マインド・コントロールとは何か 価格:¥ 1,427(税込) 発売日:1995-08 |
第1章 破壊的カルトの活動とマインド・コントロールより
破壊的カルトの集団運営の方法 ――マインド・コントロール(1)
先述した特長は、私たちの社会規範に照らしてみたときには、容認しがたいことはいうまでもなかろう。では、知性も教養も高い人々が、どうしてそうした疑惑のある組織の活動へと参画してしまうのだろうか。あるいは破壊的カルトのメンバーは、なぜ一般には「悪事」とみなされるような反社会的と思われる行動をとってしまうのだろうか。
その第一の理由は、破壊的カルトは、その組織に参加していこうとする人々に対して、何か重大な彼らの充足させたい欲求や必要物を与えているからである。つまり、破壊的カルトのメンバーは、その集団内で生活することによって、それまで欠けていた剥奪感や空虚感から救われ、主観的な意味での幸福を手にすることになるからである。
また、何かを強く信ずることは、心理学的にはいくつかの肯定的効果がある。たとえば、「病は気から」というわれように、信念を持つことが、病気の奇跡的な治癒効果をもたらすことにつながることもあろう。
~中略~
精神医学者のギャランターは、破壊的カルトと目されるいくつかの宗教的カルトに所属するメンバーに、面接や心理テストを用いて主観的な幸福感を調査した。その結果、多くのメンバーがその組織に参画する前と後との比較において、主観的幸福感が増していたと報告している。
・・・その(2)に続く
あなたの心のスキマ、埋めてあげましょうか・・・?
そうして誰の心にもあるちょっとしたスキマから入り込んでくる、カルト宗教の甘い囁き。
入り込まれたが最後、入り口がスキマである以上出て行ってもらうのも困難です。
創価学会で言えば、組織のメンバーに与える必要物というのは、多くの場合「コミュニティ」を指すと思います。
親密な人間関係。しかも、自身にどのような人格の問題があろうと、「学会員」という肩書きさえあれば無条件で暖かく受け入れてもらえる。
人との繋がりに飢えているような人にとっては、大変魅力的な組織に写りましょう。
次には個人的感想でしかありませんが、「自己満足」を得たいという欲求も強いかと思います。
社会貢献、世界平和、文化活動・・・。これらのことに貢献したい気持ちは誰しも少なからず持っていると思うのですが、実際にやろうとするとなかなか手を出せるものではありません。
しかし難しいことは何一つ考える必要もなく、自分の身の回りで動き回るだけで、あるいは新聞を取るだけで、はたまた勤行するだけで、それらのことにこの世で最も貢献できる組織がある。
大した労力を必要とせずに(と思っている)、社会に役立つ人間になっていると自己満足できるのが創価学会という組織です。
学会員さんそれぞれに、欲求は色々あるとは思いますが、上記のような欲求の充足感を与えてくれるのが創価学会だと感じてる方は多いのではないでしょうか。
そしてこれらのことは、自分から手放すことに非常に罪悪感を覚えます。だからなかなか組織からは離れられないという二重トラップになっている。
以前カルト宗教に関するどこかのサイトで見たのですが、宗教団体に属す前と後で、主観的幸福感が大きく変化するのはカルト宗教の傾向が大変強いそうです。
伝統宗教ほど、自身の内面に強烈な変化は現れないそうです。分かる気がします。
即効性とハッキリとした効き目がなければ、カルト宗教(多くの新興宗教)はやっていけませんでしょうからね。