今年の新年の銘に「加熱」を挙げ、音楽への情熱の灯を、チョロ火から火力アップ(=加熱)すべく、今日は約20年振りに楽器を持って出掛けてみました。
現在居所の仙台では、楽器の練習が出来る場所を全く知らない為、取り敢えず市内中心部のカラオケボックスへ。すると一件目で「楽器練習可」のお店でした。しかも土曜日曜の昼間はかなり安い金額設定なのだそうで、早速会員手続きです。
実は今回持ち出した楽器、「愛器」では無く、今般、新規に購入した楽器です。はい?楽器って高価なのでは?ええ、一流メーカー製の新品ですと約30万円程度する楽器が、トロンボーンでは一般的ですね。しかしです。今回購入した楽器は、新品でその1/10。新品で約3万円です。当然、一流メーカー製では無く、中国製のノーブランド品ですが。とは言え、樹脂製では無く、歴とした真鍮製のF管付き太管でこれ程安価な新品のトロンボーンが販売されていたとは知りませんでした。まぁ、街の楽器屋さんの店頭販売等では無く、ネット販売品ですけど。それでもケースもマウスピースも付属しての値段ですから、激安ですよね。ネット上では、購入者の感想として色々書かれておりましたが、さて、実際はどうなのでしょうか。かなり不安と期待とで、ドキドキしながらカラオケルームに入りました。
下の写真が、その新品3万円、中国製のノーブランド品のトロンボーンです。カラオケボックスにて。因みに、写真のマウスピースは付属されていた物では無く、別途、仙台市内の楽器屋さんから購入した「Schilke50(Large shank)」です。
そもそも「愛器」として楽器は一本持っていたのですが、何せ20年も練習しておりませんでしたので、唇の筋肉はもとより、左手中指のトロンボーンタコも完全に退化しており、音さえ出るかどうか判りませんから、いきなり一流品を吹く気には成れなかったのです。
このトロンボーンの様な金管楽器は、唇の振動を管内で共鳴させて音を出します。音の根源は唇の振動ですが、このコントロールは口輪筋を中心とした顔の筋肉が主体と成ります。そして唇の皮膚組織、脂肪組織を含めた口唇全体。当然、息遣いも大切ですので横隔膜や腹筋、音の共鳴には喉や鼻腔等も関係して来ます。
さて、カラオケルームでケースを開けて、スライドにクリームを薄く塗って、水スプレーで馴染ませて、楽器を組み立てて。と。さあ!(すぅー:呼気)「パァーン!(脳内イメージ音)」あれ?実際には「ブぶぉァ~んん。。。」ありゃりゃ。「昔取った杵柄」と言う言葉が有りますが、いや~ぁ、全くダメ。完全に口唇の筋肉が退化していました。確かに「昔取った杵柄」、音の出し方、響かせ方は脳内では理解しているつもりだったのですが、口唇の筋肉の退化は深刻でした。顔の各筋肉はイメージ通りに反応しないですし、口唇の組織全体が「音を出す」状態とは程遠いです。1オクターブ出すのがやっと。しかも酷い音質。耳が腐りそう。4オクターブ出していた頃がまるで嘘の様です。約20年。この歳月のブランクは、僕を完全な初心者にまで戻してしまっていたのでした。
又この楽器、新品だけに音がとても硬い。管の共鳴が難しい。この楽器には、長い時間を掛けて正しい音程の「響き」を覚え込ませなければ成りません。自分自身の口唇の鍛錬と、楽器の鳴らし込み。同時進行でどの位の期間が必要でしょうか。まぁ、最低2年は欲しいところですね。学生時代とは違い、毎日練習出来る訳では無いですし、楽器の鳴らし込みは、一種の「金属疲労」の状態、又は「金属分子配列の更新、再構築」と言われているのですが、この楽器に「響き」を覚え込ませるには、僕の口唇鍛錬の必要性と相まって、本当に時間が掛かりそうです。
それにしてもこの音質、本当に恥ずかしいなぁ。この激安楽器、買って良かったです!だって、本来の「愛器」でリハビリする訳には行かない程(自分の耳が腐りそうな程)、今の僕はヘタッピですから。でも、年始の銘(音楽への情熱の灯に対する)「加熱」、徐々にでは有りますが、実行して行きますからね♪