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「浦島説話」を読み解く

「浦島説話」の時代を生きた古代人の人間観を歴史学、考古学、民俗学、国文学、思想哲学、深層心理学といった諸観点から考える。

『生まれ変わり・ヒーリング・超能力―不思議な現象の謎と魅力―』

2014-06-29 21:45:36 | 時代精神
「人体科学会 公開講演会のご案内
『生まれ変わり・ヒーリング・超能力―不思議な現象の謎と魅力―』

日時 2014年9月27日(土)16時~
場所 倫理研究所 2F 大ホール(東京都千代田区三崎町3-1-10)
費用 無料

「・・・転生・ヒーリング・超能力は古代より人々の関心を集めてきました。超能力という未知能力の学術研究は18世紀末にまで遡ることができますが、転生・ヒーリングが本格的に研究されるようになったのは20世紀の後半になってからです。解明のむずかしい未知現象がどのように研究されているのか、何が明らかとなったのか、さらには今後の研究の展望についてお話しいただきます。・・・」(人体科学会 公開講演会資料 平成26年6月27日付けからの引用転載)

演者・演題
石川幹人明治大学教授「未来予知は可能か~予感実験の不思議」
大門正幸中部大学教授「データベースが語る「生まれ変わり」現象の全貌」
小久保秀之国際総合研究機構研究部長「生体センサで測定する気とヒーリングパワー」

参加申し込み・問い合わせ先
電話、ファックス、又はメールで
人体科学会事務局(東京都千代田区三崎町3-1-11 瀬川ビル3階)
Tel&Fax 03-3222-5040
E-mail:jintaikagaku@smbs.gr.jp」

浦島説話研究所

「春分の日」

2014-03-21 07:44:35 | 時代精神
今日は「春分の日」である。
「旧暦二月、卯の月の中気で、新暦三月二十一日頃である。天文学的には、太陽が黄経〇度(春分点)の点を通過するときをいう。
この日、太陽は真東から昇って真西に沈み、昼と夜の時間がほぼ等しくなる(しかし実際には、光の屈折現象のため、昼のほうがやや長い)。この日以降は昼がだんだん長くなり、反対に夜が短くなる」(1)
「春分の日」は1948年(昭和23)、「国民の祝日」として制定された。
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」(祝日法第2条)ことを趣旨(2)とするというが、「浦島説話」を考察しながら古代人の生命観や世界観に目を向けるとき、当時の人々の暮らしはまさに「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ものであったことを再認識する。彼等の生活は、自然と共に存在した。人間は自然の一部にすぎなかった。

浦島説話研究所

「常識」という名のモンスター

2014-01-26 07:23:00 | 時代精神
NHK BSの「ザ・プレミアム 超常現象 第1集 さまよえる魂の行方」(1月11日放映)を見て、いろいろと考えさせられる場面があった。
「生まれ変わり」や「臨死体験」についてのスチュアート・ハメロフ氏(アリゾナ州立大学意識研究センター所長)の仮説が紹介されたが、番組ナビゲーターの「全く荒唐無稽な説」で「とても受け入れ難い」という表現は、一般的な反応を代弁したものといえるだろう。この言葉を受けて、謎の人物は「もちろん今はこの仮説に反対する人がほとんどだ。だがこれまでになかった考え方は、初めは全く受け入れられない歴史がある。16世紀のコペルニクスが唱えた地動説もそうだったはずだ」と投げかける。その言葉に、ナビゲーターが「なるほど。確かにあの時代の人々にとっては、地球が動くなんて相当荒唐無稽な考えだったでしょうね」と応える。

このやりとりを見ていて、「常識」という言葉に思いをめぐらせた。

「常識:普通、一般人が持ち、また、持っているべき知識。専門的知識でない一般的知識とともに理解力・判断力・思慮分別などを含む」(広辞苑)

おそらく、近代の科学的合理主義は、現代人にとっての「常識」(「一般的知識とともに理解力・判断力・思慮分別など」)の根本的な基盤となっているはずで、前述のハメロフ氏の仮説に対するナビゲーターの反応は、そこに起因している。
「常識」は、時代を制約する力をもつほどのモンスター、魔物でもある。一方、「常識」は絶対の真理ではなく、時代とともに変遷する性質を備えてもいる。
今でこそ、天文学史上燦然と輝く一大金字塔と評価される「地動説(太陽中心説)」であるが、コペルニクスが生きた時代は、「天動説(地球中心説)」が「常識」だった。コペルニクス自身、自らの仮説がもたらす影響の大きさを恐れ、生前に発表することはなく、『天体の回転について』の出版は彼の死後になされた。彼が亡くなった年(1543年)の8月、我が国ではポルトガル人が種子島に来て鉄砲を伝えた。徳川家康が江戸に幕府を開くのは、それから60年後である。

「浦島説話」が書かれた時代の人々にとって、不死なる魂の存在とその死後存続、再生といった観念は「常識」だった。当時の人々の「常識」に従って「浦島説話」と向き合うとき、説話は何かを語りかけてくるはずである。
ハメロフ氏の仮説は、馬養らが生きた時代の「常識」が、次代の「常識」になる可能性を示唆しているようにも思う。だとすれば、馬養らの時代の「常識」は絶対の真理である余地が残されていることになる。将来、その可否が明らかになる日がくるかもしれない。

浦島説話研究所

小寒

2014-01-05 22:29:41 | 時代精神
今日は二十四節気の「小寒」にあたる。
「小寒」は旧暦(太陰太陽暦)十二月、丑の月の正節で、冬至後の十五日目にあたる。今日から「寒の入り」となる。
「小寒とは、寒気がまだ最大までいかないという意味であるが、実際にはすでに本格的な冬の季節であり、寒風と降雪に悩まされる。「小寒の氷、大寒に解く」という故事があるとおり、実際は小寒の頃の方が寒さが厳しいことが多い。芹の苗が出盛り、雉が鳴き始め、泉の水が心もち温かみを含んでくる」(1)。
伊預部馬養連等が生きた時代の人々にとって、自然は今より遥かに身近な存在だったように思われる。自然と共存しているという認識、感度の鋭敏さが二十四節気を生み出した。自然を敬い、自然に対する謙虚さを思う。

浦島説話研究所

自然科学の真理

2013-12-31 09:37:57 | 時代精神
「自然科学とは、ある観察対象から導かれた仮説や理論を、再現性のある観測や実験にもとづいて検証し説明することで妥当性を認識され、それによって自然一般の理解に貢献する学問、あるいはその理念です。
しかし、自然科学に関する事実並びに法則は、その時代の人間の関与によって生み出されたものです。だから当然ですが、その時代の研究者による探索上の制約を受けます。よって、そこで生まれた自然科学の真理は、絶対的真理でも何でもなく、時代とともに変わるものであり、「その時点で判明した真理」にすぎません。心身二元論から一元論への移行も、この流れと同じです」(矢作直樹 村上和雄 神(サムシング・グレート)と見えない世界 p91 祥伝社 2013年)

矢作直樹氏の言葉を引用した。「自然科学の真理は、絶対的真理でも何でもなく、時代とともに変わるものであり」という箇所については議論の余地があるだろう。自然科学によって導かれた真理が絶対的真理である可能性は残されているからである。
人間を含む自然界の生命ある存在は全て、「死」を免れることはできない。例外はない。これは絶対的な真理である。死後の世界、魂や霊が存在するか否かについて、科学的に検証することは絶対に不可能である。今、死したアインシュタインが生前のままに蘇えり、死後の状態について語ってくれるならともかく、科学的に検証する術がない。アインシュタインの「生」はただ一度だけの事柄で、再現性はない。この問題は、科学がどこまで進化しても永遠の謎であり続ける。だが、宗教は不死の魂の存在を説く。

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