「イメージすること」の大切さについて書こうと思っていたのだが、2枚程度書いたところでこれでは、伝えたい人に伝わらないなあ、と思ったので、チャラにすることにした。話の起点を「言葉」と「他者」に対する「絶望」に据えたことに起因するのだが、そんなところからスタートすると、どれだけ書き連ねても話は終わらない。「イメージすること」は、仕事をしていくために、とても大切な話なのだが、いま書き直したところできっと同じようなところで考え倦む気がするし、そうそう時間もとっていられないので、いったんクールダウンし、失われた時間を取り戻すために、リストの作成を。
□営業組織のマネジメントモデル
:営業モデルに続き、マネジメントに焦点をあてる。現場取材からスタートするが、体系化に加え、短期間でもっとも効果的な教育方法を考える。毎回、思うのだが、本質的でなくても、御託を並べるよりは、ベストセラービジネス実用書のようなまとめ方がいちばんよいのだろう。少し、ベストセラー棚で、わかりやすいまとめ方のビジネス書を収集してみよう。
□営業モデル実践ツール
:営業パーソンがプレゼンテーションに使用できるパワーポイントのテンプレート。3種。
□販売会社のミッション・マネジメント
:引き続き。完全に顧客を中心にすえたミッション-ビジョン-バリューを描いてみる。描くのは簡単だが、具体策検討のためのプロジェクト進行が難題。ほんとうは手順を追ったほうがいいのだが、じつはこちらも、戦術レベルで、「必ず顧客がからんでくる」施策を考え、とりあえず実行してみることの方が早いような気がする。
□新規市場開拓商品の販売戦略
:(1)販売チャネル、WEBの活用レベル、テスト販売の本質追求、商品制約。(2)調査用材料 (3)商品コンセプトブック
□商品開発サポート(A)
:コミュニケーション・コンセプトの策定
□商品開発サポート(B)
:市場発見。これは少し難題。時間があれば、仮説検証型ではなく、仮説生成型の調査をすべきなのだが、そうはいっていられないだろうな。ただし、一度は市場観察が必要か。
□中期事業・商品戦略(ステイトメント)
:戦略を経営幹部と共有するための資料
□プロユース製品の営業戦略(新)
ところで、上記の仕事にちなんで、最近ひょんなことから、80年代に一世を風靡していたCI会社のその当時の資料を久しぶりにみる機会があった。ちょうど私が社会人になった頃の資料で、そのときは、「おお、これがコンセプトというもののまとめ方なのだなあ」といたく傾倒していたのだが、20年ぶりくらいにあらためてみてみると、感覚と気分だけでまとめあげたその杜撰さに驚いてしまった。なんの説明もなく唐突にあらわれしかも不良導体的にわかりにくい新造語、ツリーではあるがけっしてロジカルではない図解、具体策がいっさいイメージできない高尚なビジョン、なによりファクトの欠如。時代のせいとい言ってしまえばそれまでだけれど、こういった、いわゆる下手なイメージ戦略の積み重ねが90年代を空白にしたのだと考えるとくやしくてしょうがない。もっとも、巧い企業イメージ戦略というのも確かにあったわけで、それはきっと「イメージ」とは、いったい何か?ということに対する、確かな答えをもっていたか否かによるのだろう。
「イメージ」という言葉がでてきたので、ここでかなり強引だが、冒頭の「イメージすること」の大切さに戻る。もちろん、「イメージ」とは「ないもの」を像として結ぶ機能ではなく、「あるもの」を、できるだけ意図どおりに想像させる機能であると考えたとき、あながち強引なつなげ方ではない。
#
先日の社内の営業研修で「ホスピタリティ」という大切な考え方が提示された。それに続き、私は、営業コミュニケーションにおけるシナリオの必要性を説いた、同時にロールに自覚的であることの大切さにも触れた。また、私たちの仕事は、コミュニケーション(対話)を通じて、得意先の担当者が頭で考えていることに形を与えていくことだ、といったことを言ったような気もするが、これは言わなかったかもしれない。
そして、ホスピタリティ=慮る心を効かせるにも、シナリオを描くにも欠かせないのが、相手の思いや言動を「イメージすること」であり、これが営業コミュニケーションのうえで重要な行動規範になる。もちろん、企画制作の議論において得意先担当者の頭の中をイメージ、弁証的なアイデアを提起しながら、形にしていくというコミュニケーションはそんなに簡単な話ではない。ある程度のキャリアパスを経る必要がある。しかし、一方で、キャリアを問わずできることもある(問わず、というのは、キャリアがなくても、逆にキャリアがあるからといって怠らず、ということだ)。たとえば、イメージしなければならないのは以下のようなことだ。
◎進行案件において、特定のタイミングでしっかり理解を共有していないことで発生するワームホールの可能性。
◎あることを説明しないことで起こりうる問題。
◎資料や材料を何の説明もなしに手渡されたときに、相手はどう思うのか?
◎いきなり受信したメールを見たときの相手の反応。
◎そのツールは、販売の現場でどういったオペレーションをされるのか?どのような流れで配布されるのか
◎その資料は、得意先の会議において、どういうタイミングで、どんなスタンスで説明されるのか
◎この発言をすることで、相手が何を思い描くのか?
◎この流れで進んでいくと、一週間後には、どういった形でしわ寄せがくるのか?そのしわ寄せは誰がかぶるのか。
◎得意先担当者の社内におけるパワーバランス
◎得意先担当者は、なぜ、そのような発言したのか?それは、その担当者の全体像のなかでどの一角を占める発言なのか。
じつは、これらのことはイメージすることでなく、直接的に聞いてみれば解決することである。しかし、聞くためには、何を聞くことが要諦なのか?どういう聞き方をすれば先方の本意とこちらの本意が一致するのか?ということを、やはりイメージしなければならない。一意専心考え尽くして、場合によっては徹夜もいとわずつくりあげたものが、ほんのわずかなイメージ不足のために、まったく無駄になってしまうことはおろか、致命的な苦言の対象になってしまうこともありえる。
このようなことを書くと、私たちはそこまで得意先に従順にならなければならないのだ、という印象をもってしまう人もいるかもしれないので、念のために書いておく。私たちは得意先の指示に対して100%従う必要はない。しかし、得意先の思想と思考を理解することについては、100%の努力と慮りを発揮しなければならない。いや、これについては100%でも足りないくらいだ。そういったやりとりの中で培われた信頼のようなものがあってこそ、はじめて「お言葉を返すようですが」という具申が効いてくる。
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もちろん「イメージすること」は、営業的なコミュニケーションだけでなく、企画やクリエイティブの作業においても大切である。これについては別の機会に。たとえば、最近、当社のAくんが創案した新商品のコンセプトコピーが、その最大の成果である。
□営業組織のマネジメントモデル
:営業モデルに続き、マネジメントに焦点をあてる。現場取材からスタートするが、体系化に加え、短期間でもっとも効果的な教育方法を考える。毎回、思うのだが、本質的でなくても、御託を並べるよりは、ベストセラービジネス実用書のようなまとめ方がいちばんよいのだろう。少し、ベストセラー棚で、わかりやすいまとめ方のビジネス書を収集してみよう。
□営業モデル実践ツール
:営業パーソンがプレゼンテーションに使用できるパワーポイントのテンプレート。3種。
□販売会社のミッション・マネジメント
:引き続き。完全に顧客を中心にすえたミッション-ビジョン-バリューを描いてみる。描くのは簡単だが、具体策検討のためのプロジェクト進行が難題。ほんとうは手順を追ったほうがいいのだが、じつはこちらも、戦術レベルで、「必ず顧客がからんでくる」施策を考え、とりあえず実行してみることの方が早いような気がする。
□新規市場開拓商品の販売戦略
:(1)販売チャネル、WEBの活用レベル、テスト販売の本質追求、商品制約。(2)調査用材料 (3)商品コンセプトブック
□商品開発サポート(A)
:コミュニケーション・コンセプトの策定
□商品開発サポート(B)
:市場発見。これは少し難題。時間があれば、仮説検証型ではなく、仮説生成型の調査をすべきなのだが、そうはいっていられないだろうな。ただし、一度は市場観察が必要か。
□中期事業・商品戦略(ステイトメント)
:戦略を経営幹部と共有するための資料
□プロユース製品の営業戦略(新)
ところで、上記の仕事にちなんで、最近ひょんなことから、80年代に一世を風靡していたCI会社のその当時の資料を久しぶりにみる機会があった。ちょうど私が社会人になった頃の資料で、そのときは、「おお、これがコンセプトというもののまとめ方なのだなあ」といたく傾倒していたのだが、20年ぶりくらいにあらためてみてみると、感覚と気分だけでまとめあげたその杜撰さに驚いてしまった。なんの説明もなく唐突にあらわれしかも不良導体的にわかりにくい新造語、ツリーではあるがけっしてロジカルではない図解、具体策がいっさいイメージできない高尚なビジョン、なによりファクトの欠如。時代のせいとい言ってしまえばそれまでだけれど、こういった、いわゆる下手なイメージ戦略の積み重ねが90年代を空白にしたのだと考えるとくやしくてしょうがない。もっとも、巧い企業イメージ戦略というのも確かにあったわけで、それはきっと「イメージ」とは、いったい何か?ということに対する、確かな答えをもっていたか否かによるのだろう。
「イメージ」という言葉がでてきたので、ここでかなり強引だが、冒頭の「イメージすること」の大切さに戻る。もちろん、「イメージ」とは「ないもの」を像として結ぶ機能ではなく、「あるもの」を、できるだけ意図どおりに想像させる機能であると考えたとき、あながち強引なつなげ方ではない。
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先日の社内の営業研修で「ホスピタリティ」という大切な考え方が提示された。それに続き、私は、営業コミュニケーションにおけるシナリオの必要性を説いた、同時にロールに自覚的であることの大切さにも触れた。また、私たちの仕事は、コミュニケーション(対話)を通じて、得意先の担当者が頭で考えていることに形を与えていくことだ、といったことを言ったような気もするが、これは言わなかったかもしれない。
そして、ホスピタリティ=慮る心を効かせるにも、シナリオを描くにも欠かせないのが、相手の思いや言動を「イメージすること」であり、これが営業コミュニケーションのうえで重要な行動規範になる。もちろん、企画制作の議論において得意先担当者の頭の中をイメージ、弁証的なアイデアを提起しながら、形にしていくというコミュニケーションはそんなに簡単な話ではない。ある程度のキャリアパスを経る必要がある。しかし、一方で、キャリアを問わずできることもある(問わず、というのは、キャリアがなくても、逆にキャリアがあるからといって怠らず、ということだ)。たとえば、イメージしなければならないのは以下のようなことだ。
◎進行案件において、特定のタイミングでしっかり理解を共有していないことで発生するワームホールの可能性。
◎あることを説明しないことで起こりうる問題。
◎資料や材料を何の説明もなしに手渡されたときに、相手はどう思うのか?
◎いきなり受信したメールを見たときの相手の反応。
◎そのツールは、販売の現場でどういったオペレーションをされるのか?どのような流れで配布されるのか
◎その資料は、得意先の会議において、どういうタイミングで、どんなスタンスで説明されるのか
◎この発言をすることで、相手が何を思い描くのか?
◎この流れで進んでいくと、一週間後には、どういった形でしわ寄せがくるのか?そのしわ寄せは誰がかぶるのか。
◎得意先担当者の社内におけるパワーバランス
◎得意先担当者は、なぜ、そのような発言したのか?それは、その担当者の全体像のなかでどの一角を占める発言なのか。
じつは、これらのことはイメージすることでなく、直接的に聞いてみれば解決することである。しかし、聞くためには、何を聞くことが要諦なのか?どういう聞き方をすれば先方の本意とこちらの本意が一致するのか?ということを、やはりイメージしなければならない。一意専心考え尽くして、場合によっては徹夜もいとわずつくりあげたものが、ほんのわずかなイメージ不足のために、まったく無駄になってしまうことはおろか、致命的な苦言の対象になってしまうこともありえる。
このようなことを書くと、私たちはそこまで得意先に従順にならなければならないのだ、という印象をもってしまう人もいるかもしれないので、念のために書いておく。私たちは得意先の指示に対して100%従う必要はない。しかし、得意先の思想と思考を理解することについては、100%の努力と慮りを発揮しなければならない。いや、これについては100%でも足りないくらいだ。そういったやりとりの中で培われた信頼のようなものがあってこそ、はじめて「お言葉を返すようですが」という具申が効いてくる。
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もちろん「イメージすること」は、営業的なコミュニケーションだけでなく、企画やクリエイティブの作業においても大切である。これについては別の機会に。たとえば、最近、当社のAくんが創案した新商品のコンセプトコピーが、その最大の成果である。