憂太郎の教育Blog

教育に関する出来事を綴っています

制服登校VSジャージ登校

2009-05-08 21:48:32 | フラグメンツ(学校の風景)
■私が子どもの頃に通っていた中学校では,指定日をのぞいて制服でもジャージでもよかった。けど,1年生はジャージで2年生から制服を着るのが,中学生のなかでの暗黙の了解事項になっていた。ジャージで生活するほうが,体育なんかでいちいち着替えなくてもいいから楽なのだけど,進級すると周りはみんな制服を着始めるので,ジャージは1年生まで,というような感じになっていた。簡単にいえば,ジャージ登校はダサいという感覚だったと思う。なので,制服をいじって,いわゆる異装をするのは2年生からということになる。今から25年くらい前の地方都市のマンモス校の話だ。
■その頃の異装は,男子なら短ランボンタン,女子は長スカートだった。他にも,いろいろ細かな異装のアイテムがあったりするのだが,それは流行こそ違え感覚としては現在も同じことだろう。
■時代は進んで,15年前。私は同じく地方都市のマンモス中学校の社会科教師となったわけだが,そこでは,1年生から3年生まで,みんなジャージ登校をしていた。校則には,登下校時の服装は制服とする,ただし学校指定ジャージでも可となっていたのだが,みんなジャージだった。ジャージ登校はダサいという感覚は消滅していた。当時は,ルーズソックスの流行の真っ最中。もちろん,異装なので指導対象となる。そこで,ジャージの裾から,ルーズソックスを見せるのが,当時の女子生徒の細かなおしゃれとなっていた。儀式的行事がある日は制服登校となるわけだが,女子生徒は紺色のハイソックスを履いてきて,体育の授業でジャージに着替えるときには,ルーズソックスに履きかえていた。なかなか異装もたいへんだなあと新卒教師の私は思っていた。
■ちなみに,当時の標準的な異装のスタイルは,男子は腰パン,女子はミニスカ。これは,現在まで続いているから,随分とまあ息がながい。
■さて,次に私は山間部の過疎の町に赴任する。そこは,完全に制服登校だった。授業も制服で受ける。体育の時にはジャージに着替え,終わればまた制服に着替える。放課後は部活があるのでジャージで帰ってもよかったが,ユニホームとかではダメなので,制服に着替えて帰る生徒が大半だった。これは,実にシンプルなルール。つねに生徒は制服で過ごしていた。
■その次の勤務先も山並みの映える過疎の町の中学校。こちらでは,登校時は制服。きまりはこれだけ。だから,登校してから着替えるのは自由。あとはズーッとジャージでよいというもの。これ,シンプルなようにみせかけて,実際の運用は複雑となる。校内は,制服の生徒とジャージの生徒が混在することになる。新1年生の数日は,かならず制服を忘れて帰るのがいる。2,3年生でもときどき,制服を忘れて帰る生徒がいたりする。また,ほぼ毎年,生徒の要望に,ジャージ登校を認めて欲しいというのがあがる。生徒としては,校内生活も下校時もジャージでOKなのに何で登校時だけ制服なんだというわけだ。これは,理屈としてはもっともなのだが,学校としては当然NOの回答。そもそも,制服で過ごすのが本来なのだからね。
■こんなことを思い出したのは,先日,中学校勤務の教師仲間と話していて,制服指導が話題にあがったから。ジャージ登校を許可したところで,制服登校の日はあるわけだから,生徒の異装はなくならない。私が中学生だった頃もあったしこの先もあるだろう。けど,今の生徒はジャージで生活する方がいいのだろうね。私としては,2校目に赴任した中学校の完全制服登校スタイルが,異装指導はいちばん面倒だったけど,わかりやすくていいと思ったのでした。


4 コメント

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制服つながりで・・・ (hippo_po(^^))
2009-05-09 10:55:33
こんにちは、初めてこちらにきました。
制服のことだったので、こだわった過去のことを思い出してしまいました。
息子が通うはずだった公立中学では、制服の下にジャージを着ての登下校が当たり前でした。ズボンのすそや上着の袖口からはジャージが見えていました。まず、その格好の悪さに嫌悪感。
学校に着くと、制服を脱いでジャージで過ごすようで、「登下校だけの制服に意味があるのだろうか。」
「きちんと衣服を着る=気持ち良さ というウチの方針と違う(何も気付いてない)学校に、何ができるんだろう。」と違和感。親としてより個人として、気持ちが悪かったのです。学校に言えば変わったでしょうか。とにかく、学校って?、とずっと思っています。
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ありがとうございます (憂太郎)
2009-05-09 22:51:58
コメントありがとうございます。
制服の下にジャージを着る生徒はいます。あれは、みっともない!(笑)みっともないからやめなさいと、常に言っていました。1年生に多いですね。学年が上がると、さすがに制服も小さくなってくるようで、制服の下にジャージは着れなくなるようです。
私の地域の女子生徒は、もっとすごいですよ。
スカートの中に、ジャージをはいて登校します。数年前には、「はにわルック」と命名され、ローカルニュースにもなりました。もちろん、異装なので指導の対象です。
最近は、見かけなくなりましたが…。
制服の話題は尽きませんねえ。
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Unknown (クラ1です)
2009-05-14 14:56:35
ジャージの方が着るのも楽だし部活でも軽いし動きやすいのでやりやすいです。先生もご存じのとおり私たちの学校は制服がキュロットなのでジャージの方がトイレも楽です。制服登校だと午前に体育、午後に集会がある日などは学校で2度も着替えなくてはなりません!大変です!ところで私たちは昨日修学旅行から帰ってきました!とっても楽しかったのですが、明日も部活が休みなので一週間も楽器を吹いていないことになります!土曜日がコワイです…今日は振替休日です。
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おかえりなさい (憂太郎)
2009-05-14 21:54:40
修学旅行は,君たちにとっては楽しいものだったろう。
一方,先生にとっては,それはそれはつらい4日間なのだ。日に日にやつれて,ボロボロになって帰着するものなのだ。振替休日など3日くらいあってやっと疲れがとれるという,それはそれは恐ろしい行事だ。
修学旅行がなんでこんなに大変かというと,君たちの指導に疲れるというのではなく,君たちと同じテンションで4日間過ごしてしまうからなのだね。中学生には,ついていけるわけがないのだね。
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