今週の24日は「全国学力テスト」の日だった。
日本全国の小学校6年生と中学3年生全員に,一斉に国語と算数(数学)と生活調査をしたのだから,国家プロジェクトだったといっていいだろう。それに,このようなテストが約40年ぶりに今回復活したというのも,驚いていいことだろう。前回はというと,1966年に実施でした。私は,もちろん生まれてはいないのだけど,聞くところによるとテスト反対の声におされて打ち切りになったらしい。
そして,しばらくはそれっきりになっていたのだけれど,やはり最近の学力低下の批判を受けて,では,日本の子ども達はどの程度勉強ができるのか,そのデータをとりましょうと,いうことで復活したのでしょうね。
ただ「テスト」というから,聞こえがよくないわけで,やはり正しく「全国学力・学習状況調査」というべきだろう。一般的にはテストをやったのだから「テスト」でしょ,と思うかもしれないが,教師であるなら,やはりこういう類のもとはテストではなく,「調査」と称するべきだ。生徒ひとりひとりの評価をするわけじゃなく,どの程度の学力なのかというデータが欲しいのだから,「調査」だ。
本校も,5時間をかけて3年生が調査に協力をしていた。
さて,この「学力調査」。調査結果は,どのように活用されるのだろう。
まず言えることは,今回の1回きりの調査じゃあ,日本の子どもたちの出来がいいとか悪いとか判断はできないということだ。
ここ最近は,学力が低下しているといわれているけど,今回の調査をいろんな角度から分析をしてみたところで,昔と比べられないですから何ともいえませんね。
もちろん,現場教師には,そんな客観的なデータなんて持ってないけれど,今の子どもの学力は低下していることは,百も承知です。もし,この世の中で,子どもの学力が向上していると主張する教師がいたら,お目にかかりたいくらいなものであります。
いやね,今の子どもは本当に勉強しなくなったよ。そりゃ私は地方都市の公立中学の教師だから,そんな“今の子ども”とひと括りにするのは乱暴な話なのかもしれない。けれど,大都市圏の有名私立中学の教師も,多分,地方都市の私と同じ感想を持っていると思うなあ。「この名門中学のわが校にして,生徒はこの程度のレベルになってしまったのか…」といったような。
恐らく,10年キャリアを積んだ教師なら,10年前と今と比べて,いまの生徒は勉強しねえなあと思っているし,20年のキャリアを積んだ教師なら,20年前と比べて,そう思っているのだ。だからといって,教師である私達に,じゃあ今の生徒の学力が昔と比べてどう低下しているのか証拠をみせろと言われても,なかなか困ってしまうのだけど。
せいぜい,分数のできない大学生を見つけてくるくらいかなあと思う。しかし,それもなあ,証拠にならんだろうなあ。現在の分数のできない大学生と言うのは,昔だったら大学なんかに入学できなかった低学力の18歳が入学できるように,大学の門戸が開いただけということでもあるわけだしなあ。一概に学力低下とは言えないよなあ。という感じはする。
そういうわけで,今回の調査結果が一つの証拠になってくるのかとも思う。ただ,今回の結果だけじゃあ,今の子どもの学力が低下しているのかどうかなんてわかりようがないから,やはり,毎年行うとか,数年おきに調査して,だんだん低下しているとか,いやいや去年よりも向上したじゃあないかという比較が必要なのだ。
そういうなかで,この調査結果が生きてくるのである。
そうであるから,当然公表はすべきである。そして,学校ごと,それが無理ならせめて市町村なりの自治体ごとの成績を示すとなおいい。
けど,これに世論が反対をしているんですってね。まあ,学校ごとに成績を公表するのは暴論かもしれないけれど,自治体ごとのランキングを公表することになぜ反対するのか,私には皆目わからない。なんで,自治体の学力ランキングを出したらダメなんだろう。何も問題はない。成績の低い市町村の教師のクビが飛ぶなら反対でもしようが,そんなことになりはしない。下位の公表がヤバいのだったら,じゃあせめて,上位の自治体でも公表すべきである。
なぜか。それは,上位になった理由を,しっかりと分析するべきだと思うからである。本当なら,下位の自治体が,なぜ下位なのかの原因を分析できるともっといい。(今回の生活調査に,保護者の職業を問う項目があれば,おそらく分析精度は高まったかと思うが,いまどきそんなヘヴィな調査はできんわな)。
それはともかく,その上位の自治体を高学力のモデル地域にでも指定して,国をあげて学力向上をはかるべきである。
それをせずして,何の調査か。
巨額の金を使い,国家プロジェクトとしての調査の意味がないではないか。
けど,そうやってランキングを出すことで過度の競争をあおるという懸念をしている人がいるらしい。
現場教師として,それは大きな誤解であると言わざるをえない。あのね,皆さんね,ほんとに,ほんとに,今の子どもたちは,勉強していないんだから。間違いなく,わが国の教育現場では,学力低下がおこっているんだから。自治体ごと,どんどん競争して,子どもの学力の底上げをはかりなさい。競争のない今の方がずっと問題である。
何が過度の競争をあおるだ。学校現場は40年前と何も変わっていないとでもいうのか。無知もはなはだしい。
もう,本腰を入れて,国家の事業として,学力の向上をはかる時期にきているのだよ。
日本全国の小学校6年生と中学3年生全員に,一斉に国語と算数(数学)と生活調査をしたのだから,国家プロジェクトだったといっていいだろう。それに,このようなテストが約40年ぶりに今回復活したというのも,驚いていいことだろう。前回はというと,1966年に実施でした。私は,もちろん生まれてはいないのだけど,聞くところによるとテスト反対の声におされて打ち切りになったらしい。
そして,しばらくはそれっきりになっていたのだけれど,やはり最近の学力低下の批判を受けて,では,日本の子ども達はどの程度勉強ができるのか,そのデータをとりましょうと,いうことで復活したのでしょうね。
ただ「テスト」というから,聞こえがよくないわけで,やはり正しく「全国学力・学習状況調査」というべきだろう。一般的にはテストをやったのだから「テスト」でしょ,と思うかもしれないが,教師であるなら,やはりこういう類のもとはテストではなく,「調査」と称するべきだ。生徒ひとりひとりの評価をするわけじゃなく,どの程度の学力なのかというデータが欲しいのだから,「調査」だ。
本校も,5時間をかけて3年生が調査に協力をしていた。
さて,この「学力調査」。調査結果は,どのように活用されるのだろう。
まず言えることは,今回の1回きりの調査じゃあ,日本の子どもたちの出来がいいとか悪いとか判断はできないということだ。
ここ最近は,学力が低下しているといわれているけど,今回の調査をいろんな角度から分析をしてみたところで,昔と比べられないですから何ともいえませんね。
もちろん,現場教師には,そんな客観的なデータなんて持ってないけれど,今の子どもの学力は低下していることは,百も承知です。もし,この世の中で,子どもの学力が向上していると主張する教師がいたら,お目にかかりたいくらいなものであります。
いやね,今の子どもは本当に勉強しなくなったよ。そりゃ私は地方都市の公立中学の教師だから,そんな“今の子ども”とひと括りにするのは乱暴な話なのかもしれない。けれど,大都市圏の有名私立中学の教師も,多分,地方都市の私と同じ感想を持っていると思うなあ。「この名門中学のわが校にして,生徒はこの程度のレベルになってしまったのか…」といったような。
恐らく,10年キャリアを積んだ教師なら,10年前と今と比べて,いまの生徒は勉強しねえなあと思っているし,20年のキャリアを積んだ教師なら,20年前と比べて,そう思っているのだ。だからといって,教師である私達に,じゃあ今の生徒の学力が昔と比べてどう低下しているのか証拠をみせろと言われても,なかなか困ってしまうのだけど。
せいぜい,分数のできない大学生を見つけてくるくらいかなあと思う。しかし,それもなあ,証拠にならんだろうなあ。現在の分数のできない大学生と言うのは,昔だったら大学なんかに入学できなかった低学力の18歳が入学できるように,大学の門戸が開いただけということでもあるわけだしなあ。一概に学力低下とは言えないよなあ。という感じはする。
そういうわけで,今回の調査結果が一つの証拠になってくるのかとも思う。ただ,今回の結果だけじゃあ,今の子どもの学力が低下しているのかどうかなんてわかりようがないから,やはり,毎年行うとか,数年おきに調査して,だんだん低下しているとか,いやいや去年よりも向上したじゃあないかという比較が必要なのだ。
そういうなかで,この調査結果が生きてくるのである。
そうであるから,当然公表はすべきである。そして,学校ごと,それが無理ならせめて市町村なりの自治体ごとの成績を示すとなおいい。
けど,これに世論が反対をしているんですってね。まあ,学校ごとに成績を公表するのは暴論かもしれないけれど,自治体ごとのランキングを公表することになぜ反対するのか,私には皆目わからない。なんで,自治体の学力ランキングを出したらダメなんだろう。何も問題はない。成績の低い市町村の教師のクビが飛ぶなら反対でもしようが,そんなことになりはしない。下位の公表がヤバいのだったら,じゃあせめて,上位の自治体でも公表すべきである。
なぜか。それは,上位になった理由を,しっかりと分析するべきだと思うからである。本当なら,下位の自治体が,なぜ下位なのかの原因を分析できるともっといい。(今回の生活調査に,保護者の職業を問う項目があれば,おそらく分析精度は高まったかと思うが,いまどきそんなヘヴィな調査はできんわな)。
それはともかく,その上位の自治体を高学力のモデル地域にでも指定して,国をあげて学力向上をはかるべきである。
それをせずして,何の調査か。
巨額の金を使い,国家プロジェクトとしての調査の意味がないではないか。
けど,そうやってランキングを出すことで過度の競争をあおるという懸念をしている人がいるらしい。
現場教師として,それは大きな誤解であると言わざるをえない。あのね,皆さんね,ほんとに,ほんとに,今の子どもたちは,勉強していないんだから。間違いなく,わが国の教育現場では,学力低下がおこっているんだから。自治体ごと,どんどん競争して,子どもの学力の底上げをはかりなさい。競争のない今の方がずっと問題である。
何が過度の競争をあおるだ。学校現場は40年前と何も変わっていないとでもいうのか。無知もはなはだしい。
もう,本腰を入れて,国家の事業として,学力の向上をはかる時期にきているのだよ。