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お気入俳人の俳句鑑賞します。
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俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

●方法俳句004・根源行動01・夏目成美

2010-08-20 00:06:24 | 方法俳句

●方法俳句004・根源行動01・夏目成美

 

 人間の「根源行動」としてあげたいのは「飯を食う」ことと「水を飲む」ことです。人間は誰もが飯を食わなければ生きていけません。

淋しさにつけて飯くふ宵の秋」(夏目成美01)

季語(宵の秋)

掲句以外にも淋しさに飯をくふ也秋の風」(小林一茶01)、「さみしさに早飯食ふや秋の暮」(村上鬼城01)の句もあります。

 ここにあげた3句は類想句としてあげたわけではありません。しかし、ほぼ同じ主題と内容の3句です。江戸中期の俳人、夏目成美。江戸後期の俳人、→小林一茶。ホトトギス初期の俳人、→村上鬼城。それぞれ時代は異なりますが、いずれも「飯を食う」淋しさを詠んでいます。根源行動の条件として、①人間が生きる上で欠かせない行為であること、②その行為がどことなく淋しさを漂わせていること、を挙げたいと思います。いつの世にも「飯を食う」ことは秋風と同様にどこかしら、うら寂しいということでしょうか。

 

夏目成美(なつめせいび)(1749~1816)

代表句「行春を鏡にうらむひとりかな」02

季語(行春)

江戸中期の俳人。江戸浅草生まれの札差。→小林一茶の理解者であり、寛政から文化の頃の江戸三大家の一人と称され、句風は清雅。

 

夏目成美掲載句

2011/01/17       03魚くふて口なまぐさし昼の雪(雪・冬)〈五感・嗅覚〉 

2012/08/27       04いづかたに車はとまる夜の雨(無季)〈五感・聴覚〉

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