その大泉学園駅前の、あまり後味のよくない会話を最後に
もう彼女と会うこともないだろうと思っていました。
彼女が働くという青山通りのお店の場所も、おおよそ聞いていたので
そこに行けば会う事も可能でしたが、何故か行こうという気にはなりませんでした。
それからどれくらい経過した頃でしょうか、2、3ヶ月くらいだったか、半年位だったか、
1年は経ってなかったと思います。私がバイトを見つけて面接に行こうとしてたのか、
どこか買い物に行こうとしてたのか、記憶にございませんが、西武池袋線大泉学園駅で
池袋行き方面のホームで電車待ちしてた時の事です、止まって開いたドアの真ん前に
何と、籠橋さんが立っているのです。ほんとにビックリしました。彼女も驚いたと思います。
これはホント奇跡に近いことだと思います。
それまで24年間東京に住んでて、電車や駅のホームで知人と会った事は
その時より数年前、池袋駅の階段で、中学2年の時、私と同様、他所から転校してきて、
同じクラスになり、当時好きだったK・Yさんに偶然逢った時の一度きりの事で、
田舎と違って人口の多い都会は、知人に行き会うことは、極めて稀な事で
たとえニアミスしても気付かない事の方が多い場所です。電車の本数も
一時間に1本みたいな田舎と違って、5、6分に1本はあったでしょうか、
西武池袋線で同じ列車の同じドアでの再会は、今思い出しても劇的でした。
誰かに導かれたかのように現れた、あの時の再会シーンは、
やはり神様の演出だったのでしょうか。
彼女も運命的出会いの恩人でもあるTさんに会いに行った帰りで、中野に
向かっていたのでしょう。
驚いた二人は特に忙しくもなかったのでしょう、予定を変更して大泉学園駅を出て、
北口にある喫茶店に入り、久々に話をしました。
続く