アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『不思議図書館-高尾 滋作品集-』/高尾滋

2010-01-24 | 少女漫画
 
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デビュー作である表題作から、高尾滋の読み切りを発表順に再録した「文庫」です。
白泉社文庫としては、『ディア マイン』全2巻に続く3冊目で、「た-8-3」。
『不思議図書館』(平成8年 花とゆめ13号)
『雪語り春待ち』(平成9年 花とゆめ1号)
『モナリザ』(平成10年 花とゆめ14号)
『素顔の風景』(平成11年 花とゆめ9号〜12号)
『スロップマンションにお帰り』(平成11年 花とゆめ15号)
『あじさいの庭』(平成11年 花とゆめステップ増刊7/1号)
『彼方からの手紙』(平成11年 ザ・花とゆめ10/1号)
『散らない花』(平成12年 ザ・花とゆめ3/1号)
の8編を再録。
実は私は現物を手にして読み返すまで、白泉社はずるい、「カネ欲しさかよ!」とまで思っていました(笑) 全部、花とゆめCOMICSで既に持っている作品です。それを再録しただけ。
そんな思いも、一作一作を読み返し、巻末の「あとがきにかえて」という5ページの描き下ろし漫画を読んで吹き飛びました。

この世の価値を 私達は知っている

ねぇ 聴いて

あなたに出会えて
本当に 嬉しい


買って良かったと心から思います。まだ駆け出しだった若い頃から、高尾滋の作品は「優しさ」に満ちていた。あたたかさに満ちあふれていた。
昔の作品への思いを、文章ではなく漫画で伝える高尾先生はやはり素敵だ。
「スロップマンション」が実は「スロッブ(throb)マンション」の間違いだったという10年越しの告白も聞けて良かったです(笑)

過去作品が文庫化される、あるいは新装版や愛蔵版が出るというのは、その作家が一流のプロであることを表す、一つの「ステータス」だと私は思っています。最初に発売された単行本を10年も20年も再版し続けることが今は難しいので(現に『スロップマンションにお帰り』と『ディア マイン』全4巻は絶版になった)、文庫化は「この作品は次世代に遺すべき」という、出版者側の意思表示の一形態だと、好意的なとらえ方をすればそう言えると思います。

私は『ディア マイン』の文庫版も、今回の文庫も、定価で買いました。次に白泉社に出して欲しいのは、カラー原稿をカラーのまま採録した「画集」(イラスト集)です。高尾滋はカラー原稿の色をパソコンではなく手で(水彩で)塗っているので、画集を出す価値は十二分にあります。

1月13日の記事のコメント返しでも少し言及しましたが、漫画のカラー原稿がカラーのまま、本の形で世の中に出ることはほとんどありません。漫画の読者が、雑誌も購読している読者層と、「コミック派」と呼ばれるようになった読者層と二種類あるような言い方の是非はともかく、後者の人達が雑誌掲載時にカラーだったページをカラーで見られる機会は限られています。これでは色原稿は後世に遺らない。貸本漫画の時代なんて、生原稿を読者に「あげていた」という話を聞いています。マンガは文化だと言うのならアニメの殿堂だろうが国営漫画喫茶だろうが何でも建てて税金で保護してくれたっていいじゃないかっ(笑)

幸い高尾滋は白泉社以外での仕事は皆無のようなので、「生原稿の散逸」という事態は避けられそうです。デビューして今は15年目、これが20周年くらいになれば画集も出せるのではないでしょうか。


お薦め度:★★★★☆
ファンにとっては「宝物」のような一冊です。高尾滋先生を知らない人にも、ぜひ読んで欲しい。
この文庫も新作の単行本ももっと売れて、いつか画集が出ると良いですね。
優れたカラー原稿であればそれを本の形で遺すのも、出版社の使命だと私は思ってます。


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