考えるための道具箱

Thinking tool box

◎バートルビーになりたいよ。

2008-03-23 01:09:54 | ◎書
春なので、ちょっと、忙しい。もっともいまに始まった話ではないけれど。

[01]『バートルビーと仲間たち』エンリーケ・ビラ=マタス/木村榮一訳(新潮社)
[02]『小説の設計図』前田塁(青土社)
:結局、この2冊は買う。あきらかにバートルビーと前田塁になりたい、と思う。いや、なりたくないか。川上弘美(の小説)がSMだなんて、そんな着想できないもんな。ともあれ、川上ってそんな謀略がある作家だったかなと思い、買いだめしていた『真鶴』も読み始める。面白いので読み続ければよかったんだけど、鶴で鴎も思い出し、ずいぶんと長いあいだ、読みかけ放置していた黒川創の「かもめの日」も再開。ああ、これはためこんでいた小説の書き出しを大放出しているんだなあ、と気付くが、それはそれで、方法としてなくはないとも思う。後半戦になるとがぜん面白いエピソードも登場し、どうやら今回のトライで読了できそうだ。
しかし、あいかわらず、5分とか10分の小刻みな時間をつなぎ合わせる読書なので、そういうのが癖になってしまうと30分以上読み続けるのがしんどくなってくる。やっぱり、いちどバートルビーになるべきだな。公の場でね、ぼく、そうしない方がいいのです、なんて言えればねえ。

[03]『狂気の愛』ブルトン(光文社古典新訳文庫)
[04]『神を見た犬』ブッツァーティ(光文社古典新訳文庫)
:結局、この2冊も買う。『神を見た犬』の冒頭の「天地創造」を読み、ああブッツァーティとはそういうものなのかと思うが、そういうものなんだろうか。ここまで、あげた本のなかで、空き時間を活用して読むにはもっともふさわしい。いちばん早く読み終えることができそうだ。ブルトンはこの時期、ちょっときついかもしれない。
しかし、どう考えても、古典新訳は安すぎるなあ。

[05]『狂気の歴史』フーコー(新潮社)(古:¥1,000.-)
:こういうのは、見つけたときに買っておく。アンダーラインと書き込みのある古本だけれど、それが意外とまっとうなチェックにみえるので、よいアテンションになる。

[06]『Solo Acoustic, Vol. 2』Jackson Browne
:『Vol. 1』から3年ぶりという以上に、『Naked Ride Home』から6年もたっていることに、その時間の流れ方にちょっとひく。『Vol. 2』は、その『Naked Ride Home』からの曲が多いのだが、こうしてアンプラグドで聞いてみるとそんなに悪くはない。悪くはないが、これは仕方がないことだが「Sky Blue and Black」「In the Shape of a Heart」などと比べるとのその差は明らかだ。「Sky Blue and Black」はほんとうに素晴らしい。その、圧巻について誰かと語り合いたいのだけれど、そんな人はまわりのどこにもいない。

[07]『11』Bryan Adams
:Jacksonの新譜を買いに寄った真夜中のTUTAYAで、なんの前触れもなくリリースされていた。ブライアン・アダムスは、『On a Day Like Today』があまりにも素晴らしく、それ以降も大いなる期待をもち、新しい曲にのぞむが、このところその望みはかなえられない。聞くところによると彼は『On a Day Like Today』のセールスがあまりかんばしくなかったことに打撃を受けたらしいが、それもあって、『On a Day Like Today』の路線をあえて外しているのだろうか。いっぽうで『18 till I Die』のような方向に戻ることもない。『11』もいまのところはピンとこない。「Oxygen」と、「12」曲目のボーナストラック「The Way Of The World 」ぐらいか?まだよくわからないけれど。

ところでソニーからアナログレコードの音源をデジタル化できるプレーヤー(ターンテーブル)が発売されると聞き、価格が安いこともあって、これは買いだなあと思う。しかし、ちょっと待て。ほんとうにデジタル化する価値のあるLPが所有されているんだろうか?確かめるために、久しぶりに自宅のターンテーブルを埃にまみれながら結線してみた。
つまり、CDが入手しにくくなっている音源があるかどうか?ということなのだが、結果的にはstyxの『CORNER STONE』とGODIEGOの『Our Decade』くらいだった。あとは、おおむねCDで入手しているし、そうでないものもたいていは手にはいる。確かに、この2枚は、産業ロックの典型とはいえ、いま聴いても、充分に新規性と独自性がある。とくに『Our Decade』は、もっと伝説的に評価されてもいいんじゃないかとも思う。そういう意味では、ipodに投入したいところだが、だからといってこの2枚のためにデジタル化プレーヤーを買うにはあまりにもC/Pが悪すぎる。また久しぶりにターンテープルでLPを聴いてみると、曲をスキップできないことに少し苛立ちを感じてしまった。病といえば病なのだが、いまはまだ、スピーカーの前に鎮座して純粋に音楽だけに聴き入るような時間はない。

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