こういうエキセントリックなキャラクターで,社会運動を興していることがとてもいいと思っていた雨宮処凛の新書。
左派的なメディアにはもはや出ずっぱりといった感がある。ただ,こんなにテレビ向けのキャラなのに,肝心なテレビには,あんまり映らない。それは,彼女のいうように,彼女が指弾しているのが,わが国の巨大自動車メーカーだったりするからなのだろうね。テレビにとってはスポンサーだから。なので,これまでの派遣切りの報道がいまいとつキレが悪いのは,そういう構造だからなのだろう。
本書では,派遣切りはもちろん,秋葉原無差別殺人,三万人の自殺,メンヘラー,シングルマザー,イラクの傭兵などを取り上げ,わが国の格差や社会的排除について論じている。シングルマザーのネグレクトを弁護する彼女の論述については,私にしてみれば噴飯ものであり,肯定するつもりは全くないが,そういう見方で立論できちゃうんだなあと思いつつ読んだ。
わが国の格差や社会的排除は,学校現場が抱える諸問題に直結するわけで,そういう意味では現場の困難性の背景を知っておくにはわかりやすい内容といえた。
明日はメーデー。彼女はテレビに映るかな。
雨宮処凛「排除の空気に唾を吐け」(講談社現代新書,2009)
左派的なメディアにはもはや出ずっぱりといった感がある。ただ,こんなにテレビ向けのキャラなのに,肝心なテレビには,あんまり映らない。それは,彼女のいうように,彼女が指弾しているのが,わが国の巨大自動車メーカーだったりするからなのだろうね。テレビにとってはスポンサーだから。なので,これまでの派遣切りの報道がいまいとつキレが悪いのは,そういう構造だからなのだろう。
本書では,派遣切りはもちろん,秋葉原無差別殺人,三万人の自殺,メンヘラー,シングルマザー,イラクの傭兵などを取り上げ,わが国の格差や社会的排除について論じている。シングルマザーのネグレクトを弁護する彼女の論述については,私にしてみれば噴飯ものであり,肯定するつもりは全くないが,そういう見方で立論できちゃうんだなあと思いつつ読んだ。
わが国の格差や社会的排除は,学校現場が抱える諸問題に直結するわけで,そういう意味では現場の困難性の背景を知っておくにはわかりやすい内容といえた。
明日はメーデー。彼女はテレビに映るかな。
雨宮処凛「排除の空気に唾を吐け」(講談社現代新書,2009)