなく、血なまぐさい戦争の実写場面が日常的に飛び込ん
でくる今の若者の置かれている現状は、「暴力」を蔓延化させ、「死」の重さを実感
できなくしているのだと思います。
ブッシュ大統領と共和党政治家、ネオコン、キリスト教右派、ユダヤ金融資本、
軍需産業、エネルギー産業など、ブッシュ政権の「対テロ戦争」の名をかたった
「侵略戦争」を積極的に支持し、100万人とも言われるイラク人戦死者を犠牲に
して、巨額の利益を得ている「米国覇権主義」勢力の罪の重さは、計り知れないもの
があります。日本の自公政権は、泥沼化したブッシュ政権の「侵略戦争」を無条件に
支持している唯一の国になっています。
●これらの事件で「加害者」とされる若者は、殺された母親や傷つけられた。
通行人と同じく、「家庭」と「教育」を破壊した「小泉構造改革」と「大資本の教
育改革」の「被害者」なのだということです。これらの事件を、罪を犯した若者の
「自己責任」で片付ける限り、若者による「理解不可能な凶悪事件」の根本的な解決
にはならず、同じような事件は今後も発生すると思われます。
2008.01.15 「JanJan」公開記事
います。2008年1月11日に青森県八戸市で、引きこもりの18才の少年が、母
親と弟、妹を刺し殺して部屋に火をつけた容疑で逮捕されました。
2008年1月5日には、16才の少年が、品川区の商店街で5人の通行人を刃物
で刺し負傷させる通り魔事件がありました。
2007年5月27日には、会津若松市で17才の高校生が母親の頭を切断して殺
し警察に出頭した事件がありました。
マスコミは、それぞれの事件の犯行動機や原因を様々に報道していますが、共通す
るのは、若者が持つ「怒り」のエネルギーがある一定程度の限界点を超えると、一番
身近な家族や無実の他人に向かって「暴力」の形で爆発し、人を殺したり傷つけた点
だと私は思います。
多くの若者は、大人と同じく、「怒り」のエネルギーをスポーツや趣味や人間関係
でうまく発散させていますが、発散できない若者は一体どうしたら良いのでしょう
か?
若者が持つ「怒り」のエネルギーが外の人間に向けられた場合は、「学級崩壊」
「イジメ」「暴力(傷害や殺人)」となります。若者が持つ「怒り」のエネルギーが自
分自身に向けられた場合は、「不登校」「リストカットなどの自傷行為」や「自殺」
となります。
●それでは、若者の持つ「怒り」のエネルギーとは一体何なのでしょうか?
3つの事件で語られるキーワードは下記の通りです。
「優等生」「成績」「塾」「人間関係」「不登校」「母親」「離婚」「母子家庭」
「父親不在」「家庭内暴力」「武器」「武装」「殺人」「傷害」「うつ病」「抗うつ
剤」「精神科」
これらのキーワードから読み取れるより大きなキーワードは、以下の4つになりま
す。
1つは、「離婚」「母子家庭」「父親不在」「家庭内暴力」「母親」にあらわされ
る「家庭」です。
2つ目は、「優等生」「成績」「塾」「人間関係」「不登校」にあらわされる「教
育」です。
3つ目は、「家庭内暴力」「武器」「武装」「殺人」「傷害」にあらわされる「暴
力」です。
4つ目は、「うつ病」「抗うつ剤」「精神科」にあらわされる「うつ状態」です。
若者が引き起こした悲惨な事件は、「家庭」と「教育」という、人間が生活するた
めに一番基本的なところが、実はどうしようもない程度まで破壊されていて、その現
実の中で、若者の「怒り」のエネルギーが蓄積され、限界を超えて身近な家族や他人
に対して「暴力」の形で爆発させたのではないでしょうか。
●「家庭」と「教育」がなぜ破壊されてしまったのか、誰が破壊したのかが次の問題
です。
日本の「家庭」を破壊した主犯は2001年4月に87代内閣総理大臣に就任した
小泉純一郎とその一派です。在任期間の6年近く小泉純一郎とその一派が強権的に強
行した「小泉構造改革」によって、日本人の生活と日本人のモラルが破壊され「家
庭」が破壊されました。対米完全従属によって日本人の富が米国に収奪されていま
す。
「構造改革」「グローバリゼーション」「規制緩和」「民営化」「小さな政府」
「自己責任」「テロとの闘い」を煽った自民=公明党の政治家や各省の役人、マスコ
ミや広告代理店、御用学者や御用評論家は、「小泉構造改革」によって直接利益を得
た経団連や経済同友会に結集する大資本の経営者と共に、小泉内閣から有形無形の利
益を得ている共犯者です。
日本の「教育」を破壊した主犯は、戦後一貫して「中教審」を使って大資本に都合
の良い人材の育成を「教育改革」の名で実現させてきた経団連や経済同友会に結集す
る大資本の経営者です。
文教族の政治家や文部科学省の役人、自民=公明党の政治家及び各種有識者会議に
選ばれる御用学者や御用評論家は、政府や大資本と繋がっていて、有形無形の利益を
得ている共犯者です。
1995年に当時の日経連(現在の経団連)は、日本の高度経済成長期を支えてきた
終身雇用、年功序列、企業内組合に代表される「日本的経営」を破棄し、それに代わ
る「新時代の日本的経営」という提言を発表しました。この提言の中で、雇用形態を
3つに分けています。 第1は、少数の経営エリートとその候補者で正社員。
第2は、経営エリートを補佐する高度な専門性を持った専門職で、正社員か非正社
員かは問わない。
第3は、安価で取替え自由な契約社員やパート従業員で、いつでもより安価な外国
人労働者に代替可能な層です。
自公政権は、この提言を忠実に守って、労働法制や派遣法を改悪し労働分野の規制
緩和を実現し、賃金の抑制と雇用の弾力化をして来ました。その結果、正社員の数が
大幅に減少し、低賃金の派遣パートー労働者が急増し、大資本は莫大な利益を上げて
います。日本人の大部分は、この6年で急速に貧困化(ワーキングプアー化)し、大資
本の経営者や正社員、大株主など一部の富裕層がますます豊かになりました。
日本は、いつの間にか先進国中、米国に次ぐ世界第二位の大格差社会になってし
まったのです。
●「うつ病」「抗うつ剤」にあらわされる「うつ状態」について。
日本の「家庭」と「教育」が破壊されたために「うつ状態」の若者や主婦が急増し
ています。中学生の4人に1人が「うつ状態」といわれています。従来の「会社共同
体」が破壊されために、「うつ状態」のサラリーマンや労働者が増えています。
「うつ状態」の日本人が急増し「抗うつ剤」の消費が急増して、製薬会社と 医者が
利益を得ています。又「抗うつ剤」の大量服用によって暴力的な発作を引き起こす症
例も報告されています。
●「暴力」がいとも簡単に蔓延してしまったのは、どうしてでしょうか?
若者が、「武器」を調達して「武装」し「暴力」に走るのは、ブッシュ大統領が
2001年に開始したアフガニスタンと2003年に開始したイラクへの「対テロ戦
争」を名目とした侵略戦争の影響が大きいと思います。毎日TVで、イラクでの自爆テ
ロで100人近い死者を出す生々しい映像を見せ続けられている若者にとって、
「暴力」は身近なものであり「死」は日常のものになっています。
平和で静かな田園風景ではなく、血なまぐさい戦争の実写場面が日常的に飛び込ん
でくる今の若者の置かれている現状は、「暴力」を蔓延化させ、「死」の重さを実感
できなくしているのだと思います。
ブッシュ大統領と共和党政治家、ネオコン、キリスト教右派、ユダヤ金融資本、
軍需産業、エネルギー産業など、ブッシュ政権の「対テロ戦争」の名をかたった
「侵略戦争」を積極的に支持し、100万人とも言われるイラク人戦死者を犠牲に
して、巨額の利益を得ている「米国覇権主義」勢力の罪の重さは、計り知れないもの
があります。日本の自公政権は、泥沼化したブッシュ政権の「侵略戦争」を無条件に
支持している唯一の国になっています。
●これらの事件で「加害者」とされる若者は、殺された母親や傷つけられた。
通行人と同じく、「家庭」と「教育」を破壊した「小泉構造改革」と「大資本の教
育改革」の「被害者」なのだということです。これらの事件を、罪を犯した若者の
「自己責任」で片付ける限り、若者による「理解不可能な凶悪事件」の根本的な解決
にはならず、同じような事件は今後も発生すると思われます。
2008.01.15 「JanJan」公開記事