●方法俳句0185・方言01・須崎豆秋01・2014-07-31(木)
○「院長があかん言うてる独逸後で」(須崎豆秋01)
川柳
「お笑い」もそうですが「川柳」も関西弁がよく似合います。医者のカルテはドイツ語で書くらしいのですが、内容を患者に知られないという意味では都合いいですね。「あかん」のドイツ語は何?
○須崎豆秋(すざきとうしゅう)(1892~1961)
代表句「煌々と寿司がぎょうさん売れ残り」02
川柳
香川県の生まれで、大阪で就職、生涯を同じ長屋で暮らした。ユーモア作家として第1級のセンスを持つといわれ飄逸な作風は詩人小野十三郎も絶賛、「川柳界の小林一茶」とも呼ばれた。→俳人一覧(あ・か・さ・た・な・は・ま・や)
○次元俳句0185・開く(空間)01・山上樹実雄01・2014-07-30(水)
○「傘のねばり開きや谷崎忌」(山上樹実雄01)
○季語(谷崎忌・晩夏)
【鑑賞】:「唐傘からかさ」とは竹の骨に油紙を張った傘。しばらく使っていなかった唐傘を開くときの音が「ねばり開き」です。ばりばりと音も聞こえるようです。
○山上樹実雄(やまがみきみお)(1931~2014)
○好きな一句:「蟬鳴くや水中に暗ひろがりぬ」02
○季語(蟬・晩夏)
【Profile】:大阪生まれ。阪大医学部を卒業し眼科医。高校時代は詩人伊藤静雄の門にあって詩に目覚める。一方で「馬酔木」に入会。→山口草堂に師事。「南風」代表。→俳人一覧(あ・か・さ・た・な・は・ま・や)
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山上樹実雄掲載句
03靴のなか足ただようて青き踏む(青き踏む・春)〈五体・足〉2016/3/15
04さくら仰ぎて雨男雨女(さくら・晩春)〈特集472・女や男の俳句1-1(男女)〉2020/4/3
●五体俳句0185・頬09・寺田寅彦01・2014-07-29(火)
○「夏痩の頬に当てたる団扇かな」(寺田寅彦01)
季語(夏痩)
夏痩せでげっそりした頬にあてた団扇。やや伸びた無精ひげと、団扇の扇部の地紙が擦れて、ざりざり感を頬に感じています。
○寺田寅彦(てらだとらひこ)(1878~1935)
代表句「昼顔やレールさびたる旧線路」02
季語(昼顔・夏)
東京都出身。物理学者。随筆家。東京市(現千代田区)に高知県士族の長男として生れる。熊本の第五高等学校在学空に→夏目漱石に俳句を学ぶ。→松根東洋城と連句を研究。「天災は忘れた頃にやって来る」は寅彦の言葉といわれる。→俳人一覧(あ・か・さ・た・な・は・ま・や)
●次元俳句0185・●色09・松尾隆信01・2014-07-27(日)
○「ゆつくりと水の色消え滝となる」(松尾隆信01)
季語(滝・夏)
滝の水は落花した直後はまだ水の色を帯びています。それがしだいに岩肌を落ちるにしたがい、くしゃくしゃにされ滝の色を得ていきます。それを「ゆっくり水の色が消える」と表現しました。
○松尾隆信(まつおたかのぶ)
代表句「おにおこぜ徹頭徹尾おにおこぜ」02
季語(おにおこぜ・夏)
1946年、兵庫県姫路市出身。「七曜」「天狼」「氷海」に学び、1976年「畦」にて→上田五千石に師事。五千石逝去により「畦」解散後の1998年、「松の花」創刊主宰。俳人協会評議員、横浜俳話会参与。→俳人一覧(あ・か・さ・た・な・は・ま・や)