「金水火の三物が互いに依存して用をなすことをいってこれを煉丹を作るの要道とする。金水が火を得れば、温和にして相生ずる。金水は火がなければ、金は寒く水は冷えて造化をなし、丹を結ぶことはできない。また天一水を生ずで、水は五行の始めであり、もっとも重要なものである。そしてその功を水に帰する。けだし至善の徳は水と同じである。水はよく万物に恵みを与え、低きに流れて他と争わず、柔弱にして清く澄み、清徹にして瑕がない。水の形象は天一の源、五行の始で、真一の気の化するところで形象がなく、その端倪を測り知ることができない。真一の気たる道は、変じて分布するや、一、変じて水を生じ、位、北方に居り、二、化して火を生じ、位、南方に居り、三、変じて木を生じ、位、東方に居り、四、化して金を生じ、位、西方に居り、各自、分布独居して相関係しない。聖人は集めてこれを和合し、これをして集合して丹を作る。故にこれを五行といわずに丹というのである」(周易参同契 鈴木由次郎訳 pp132~133 明徳出版社 1977年)
『周易参同契』は外丹の書にして内丹の書でもあることがわかる。
ユングが中世ヨーロッパの錬金術を深層心理学の観点から考察したのは、物質としての「黄金」を精製する作業である術(オプス)は、実は「たましい(Psyche)」を磨く作業にほかならないことを洞察したからである。『周易参同契』中の前述部分もそのことを示している。
「浦島説話研究所」
『周易参同契』は外丹の書にして内丹の書でもあることがわかる。
ユングが中世ヨーロッパの錬金術を深層心理学の観点から考察したのは、物質としての「黄金」を精製する作業である術(オプス)は、実は「たましい(Psyche)」を磨く作業にほかならないことを洞察したからである。『周易参同契』中の前述部分もそのことを示している。
「浦島説話研究所」