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糠床を元気に保つ秘訣!

2011年10月02日 | 食・レシピ

前の記事、糠床をあまり肯定的に見て戴けない僕の主治医との冗談の中で、「僕の糠床は元気」と書きました。僕の糠床は常に元気でいるのですが、実際に糠床をお持ちでいらっしゃる方々にとって、糠床を元気に保つ秘訣とは何でしょうか。僕の場合は何と言っても、「こまめに足し糠を行う事」だと、思っています。

一般的には、「よくかき混ぜる事」と言われていますが、この表現だけでは誤解を招くと思うんですよね。

確かに、かき混ぜる事は必要な事ではありますが、この「よく混ぜる」の「よく」を、「頻繁に」と解釈するか、「充分に」と解釈するか、「頻繁に、かつ充分に」と解釈するか、それぞれ人によって受け取り方が違って来ると思います。

実際に糠床の中で一番活躍して重要な微生物は、植物性乳酸菌です。植物性乳酸菌は嫌気性らしく、酸素に触れる事を嫌います。
という事は、「頻繁に」と解釈すると、常に新鮮な酸素に触れる事になり、植物性乳酸菌の活動が抑制されてしまい、熟成した糠床には成らない、と言う事にほか成りません。

解釈として、「頻繁に」 ⇒ 誤り

よって、「頻繁に、かつ充分に」 ⇒ 誤り

なので、「充分に」と解釈する事が正解でしょう。

では何故「充分に」なのでしょうか。

糠床容器が浅いと気付かないかも知れないのですが、深い糠床容器の場合、容器の底の方から、何とも言えない、糠床らしい香りが上がり、風味を増すのですが、高濃度の場合、「香り」とは言えず「臭気」と成り、逆効果です。この靴下臭を発する微生物「酪酸菌」も嫌気性で、酸素に触れる事を嫌うそうです。
また、糠床の表面には、好気性で有名な「産膜酵母」が繁殖し、揮発性の臭気を出します。

美味しく熟成した糠床とは、この好気性菌と嫌気性菌の均衡を保った状態の事を意味するのです。酸素に触れると最重要の植物性乳酸菌が活発に活動出来なくなってしまうので、頻繁に混ぜる必要は無いけど、いざ、かき混ぜる際には「充分に」かき混ぜる事、と言うのが糠床の手入れの「コツ」なのでしょうね。

更に、好気性菌と嫌気性菌の関係で、糠床の蓋閉め時には、糠床の表面を均して平らにする事も、手入れの「コツ」に繋がるでしょうね。

空気(酸素)に触れる面積を少なくする事で、カビや産膜酵母の発生危険度を下げると共に、やはり、空気(酸素)に触れる面積を少なくする事で、植物性乳酸菌の活動を活発化させて、糠床の熟成を促す訳です。

写真は参考写真ですが、或る日の二号糠床、蓋閉め時。

Img_0023

さて一方、この植物性乳酸菌のエサって何でしょうか。空気に触れない様にして植物性乳酸菌の活発な活動を期待しても、活動源のエサが無くては駄目ですよね。

糠床の場合、この「ぬか」が乳酸菌のエサなので、やはり新鮮な糠を足す事は重要です。漬けた物を取り出す際は、ケチケチせず、たっぷり糠を付けたまま取り出して、糠床から減った分を、足し糠すれば良いのです。

どんな野菜も、糠床に漬けた後は水分が出て、糠床もゆるみます。足し糠は、その余分な水分の吸収と、乳酸菌のエサとなりますので、糠はどんどん足して行く様にしましょう。これが理想です。

しかし僕の様に独り暮らしの場合、それ程頻繁には漬けない為、糠の減り方が少ないので、足し糠の必要がほとんど有りません。しかし乳酸菌にエサを与えないと、乳酸菌の活動が減り、糠床から元気が無く成ります。

そこで、酒粕の登場です。

このブログでも、既に何度か糠床に酒粕を投入する事を記載しましたが、この酒粕投入は、普段から足し糠をして手入れ出来ている場合には、あまり実行する必要な無いでしょう。あくまでも、乳酸菌に対し、足し糠と言う新しいエサが与えられていない時の緊急措置みたいなものですが、効果は絶大。お薦めです。

Img_0019

考えてみれば、酒粕も糠も、稲・米から出来る物ですよね。米の澱粉質が糖質に変化し、その糖が糠床内の植物性乳酸菌のエサです。糠よりも、酒粕の方が糖質が多く、澱粉質からの分解過程も省略出来、即効性が有る訳です。でも、糠床に馴染ませるの必要が有るので、酒粕投入後は、三日間、何も漬けずに、ただかき混ぜるだけですよ。

皆さんも、基本は足し糠ですが、即効性のアンプルとしての酒粕。馴染ませ期間の三日間は糠漬けが食べられませんが、一度、お試しあれ。

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