今年の1月下旬に、20年振りにトロンボーンの練習を始めたのは、この僕のブログの過去記事にも掲載致しましたが、この5月下旬から指定難病の自己免疫性膵炎の為に体調が優れず、週末の練習が出来ない状態が続いておりました。1月下旬から5月下旬の週末の練習。約4か月間とは言え、数えられる程度の回数でしたので、当然、20年のブランクを取り戻す様な事は出来ませんでしたが、最近、体調が良く成って来たので、再び5か月振りの週末練習再開です。
今回の練習再開に当たっては、心掛ける様にしたい点が有ります。それは、「ある程度の音量を出す」と言う事。(精神強化)
今年前半のカラオケボックスでの練習は、本当に自分の「耳が腐りそう」な程に下手な音しか出せませんでしたので、とても自信が持てず、音量を下げての練習でした。カラオケボックスでも、案外と音は外部に漏れます。僕の他にも楽器の練習をする方々が結構いらっしゃり、かなり上手な方々もいらっしゃるのです。楽器そのものは違くとも、或る程度楽器を扱う方々は、耳にする他の楽器の音で、その奏者の技量を感じる事が出来るのです。特に同じ楽器を練習する方が同じフロアにいらっしゃる場合は、かなり緊張しました。この緊張が、今の自分の技量の無さから来る恥ずかしさと相まって、更に委縮して音が出なくなる「悪循環」を引き起こしてしまうのです。そう、ただ単に、自分の気持ちの持ちようだけなのに。
20年のブランクは、口唇顔面だけで無く、重い楽器を持つ左腕、呼吸のコントロールに必要な横隔膜と肋骨周辺の体内筋肉、咽喉鼻腔の共鳴コントロールに必要な耳鼻咽喉の微細筋肉等全身の筋肉が、完全に初心者と同じ状態に迄、退化し切っていました。「ある程度の音量を出す」事は、これらの筋肉に負荷刺激を与え、強化肥大化させて成長させる為には、必要な事なのです。下手糞と言う精神的な負い目は無視して、兎に角、音を出さなければ。そもそも「練習」なのですから、下手で当たり前。
20年前の音色を強くイメージしている自分自身にとっては、とても悲しい事では有りますが、今は「初心者」として、精神的にもただ一途に「上達したい」と言う信念を持つ事。周りを気にしない事。過去、本当に初心者であった頃の自分に戻って練習したいです。
そして心掛ける第二点目。それは「息のコントロール(の為の筋肉強化)」です。(肉体強化)
今、一番目指したいのは高音域の強化です。今の自分の音域は、ペダルFから上のFまで。3オクターブ。あと高音域を1オクターブ広げないと駄目ですね。(出そうと思えば出ますよ、一応。しかし音楽的、音色的には完全に不合格。音が苦しそうで、またすぐにハズレます。当たらないのです。)高音域では「息のスピード」と良く表現される「高圧力」が不可欠です。胸腔内の空気に高圧を掛けて口唇を通過させる訳ですね。この「高圧を掛ける」には、横隔膜、肋骨周辺の筋肉のみでは無く、耳鼻咽喉の微細筋肉の強化も必要です。例えば、高音域を吹いていると涙腺から息が漏れる様に感じる事も有りますが、これは鼻腔周辺の耐圧筋肉の不足なのです。(鼻の奥が引きつって「チューン」と息が漏れる音が出ます。)こんな筋肉、実際に楽器を演奏しないと鍛えられませんよね。勿論、その為にも「ある程度の音量を出す」必要が有るのは言うまでも有りませんし、風邪等で耳鼻咽喉の微細筋肉が炎症を起こすと楽器が吹けなくなるので、健康管理も重要です。
現役時代、僕が所属していた吹奏楽部では「アイアンリップ(鋼鉄の唇)」と言って、高音域、大音量を何時間演奏しても疲労しない奏者を称賛する敬称が有りました。口唇だけでなく身体全体の「筋肉強化の完全体」ですね。それには、普段一般的には鍛えられない部分の筋肉強化が含まれますので、膨大な時間の練習演奏を要します。筋肉は、ただ酷使するだけでは強化出来ません。疲労した筋肉の「超回復」により「筋強化」されるのです。そう、回復の為の休息時間も必要なのです。これをひたすら繰り返す。本当に時間が掛かるのです。
もう、若くは有りません。筋肉の「超回復」も、若かりし頃には到底及ばない事でしょう。だからこそ、繰り返しの練習が必要なのですね。要するに「練習(酷使・休息の反復)時間が欲しい」です。
解離性大動脈瘤、自己免疫性膵炎。体調(そして仕事)も見ながら、果たしてどこまで現役時代に近付けますでしょうか。