敏翁のシルバー談義

敏翁の興味のスパンは広いのですが、最近は健康談義から大型TVを含むITと「カラオケ」「珈琲」にシフトしています。

ダイエツトとGo to eat

2020-12-07 21:04:43 | 真面目な話
 
 実は、前回先日お話しした「巣ごもりとコロナ太り」の時期と重なって
 「Go to eat」の電子ク―ポンも始めていました。
 この両者はややこしい関係にあります。
 Go to eatも楽しみながらダイエットと体調管理もしたい訳で、
 その為に種々試みていて、未だ道半ばですが、現況をお知らせします。

 先ず体重の推移をご覧に入れます。
 上記一連の活動を始めた頃、体組成計を買い換えました。
 新しいタニタのBC-767は、スマホとブルートースで連動していて、測定値をスマホで
 見る事が出来ます。それを下に示します。

 始めほぼ順調に下げていた体重は、Go to eat を始めた11月10日頃から
 横這いを始めます。
 それで昼Go to eat の夜はビールとサラダだけにするとか、その後なるべく
 三ツ池公園周りを挟むとか、種々試行を重ねて来ました。 
 
 その詳細は省略しますが、Go to eatは今まで計6回、三ツ池散歩計7回を
 行う事により、体重漸減を見せながらの体調復元が進んでいる様に見えます。
 一点だけ説明を加えます。
 12月で一番下がったのが4日朝、その昼に「ステーキあさくま 鶴見店」でgo to eatを
 使ってステーキランチを摂りましたが、その夜はワインと白菜の炒め物だけにして
 体重増加をほぼ抑えたのが分かります。

 ただ、約2月の結果を解析してみて、この私の開発した方式の問題点が明らかに
 なってきました。
 上記体組成計で測定した、体脂肪量、筋肉量から解ったのです。
 測定開始から測定値5点、最新の測定値5点の平均を比べて見ます。

        始めの5点平均  最新の5点平均   差
  体重     88.96(kg)     84.42     -4.54
  体脂肪量   24.22       24.62      0.3
  筋肉量    63.88       60.34     -3.54

  これからは、体重は相当減少していますが、体脂肪は減っておらず、筋肉の減少
  が体重減少の主因の可能性が高いらしい事が分かって来たのです。
  この測定器は、体重は直接測定しているので精度は高いが、上記他の二量は
  BI法(Bioelectrical impedance法*)により推定したものであり、
  ここでの議論に充分使えるかには疑問も感じますが、その値をある程度
  信用する事にして諸対策の検討を始めたところです。
  要は運動の負荷をもう少し強める必要があると思い、
  その為、物置から昔使っていたエアロバイクを引っ張り出したり、ダンベル
  も昔使っていたものでは重すぎるので、亡くなった家内が使っていた2kgのものを
  使う事にして始めたばかりです。
  考えている様に事が運ぶと良いのですが。
  結果が纏まったらまたお話ししましょう。

 *;BI法(Bioelectrical impedance法)
  人間の身体を構成する組織のうち、電気を通し易いのは水分の多い組織(筋肉、血管、骨など)
  で、脂肪は電気を殆ど通さない。
  これを応用して身体に微弱な電気を流してからだの電気抵抗を測定することで脂肪と
  それ以外の組織の割合を推定する。

巣ごもりとコロナ太り

2020-11-18 09:56:56 | 真面目な話
 
 
 久し振りの書き込みです。
 その後私もコロナ禍による巣ごもり状態からコロナ太りとなり、
 夏の終わりには、体重90kg近くになっていました。

 今回は、それからのお話です。
 
 9月に入って涼しくなり、3月以降止めていたゴルフ(鶴舞CC)
 に行ってみようと思い立ったのですが、その予備運動として
 何時もその為に利用している「三ツ池公園」(横浜市鶴見区にある県立公園)に行ってみて驚いたのです。
 ここは、(地図参照)「池の周り」(--●--)の歩行で高低差が十数メートル
 の緩やかな坂道になっているのですが、そこを普通に歩けない身体の状態になっていたのです。
  
 少し歩くと、心拍数(腕に付いているスマートウォッチで測定)が120bpm(beat per minut)
程度になってしまうのです。
 人の最高心拍数は、220bpm - 年齢 とされていて
 運動時の心拍数は、スポーツ愛好家でも
  (最高心拍数 - 安定心泊数)x0.6 + 安定心拍数
 が適当とされています。
 これを私の場合に当てはめると、安定心拍数は60bpm、年齢は90歳
 を入れると上記計算値は 102bpm となり、上記120bpmは全く異常なのです。

 東京品川病院のかかりつけの先生に相談した所、体重を下げるのが
 先決とした上で、心臓への負担を軽減する為血管を広げる薬を
 処方してもらいました。カルベジロール錠2.5mg 毎朝一錠です。

 1. ダイエット
    試みているものを列挙してみます。
  1.1 ロカボ(Low Carbon hydrateの意)食品
     ○ 糖質0g麺 紀文製 一食15kcal
       これは他の食材と合わせて用いる。
     ○ 糖質88%カットピザ シャトレーゼ製 一食201kcal
       これを夕食とする。

  1.2 低脂質食品
     大豆ミート 良品計画製
     4種類あるが、例えばその一つ「薄切りタイプ」は一袋80g 56kcal
     だが、特徴は脂質が0.6gと極端に低い。
     これを野菜炒めに用いる。

  以上の食生活対策で、一時90kg近くになっていた体重を現在
  85kg程度まで下げるところまで来ています。

 2. 三ツ池 その後
   10月末、体重が87kg程度、薬も効いて心拍数の上りも
   多少収まって来たので、地図の「上のコース」(--▲--)にチャレンジして
   大失敗しました。
   「上のコース」へ上るには、急坂を十数メートル登るのですが、
   それがどうやら出来て、下りの時途中で突然足が動かなくなり、
   通りかかった男性二人に抱えられて下まで降りると言うお恥ずかしい事態に
   なってしまったのでした。

   その後、体重を85kgまで下げて、一昨日「池の周り」を回って見ましたが、
   心拍数100程度で回る事が出来ました。
   確実に改善はされている事が実感できました。
   まだ「上のコース」は怖いのですが、もう少し準備して再チャレンジ
   するつもりです。
   12月にはゴルフにチャレンジする予定です(昨日シニアゴルフ会予約済み)

10万円 オンライン申請

2020-05-16 14:19:53 | 真面目な話

 コロナ禍に対する「特別定額給付金」一人当たり10万円
 のオンライン申請が悪戦苦闘の末、今朝がた完了しましたので、経緯を簡単に報告します。
 
 横浜市は12日からオンライン申請の受付を開始し、私はすぐに始めましたので
 足かけ5日もかかってしまった訳です。
 取り掛かる前は、マイナンバーカードは持っているし、パスワード 
 も覚えているので簡単に出来ると思っていましたが、そう甘くはありませんでした。

 1. 先ずパソコンでと思ったのですが、それにはマイナンバーカードを
   読み取るリーターが必要な事が分かりました。
   そんなものを持っている人はあまり居ないでしょう。
   私も持っていません。
   スマホでは、カードを直接読む事が出来るのでそれにしました。
   実際はこの読み取りにも問題があり、カードとスマホの位置関係が
   機種によって異なり、その位置関係を理解するのにも時間がかかりました。

 2. 次にパスワードが2つあるのです。覚えている4桁のパスワードの外に、
   この申請には電子署名が必要で、その為の6~16桁のパスワードが
   必要なのですが、それを申告した記憶が全くありませんでした。
   結局13日に鶴見区役所で再登録したのですが、特別に設定された
   マイナンバー窓口は新しくカードを申請する人、私の様にパスワードを
   再登録する人で混雑していて、結局半日かかってしまいました。

 3. これで行けると思ったのですが、最期の電子署名のところで旨く行かないのです。
   原因が分からず、ドコモに聞いても埒があかず、総務省の該当窓口に電話もして
   みましたが、全然繋がりません。
   それで試行錯誤の後、解決した現在では簡単な事で引っかかっていた事が分かっています。
   それは、電子署名には、給付金振り込み先の確認書類のアップロードが必要なのですが、
   ここが問題でした。
   私は、銀行通帳の1頁の画像を使ったのですが、これが黒白200dpiが必要条件だったのです。
   私は通帳を300dpi、カラーの設定でスキャナで撮って、jpgで保存、その後画像処理で
   100kB以下まで圧縮し、パソコンからスマホにメール転送したものを使ったので、サイズ
   としてはこれで充分(サイズが大きいと問題との警告があります)だと思い込んでいたのが
   間違いだったのでした。
   やや細かく記すと、カラーでは、幅を500pixelにして81kB、黒白は幅を1130pixelで140kBでしたので、
   サイズではなく、300dpi and/or カラー化が問題だったのではないかと思っています。

 
、  朝日新聞によると、この申告を区役所で確認するのが大変な作業で、書類申請より入金が遅くなる
   可能性が指摘されています。
   これは、マイナンバーカード制度それ自身に批判的だった朝日の立場を示しているものと思っていますが、
   実際はどうなるのでしょうか。
   計画では今月下旬には入金の筈ですが、入金したらまた報告します。
   この10万円の使い道などまた考える楽しみが出て来ました。

新型コロナウィルスとスマ―トウォッチ

2020-03-06 14:07:01 | 真面目な話
 
 スマートウォッチの新しい利用法を探していましたが、
 目下最大の課題である新型コロナウイルス感染をスマートウォッチ
 でチェックできるかもしれないと言う面白い観点がありそうな事に気づきました。

 ヒントは、3日ほど前のBS日テレ夜10時からの深層ニュースで
 WHOが新型コロナウィルス問題がより深刻化する場合に備えて大量の
 酸素マクスと血中酸素濃度測定器の備えが必要だと言っているとの
 紹介をした事でした。
 そのWHO会見の詳細を探しましたが、新聞にもウェブにも見付けられて
 いません。
 しかし、ウェブには次の掲載を見付けました。
 
 『【緊急】コロナウイルス感染を確かめるにはパルスオキシメーターが簡単?』

  
  これもWHO会見からヒントを得たものかもしれませんが、定かではありません。
  一般のマスコミ(ウェブの大半も)は大衆に関心を持ってもらえないと勝手に思った
  内容は取り上げない傾向が強く、その事を常に心に留めて置く必要があると思います。

  掲載の詳細は上記下線をクリックすれば見られますが、要約すると
 
  ”パルスオキシメーターは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する
   ためのものです。
   SpO2の値は肺や心臓の病気によって酸素を体内に取り込む力が落ちると、当然パーセンテージ
   が下がってきます。
   睡眠時無呼吸症候群の簡易診断にも利用されたりしますが、コロナウイルスは肺炎を引き起こす
   ことが多い感染症なので、この酸素飽和度の数値を基準にすると簡単な感染の判別ができます。
   酸素飽和度は、一般的に96~99%が標準値となっています。
   これが90%以下になると、十分な酸素を全身の臓器に送れなくなっている状態の可能性があります。
   呼吸不全という状態です。
   もともと心臓や肺に持病がある場合は別ですが、いままで何もなかったのに、パルスオキシメーターで
   計測したら酸素飽和度が90%以下だったら、コロナウイルスの感染を疑ってみたほうがいいでしょう。
   ちなみに、基準としては酸素飽和度が90%以下は重篤な可能性、95%以下でも疑った方がいいでしょう。”

   となります。
  
  パルスオキシメーターはアマゾンや楽天で6000円程度で購入できますが、
  私の現在使用しているスマ―トウォッチでも、前回紹介したように厳密に
  パルスオキシメータと同じとは言えないと思いますが、酸素飽和度測定の機能が付いています。
  しかも手首に巻いて置くだけで、終日5分間隔で自動的に測定してくれるのです。
  この測定値に異常があり、且つ新型コロナによる症状の特徴である異常な”だるさ”が
  感じられたら、その感染を疑って良いのではないかと思うのです。
  
  この着想を得て、何か良からぬ予感がしてなりません。
  スマ―トウォッチを始めた時は、新コロナ騒動は起こっていなかったのです。
  ここに運命の悪戯があり、それが私をスマ―トウォッチに吸い寄せたのかと言うものです。
  これで私自身が感染した証拠を見出す事に成らない事を願うばかりです。

  ご参考まで。

  余談になりますが、親中国の感が強いWHOテドロス事務局長が、中国製のスマ―トウォッチの宣伝
  に手を貸していると思うのは邪推でしょうか。


  終わりに、私のある一日の測定例をご覧に入れます。
  既に3週間ばかり測定を続ていますが、このように極めてぶれの少ない値を示しています。


スマートウォッチ

2020-02-02 10:17:35 | 真面目な話
 
  前回。私のホームページに「2020年ウェブ年賀状」を掲載したことをお知らせしました。
 その中に、掲題のスマートウォッチ使用開始の前提となるスマホに関する話題が書いてあるのですが、
 ご覧になっていない方も多いと思うので、本題に関係するところを要約して抜き書きします。
 ---------------
  私も本年2月には90歳を迎えるので、身体の諸部品の傷みが目立ちますが、
 頭脳の働きは歳の割には良く動いている方と思っていて、
 電子機器やインタネットなどエレクトロニクスの更なる活用にも私なりの
 ユニークさが打ち出されていると思うので先ずそれに関したここ一年の活動を
 お話することに致します。
 とした後で、「スマホと○○ペイ」について語っています。
 -----------------
  昨年年3月にガラケイからスマホに切り替えました。
 先ずSNS特にLINEを始め、仲間も数人は見付けましたが、その交流は活発ではありません。
 その後、Lineペイを始め、現在ペイペイ、メルペイなどを「キャッシュレス/ポイント還元」等
 に活用しています。
 しかし、同年杯の仲間には○○ペイを使いこなしている人を見掛けません。(以下略)

  今回本ブログでは、スマホの応用範囲を更に拡大すべく「スマートウォッチ」にチャレンジしている
 状況を報告します。
 
  先ず関連すると思われる歴史を簡単に振り返って見ます。
 アップル社は、スティーブ・ジョブズ(2011年死去56歳 )の指揮のもとにiPhoneを開発(2007年)、
 携帯電話に革命を起こし現在のスマートフォン全盛の時代を切り開いたのでした。
 さらに同社は、アップルウォッチを開発(2015年)、ウェアラブル端末の世界にもインパクト
 を与えました。これは広義にはスマートウォッチと呼ばれるものです。
 しかしアップルウォッチはiPhoneにしかリンクせず、且つ最新型は5~9万円程度します。
 それで、私の機種のOSアンドロイドにも対応してしかし安価なスマートウォッチを探すこと
 にしました。
 
 アマゾンでスマートウォッチを探せば、主に中国製の安価(3~6000円程)のもの
が溢れています。
 その中から、左図のものを購入しました。5680円でしたが、送られてきた箱には
メーカー希望小売価格25580円となっている代物です。
 時計の外に歩数計、脈拍計、睡眠モニタ、タイマー、電話やSMSの着信通知などが
入っています。
 これを購入したのが昨年12月でしたが、今年に入りその後もう少し調べて見ました。
 
  そして、①心拍数のほか、②血圧、③血中酸素濃度、④呼気数まで計れる製品が
ある事が解りました。
 何れも、ウォッチの裏に設置された緑色LED(毎秒数百回点滅)の光の
 血液による吸収散乱をフォトダイオードで測定することにより推定するものです。
 ①は確かに測定できそうですが、他は精度に可成りのが問題がありそうに
 思えます。③はバルスオキシメータというのがあり(アマゾンでも
 5~6000円程度で入手可能)、赤~赤外光を使っているらしく緑色光で
 はどうか、②血圧、更に④呼気数に至っては更に疑問が残ります。
 しかし、このあたりを強引に製品化するのが中国らしいと思います。
 アップルウォッチなど大手の製品には、②、③、④などは付いていません。
 今、中国は輸出の目玉商品の一つにスマートウォッチを置いているらしく、
 米中交渉の中でも取り揚げられているらしいのが、関連するテレビニュース
 の中にスマートウォッチが映っている事から想像できます。
 関心を持っていないと見落とすと思いますが。
 しかし、正確な値が得られなくとも相対値が簡単に得られる可能性はあると
 思い購入して遊んでみる事にしました。
 
 アマゾンで”スマートウォッチ 血中酸素濃度”で検索すると
 多数出て来ますが、実際に計れるものはありません。

  そして楽天で見つけ、@8000円台と少し高めですが、購入しました。
 その画像をご覧にいます。
 水にも強い事を宣伝している画像です。
 
 
  まだ充分に使いこなせてはいませんが、血圧の連続測定のグラフをご覧に入れます。
 途中で午前中でほぼ直線になっているところは、ウオッチを腕に付けていなかった時間
です。
 私は一昨年家内を亡くしてから、就寝中の状況をウォッチしてくれるものは何もありません
でした。
 このスマートウォッチが、信頼性にはまだ疑問がありますが、その代わりをしてくれる
のではないかと期待しているところです。
 現在10日ほど測定を続ていますが、①、②、③、④何れも異常は見つかっておりません。
 就寝時突然重大事態発生には対処できませんが、その予兆が見つかるかも知れないと
思っている次第です。例えば就眠時呼吸症候群は血中酸素濃度の異常な低下で検出可能な筈です。
 
  現在、血圧と血中酸素濃度測定のよりユニークな利用法を検討中です。
 何か面白い結果が得られたらまたお知らせしましょう。

2020年ウェブ年賀状

2020-01-06 21:45:03 | 真面目な話
新年明けましておめでとうございます。
   
 2014年以来、年の初めに旧年の年次報告的なやや長文の賀状を
 ウェブ年賀状として纏め、私(敏翁)のホームページに掲載してきましたが、
 昨年は一昨年家内が亡くなり忌中の為中断しました。
 本年改めて再開し、近況報告を纏めてみました。
歳のせいか中々気力が湧かず、やっと松の内に纏める事が出来た次第です。
 
 ご笑覧頂ければ幸いです。
敏翁のホームページ
 ここをクリックすればホームページに入り、
 そのトップに2020年ウェブ年賀状があります。

 初めての方に中に出て来る「東芝材遊会」について簡単に補足説明します。
 これは、東芝本体及びその関係会社で材料に関する技術を担当してきた
 OBの会で、現在在籍数は約50名程です。
 25年半前に私を含めた同期(昭和28年)入社で材料の技術を担当していた
 仲間3人が発起人となって設立した会です。




大乗仏教と臨死体験

2019-05-04 15:18:26 | 真面目な話
   掲題のタイトルでホームページに掲載しました。

  これは二部構成になっていて、最初は
  大乗仏教の本質を論じた下記書籍の紹介です。

   大竹晋著 『大乗非仏説をこえて』…大乗仏教は何のためにあるのか
          図書刊行会 平成30年8月20日発行 

   ホームページでは稍々詳細に紹介していますが、
   本書の要点を私なりに強引に纏めて見ると次の様にも言えると思います。
  『大乗仏教のアイデンティティは、他者を救うたなら仏陀が定めた戒律、例えば
   殺生でさえも破るべきだとという利他ゆえの「仏教」否定である』
   この考えはさらにもう一つ拡大すると、大義の為の捨身布施、さらに私論『仏説大東亜戦争』
   に繋がるものと考えられる。

   次は、この書籍で私の関心を大きく惹いた大乗仏教と臨死体験との関連に関する
  論究にです。
   著者は、その関連が大乗仏教出現の最大要因としている訳ではありませんが、
  私は、より深く検討してみたくなったのです。
   そして可成りの関連書籍を図書館から借りて読み漁りましたが、ここでは主として
     立花隆著『臨死体験』上下巻 文芸春秋社発行
     (初出は「文芸春秋」1991年8月号~1994年4月号)
   と、
      エリコ・ロウ著『死んだ後には続きがあるのか
          --臨死体験と意識の科学の最前線--』 扶桑社 2016
   辺りの中から、私が重要と思う点を紹介する事にしています。
    どうも現在の医学、科学では説明出来ないが、身体と離れた魂の存在は確かな様に
   思えます。

    関心をお持ちの方は、私のホームページにお寄り下さい。
   下記をクリックすれば訪れる事が出来ます。
     ホームページ

浄土三部経

2019-01-04 21:36:04 | 真面目な話
  昨年3月以来の書き込みです。
 暫くご無沙汰したのは、家内が昨年4月26日に亡くなり、
 葬儀などに紛れて集中して纏める気力を失っていたのかも
 知れません。

 私はここ数年来、拙論「仏説大東亜戦争」の原点を探るべく仏典を探って
 きました。
 その跡は、私のホームページにからも分かります。
 ホームページ
 ホームページを訪れるには上記下線をクリック願います。
         タイトル         ホームページ掲載日
  『仏説大東亜戦争』          平成27年09月01日
  『ジャータカ、倉田百三と宮沢賢治』 平成28年12月23日
  『宮沢賢治とグスコーブドリ』    平成29年02月23日
 『宮沢賢治と法華経』        平成29年05月09日
  『宮沢賢治の研究』         平成30年03月17日

 以上よりお分かりの様に、その中心は宮沢賢治が深く帰依した法華経でした。
 しかし家内が亡くなり、本タイトルの「浄土三部経」を読んでみる事にしたのでした。
 と言うのは、我が家の菩提寺はJR南武線の鹿嶋田駅ちかくにある「称名寺」で、
 ここは浄土真宗大谷派の寺なのです。
 ご承知かも知れませんが、浄土真宗の根本経典は、「浄土三部経」、即ち
 『仏説無量寿経』、『仏説観無量寿経』、『仏説阿弥陀経』の三経典です。

 以下、家内への供養にもと思い読み始めた「浄土三部経」とそこからの
 私らしい(?)展開の一端を紹介させて頂きたいと思います。
 上記ホームページの始めに『浄土三部経』と題して掲載しました。
 これも昨年3月以来でした。

宮澤賢治の研究

2018-03-20 21:13:57 | 真面目な話
 私のホームページに掲題のpdfを掲載しました。
 前にも紹介した事のある「東芝材遊会」の2月の例会で
 行った小講演に用いたPowerPointのデータに加筆、及び
 本ブログ向けに多少修正したものをpdfにしたものです。
 内容は、3部に分かれています。

 Ⅰ.研究 資料探索と発表
   1993年に退任してからの人文系の研究(と言うと少し大げさですが)
   の流れを紹介し、今回のものを第3世代として
   一度に最大16冊の書籍を図書館から自宅に集め、データ処理する方式と、
   テレビ放映番組のコピーガードを除去してからデータ処理する方式
   により加工したデータを
   ホームページとonedrive公開に発表するシステムを開発したので
   その内容をやや詳細に述べています。
   尚,私は元々理工系の人間で、この方面でも簡易代謝測定装置の開発や、
   珈琲焙煎の研究なども手掛けていて、本ブログにも掲載していますが
   それらは全く別の話として、ここでは全く触れていません。
   
 Ⅱ.宮沢賢治と法華経
   詳細は、ホームページに同じタイトルで掲載していますが、
   本論で新しく発表した部分は、
   賢治は、田中智学の「日蓮主義」に熱中して居たのですが、
   その日蓮主義の中核とも言うべき
   日蓮思想の拡大による日本の統合と、世界の統一(八紘一宇)の考えについて
   やや詳細に述べたところです。

 Ⅲ.宮澤賢治の恋
   この詳細も、ホームページに同じタイトルで掲載していますが、 
   本論で強調した部分は、
   賢治生前発表の唯一の詩集『春と修羅』が亡くなった妹トシと、併せて別れざるを
   得なかった恋人大畠ヤス子への惜別のモニュメントであるとも言える事と、
   そしてヤス子への愛と思い出が、賢治が終生書き続けていた未発表の『夜の銀河鉄道』
   に繋がっているらしい事への言及です。

   以上の中身は私の表現力不足もあり、やや難解なところもあろうかと思いますが、
   お立ち寄り願えれば幸甚です。
   尚、私のホームページのトップには下記下線部をクリックすれば到達できます。
ホームページ

『コーヒーの科学』と焙煎法への応用

2018-01-06 19:39:24 | お酒とコーヒー
  珈琲について、科学的立場で書かれた良い書籍を見付けました。
 横浜市立図書館には可成りの冊数が収められています。

  ① 旦部幸博著 『コーヒーの科学』ー「おいしさ」はどこから生まれるのか
          講談社 ブルーバツクス B-1956 2016年2月 第一刷発行
 がそれです。
 旦部氏は、京大出身の医学博士で専門は、がんに関する遺伝子学、微生物学。
 人気コーヒーサイト『百珈苑』を主宰しています。
 
 氏の専門から、コーヒーの木の遺伝的特性に対する解説により、珈琲が世界に
 伝播していく経緯を明らかにするところなどは目を洗われる心地がしました。

 珈琲に興味を持った技術者の皆さんに一読をお勧めします。
 併せて『百珈苑』を覗いてみるのもお勧めです。

 ここでは、
  現在私の関心の中心である焙煎の物理化学に関する①の記述に合わせて、それらの
  知識の焙煎技術への応用に関する田口護氏の考え方に関する書籍②(後述)の紹介と、
  最後に私が最近取り組んでいるKaldi社の焙煎機をベースとして開発中の
 『空気吹き込み焙煎法』への適用について簡単に触れたいと思います。

 以下、文体を技術的表現に合わせて若干変えます。
 
 1.焙煎の科学

   上記書籍から私が焙煎を行う上で参考になりそうな部分を抽出してみた。
    焙煎の科学
  このpdfは黒白モードで書籍をコピーしたもので、特に図6-8が見難いので
  この図のみグレースケールでコピーしたものを以下に掲げる。


  この図の中のCQLとかVCOなどは書籍①の前の部分で説明されているもので、
  その名前と構造式だけを以下に示す。



 2.実際の焙煎に対する応用

   以下は、1.の知識を、焙煎中加熱雰囲気の制御が可能な焙煎機に対して如何に
   応用するかに関する議論である。
   ①は、この点に関しては多くを語っていない。

  ただ、旦部氏は、バッハの社長である田口護氏と親交があるらしく、田口氏の
   焙煎の考え方にも大きな影響を与えているようで、それらは下記書籍に数多く記されている。
   ② 田口護のスペシャルティコーヒー大全 NHK出版 2011年発行

   この中から、関係のありそうなところを抽出して見る。
   ②の第2章 技術編 スペシャルティコーヒーの焙煎からの抽出です。
   実際の焙煎作業に関心のない方は、斜め読みか飛ばして頂いて結構です。
   ---------------------------------------------
◎ ここで再度、滋賀医科大学の旦部幸博氏に登場願おう。
  コーヒーの苦みについて旦部氏に相談したところ、
  「最近の研究によると、 コーヒーの苦味に最も影響を与えているのはクロロゲン酸類ではないか、
  といわれています。 コーヒー生豆は焙煎時の加熱によってさまざまな化学反応(焙焦反応)を起こし
  ますが、なかでもクロロゲン酸類は数多くの苦味物質をつくり出していることが、ごく最近になって
  明らかになってきたのです」との答え。
  くり返しになるが、その苦味物質は大きく2つのグループに分類され、コーヒーの苦味の
  中核をなすものだろう、と旦部氏はいう。
  a.クロロゲン酸類そのものから生じるクロロゲン酸ラクトン類
  b.カフェー酸から生じるビニルカテコール重合体
  旦部氏の説明によると、クロロゲン酸類というのは、もともとカフェー酸とキナ酸が脱水縮合してで
  きたものだという。

◎ さて、苦味の主役を演じているのはa.のクロロゲン酸ラクトン類とb.のビニルカテコール重合体と
  いうことはわかった。 問題はこの両者の苦味にどんな違いがあるかだ。 苦味にも「よい苦味」と
  「よくない苦味」があって、a.がコーヒーらしい「よい苦味」で、b.は、ともすればまっ黒に炭化した
  お焦げごはんを思わせる「よくない苦味」になりがちなのだそうだ。
  クロロゲン酸類からコーヒーらしい「よい苦味」を出させるにはどうしたらいいのか。
  そもそもクロロゲン酸というのは熱に対して不安定な物質で、焙煎によって加熱されると生豆の中に
  含まれる水分によって分解されてしまう。
  生豆の水分が少ない状態で加熟されると「脱水反応(水分子1つ分が失われる)」が進み、「よい苦味」
  のクロロゲン酸ラクトン類が生じる。 また一方で、クロロゲン酸類は加熱によって「キナ酸」と
  「カフェー酸」に分解される。 このカフェー酸がさらに化学反応を起こしてつくられたものが②の
  「よくない苦味」、すなわちビニルカテコール重合体だ。 この苦味物質はクロロゲン酸ラクトン類と
  同様、カフェインの10~20倍の苫さをもっといわれ、深く煎ったエスプレッソの苦味と似通った味だという。

◎ それともう一つ重要なポイントがある。 焙煎の初期の段階では、いわゆる"蒸らし"の状態がある。
  蒸らしというのは、釜に生豆を投入して4~5分後におこなうダンパー操作のことで、ダンパーを閉め
  ぎみにし、弱火で豆の水分を抜いていく作業をいう。 基本的には1ハゼまでこの状態を維持するわけだが、
  蒸らしによって生豆の乾燥度のバラッキを均すことができる。
  で、問題は 蒸れた状態 のことだ。 焙煎によってクロロゲン酸類から数多くの苦味物質が生成されるわけ
  だが、その際、「水分の多募」 で反応が違ってくる。
  早い話、生豆の水分が少ないと、「脱水反応」が起きてクロロゲン酸ラクトン類が生まれ、生豆の水分が
  十分ある状態で加熱が進むと「加水分解」が起きてキナ酸とカフェー酸が生じ、さらに加熱するとカフー酸
  からビニルカテコール重合体に転じいく。

◎ ともすると焙煎は「時間」と「温度」だけに目がいつてしまう。 しかしそれだけでは不十分で、水分量
  やその抜け具合も併せてトレースしていく必要がある。
  旦部氏曰く。 生豆は硬い「ガラス状態」から、途中でゆるみやわらかくなる。 これが「ゴム状態」で、
  さらに煎り進めると再び硬化して「ガラス状態」になる。 ちょうど「かき餅」をイメージしてもらうと
  わかりやすい、と旦部氏はいう。 なるほど、かき餅は最初は硬く、熱を加えるとやわらかくなり、そのまま
  放っておくと、また硬くなる。(①の図6-6参照)
  この豆の組織がゆるんだゴム状態が、「焙煎ダイアグラム」のなかの 加水分解エリア」 に相当するところ
  で、ここに長くとどまっていると、加水分解されるクロロゲン酸の割合が增えていつてしまう。
  すなわちキナ酸、カフェー酸の方向へ流れていくリスクが高まってしまう。
  加水分解エリア内でもたもたしていると、、渋味や酸味のきつ い収斂性の高い味に傾いていってしまう。
  だから、このエリアはなるたけ駆け足で通り過ぎたほうがいいのだ。 旦部氏も、
  「温度が高い状態で含水率が高いと、加水分解が進み、含水率が低いと脱水反応が進む。 望ましいのは
  脱水反応のほうで、こっちの方向へ進んでくれればクロロゲン酸ラクトン類が生成されて、コーヒーが
  おいしくなる」
  と、早めに水分を抜くことの重要性を力説する。

◎ 焙煎中、いちばん水分が抜けるところは、中点(**)を過ぎて3~4分
  ほど経ったときだろうか。 豆がガラス状態からゴム状態に移行する変わりばなで、豆によってはダンパー
  を1~1分半全開にして一気に水分を飛ばす。 ダンパーを開けると空気が入りこんでくるため釜の温度は
  上がらない。 で、少し時間をかせぐ。 その間に、豆の芯まで熱を行きわたらせ、豆の内側と外側の足並み
  描えるのである。
    (中略)
 
 できれば1ハゼまではスピーディに通り過ぎたい。 が、早めに通り過ぎようとすると、十分脱水されない
  まま温度だけが上がってしまう。 すると、せっかく"ラクトン化" したものが、逆にキナ酸やカフェー酸に
  変わってしまうおそれも出てくる……。

   ----------------------------------------
 以上は、業務用(容量5KG程度)焙煎機を前提とした話で、私はその意をくみ取ってKaldi焙煎機の
 作業にこれらの考えを組み込んだ積りです。
 即ち、ダンパーを締める作業は、排気口の一部を締める事で、またダンパーを開ける作業は、
 空気を吹き込む事で対応しているのです。
 終わりに焙煎機(Kaldi社製)に空気吹き込みに使ったエアポンプ(日本電興製 NP-40L) を組み合わせた
 画像をご覧に入れます。
 
*:予め「差圧」と「吹き込み風量」の関係を求めて置き(詳細は本ブログに昨年10月16日掲載の
 「新しい珈琲焙煎機(2) エアポンプの特性」にあります)、3方コックで吹き込み風量を制御します。
 (実際は同じ空気抵抗を持つ吹き出しを複数本並列に繋ぎそれらから大気中に放出させるなど
 もう少し複雑ですが)

 
 **:予熱した焙煎機に冷たい生豆を投入すると、一旦豆の温度が下がり、また上昇に転ずるわけだが
  この一番下がった点をバッハでは「中点」と呼んでいる。


 3.終わりに

   以上少し話が細かくなり過ぎた感があり、解り難かった点もあろうかと思いますが、
  、以上に記した様な事を考えながら、その中に複雑極まりない現象を包含している珈琲豆の
   焙煎と私なりのユニークな取り組み方で遊んでいる今日この頃です。



新しい珈琲焙煎機(3) 給排気特性の測定

2017-10-24 14:30:08 | お酒とコーヒー
  本blogで紹介してきたKaldi社製の新しい珈琲焙煎機(以下Kaldi機と呼ぶ)を入手した当初から
 このKaldi機の中の気体の流れを定量的に把握したいと思っていたが、中々良いアイデアが
 浮かばない状態が続いていた。
 しかし、排気中の炭酸ガスの濃度を測定すれば、その特性の可成りの部分が推定できるのでは
 ないかと言うアイデアを思いつき試行を重ねてどうやら実現に至った。
 本報はそのお話です。


 1.Kaldi機の給排気
   概観図を示す。(第一報でも示したもの)

  給気孔が5つ見えるが、裏側にも5つあり、各孔の寸法は約8.5 x 25mmなので
  総給気孔面積は、約21cm2となる。
  
  排気孔は、温度計を挿入している孔(37.5mmφ)と、図には見えていないが、
  裏面上部に約3.7 x 19.5mmの孔が12コ開いていて、
  総排気孔面積は約20cm2となる。
  寸法の工作・測定精度などを考えると、各々約20cm2の給排気孔が設置されているとして
  良いと思う。

  2.市がス13Aの燃焼化学
    上記Kaldi機をガステーブルに載せて焙煎を行うのだが、使用している市がスは
    13Aで、その組成は、下記の通りである。(東京ガスに問い合わせたもの)
    メタン 89.6%  エタン 5.62% プロパン 3.43% ブタン 1.35%
    それら各々の完全燃焼の化学反応式は下記で示される。

       CH4  + 2O2  = CO2 + 2H2O
       C2H6 + 3.5O2 = 2CO2 + 3H2O
       C3H8 + 5O2  = 3CO2 + 4H2O
       C4H10 + 6.5O2 = 4CO2 + 5H2O

    上記化学式より、13A 1.0 L/min の燃焼により
        CO2 の発生は 1.165 L/min 
       H2O の発生は 2.166 L/min
        O2 の消費は 2.249 L/min
    であることが分かる。それぞれの計算は煩雑なので、CO2 の場合のみ下記に掲げる。
      0.896x1 + 0.0562x2 + 0.0343x3 + 0.0135x4 = 1.165

    Kaldi機による焙煎で使われる市がス13Aの量は、1.19 L/min である。これをF13a とする。
    (屋外に設置されているメーターで測定した値)

    給気量をFin、排気量をFout、CO2 の発生量をFco2、H2O の発生量をFH2O、
    O2の消費量をFO2、 何れも単位は L/minとすると一般に次式が成立する。
      Fout = Fin + FCO2 + FH2O - FO2

    これを焙煎条件に当てはめると
      Fout = Fin + 1.087F13a
    となる。


 3.排気中炭酸ガス濃度の測定
   測定は次のステップで行った。
   ⅰ. Kaldi機に豆を入れずに、ガス点火、火力を焙煎時に合わせる。
   ⅱ.釜内温度が200℃になったら
     3.7mm幅の排気孔に3mmφのアルミ管(新たに購入したもの)を挿入して排気を
     フラスコ(300CC)に1分半吸入する。
     その構成を以下に示す。

     Kaldi機--->アルミ管-->フラスコ-->エアポンプ*-->大気

   ⅲ.炭酸ガス吸収剤(**)を詰めた吸収管を作成し、
   上記フラスコ内の炭酸ガスを吸収して、圧力変化より炭酸ガス濃度を求める。
   吸収は下図の様にフラスコ内のガスをエアポンプ*で吸収管を循環通過させて行う。
   ポンプの運転時間は1分程度で充分な事が確認されている。
   測定系の画像を下に示す。


 4.測定結果
   予備的検討の後、2回測定を行ったが再現性のある結果を得る事が出来た。
 
   結果
     炭酸ガス吸収による圧力減少 0.038atm
     FCO2/Fout = 1.19x1.165/Fout = 0.038
     これより
      Fout = 36.5 L/min
      Fin = 36.5 - 1.087x1.19 = 35.2 L/min
     即ち、私が本Kaldi機で焙煎に最適としている状態の給気量は、空気吹き込みの無い状態で
     35.2 L/minであるらしい事が分かった。

     1.19L/min の13Aを完全燃焼させるには、1.19x2.249 = 2.68 L/minの酸素、従って
     大気中の酸素濃度は、20.95%であるから、2.68/0.2095 = 12.8 L/min の空気が
     必要である。
     その3倍程度の給気が供給されているらしい事も分かった事になる。


 5.今後の検討
    今回開発した手法が可成り使えそうなことが分かった。
    今後は、
      ① 「空気吹き込み焙煎法」における気体の流れの解析
         取りあえずは豆なしで測定か?
      ② 焙煎中の炭酸ガスの発生
         これを通して焙煎中の化学反応にどの程度まで
         迫れるか?
    などの検討を行ってみたいと思っている。

     尚、以上の計算は、気体を取り扱う環境の温度補正は無視している。
    今後の検討がより精密さを必要とする場合には、この点の検討も
    必要になって来る可能性がある。


  
   *:テクノ高槻のHIBLOW AIR PUMP SPP-3EBS

   **:バラライム使用。これは消石灰Ca-(OH),水酸化バリウムBa(OH)の混合物に,
      微量のKOHを加えたもの。
      麻酔回路内の炭酸ガス吸入剤として用いられている。
      昔、代謝測定装置の開発時に入手したもの。






新しい珈琲焙煎機(2) エアポンプの特性

2017-10-16 13:11:38 | お酒とコーヒー
  前回お話しした私の開発した「空気吹き込み焙煎法」において
 吹き込まれる空気の風量をもう少し正確に知りたいと思った。
 それで、風量とそれを支配する空気抵抗の関係を測定してみた。
 本メールは、そのお話です。

  下図(図1)に示す様な系において、風量と空気抵抗の関係は(1)式
 の様に記述できる筈である。


  圧力計の示す大気との差圧 ΔP KPa
  風量           F  L/min
とすると
ΔP = a - b・F   (1)

 使用したエアポンプNIP-40L (日本電興製)について測定した結果を下図(図2)に示す。
 尚圧力計は、デジタルマノメーター(FUSO)()

     エアポンプNIP-40L の吹き出し風量の差圧依存性

 測定のやや詳細
    図中➀~③の測定条件についてやや詳細に説明する。
  ① 空気抵抗はドライ・テスト・ガスメーター DC-2((株)シナガワ製)。
    ガスメータで直接風量が測定出来る。
  ② ガスメータの前に内径4mm、長さ25cmのアルミ管を繋いだ値。
  ③ この値の測定は、やや複雑である。
    空気抵抗として手持ちの テドラ―・ガス採取バッグ 30L 2口付き()
    を用いた。
    これへエアポンプから直接1分間吹き込み、吹き込まれた風量を
    ガスメータを経由して、これも手持ちの吸引も出来る小型のエアポンプ
    (テクノ高槻のHIBLOW AIR PUMP SPP-3EBS)()で吸引することによって
    測定したもの。    

    この図より、この差圧範囲では(1)式が成立しているらしいことが分かる。
    このポンプは公称能力が40L/min だから、この一次式のΔP=0 への
    外挿は40L/min になるべきだと思うが、、完全には一致していない。
    これは実験の精度によるものかも知れない。

    因みに、このあたりの関係を日本電興に電話で聞いてみたが、
    ΔP=0に対応する値は、40~50L/minになる筈だという事であった。

 焙煎釜への吹き込み風量の推定
  次に焙煎釜に吹き込まれた風量の推定を行ってみた。
    吹き込み1/3, 1/2, 全量の場合のΔPをそれぞれ求めたのが
    図2の横軸に示した (a)、(b)、(c)である。
    これより、実際に吹き込まれた風量は
    (a) で 27/3 =   9L/min
    (b) で 25/2 =   12.5L/min
    (c) で      20L/min
    となる。

  またより大きな風量の吹き込みを行うには、
  現在は、かって代謝測定装置の開発をやっていた時のバイブ類、
  内径4mm程度のもの、を利用してシステムを構築しているのだが、
  それらを内径10mm程度のもので組みあげれば、30L/min程度には
  なりそうと推定出来る。


 ():何れも代謝測定装置の開発時に集めたもの


新しい珈琲焙煎機と新焙煎法

2017-10-10 10:23:35 | お酒とコーヒー
  久しぶりの珈琲談義です。
   新しい焙煎機を入手し、またまた私らしいオリジナルな検討を始めたところです

 Ⅰ.旧焙煎機


  今までここ6年来愛用していた焙煎機は、auvercraft社の「遠赤外珈琲焙煎キット」
というものです。
 簡単に言うと「手回し式金網焙煎機」と言えるもので、本機による焙煎回数は300回を
 超え、焙煎した生豆の総量は50kgにも及んでいます。
 この焙煎機については本blogでも前に何回か紹介していますが、その画像を左に再掲
 します。(図1)
 より詳細は、auvercraftをご覧ください。

  歳のせいで手回しが苦痛になってきたこともあり、今回もう少し本格派に近い
 焙煎機にチャレンジしたい思いが強くなってきたのです。
 ここで多分皆さんは焙煎機には詳しくないでしょうから、簡単に説明することに
 したいと思います。



 Ⅱ.本格的焙煎機

 本格的な焙煎機は、大別すると「直火式」と「半熱風式」があります。
 その簡単な図解を下に示します(図2)。(堀口俊英著「珈琲の教科書 新星出版社 2010年発行)

 本格的なものは、極く小規模な店舗用の1kg程度の生豆を焙煎するものでも100万円以上、家庭用で
 200g程度を処理するものでも57万円(富士ロイヤルのDiscovery機)します。
 ここで良い焙煎機とは、上記書によると次の2点です。
  ① 容量の70%程度の生豆を20分以内にフレンチローストまで焙煎出来る火力がある事。
  ② その際に排出される煙をコントロールして排気できる能力がある事。


 Ⅲ.Kaldi焙煎機

  しかし、上記の本格的なものは今の私には高価すぎるので、出来るだけ安価なものを見付け、それに
 改良を加えて本格的なものに近づける試みをする事としました。
 選んだのは、Kaldi社(韓国)のコーヒーロースター(電動) [並行輸入品] 48720円です。
 200gの生豆を処理できるもので、その画像をご覧に入れます。(図3)

  左図は、ホッパーをつけたところで、ここから生豆を投入します。
  右図は、焙煎中で温度計で釜の内温を測定しているところです。実際は熱源であるガステーブルの上に
 セットされます。
  本機は、直火式に属するもので、使用している釜(ドラム)と給排気の概念図もご覧にいれます。(図4)


  左上に2種類の釜の画像がありますが、購入機に付いているのは両端のみ穴が開いている右側のものです。
  給排気(右図)は、ハウジング内部の円滑な給排気のための通風口が、上下に配置され、新鮮な空気と、
  温まった空気の効率的循環と保温ができるよう設計されているとしていますが、上記②の条件を十分
  満足しているかは疑問がありました。
  本機についてのより詳細な説明は下記をクリックすればご覧頂けす。
  Kaldi 詳細

      本機に付いてきたマニュアル(A5 6頁)はハングルでさっぱり分からず、A5 2頁の簡単な日本語の説明と
  上記「Kaldi 詳細」の中にも操作の簡単な説明がありますが、それらを頼りに何回か試行錯誤の後、
  どうやら焙煎が出来るようになりました。

 Ⅳ.「空気吹き込み焙煎法」の開発

  そこで、次に上記②の条件対策を試みる事にました。
  田口護のスペシャルティコーヒー大全 NHK出版 2011年発行
  には、本格的焙煎機の操作の詳細が記されていますが、その中で特に大切にしているのは、
  排気量の制御であるようです。
  特に2ハゼのあたりから猛烈に発生する煙の排出が不十分だと煙かぶりやガスこもりにより著しく
  風味を害する事を説いています。
  
  そこで排気の制御の為の実験を試みましたが、最終的に次の方法が良さそうという事になりました。
  その為に付け加えた部分の画像をご覧に入れます。(図5)


  図5で電子温度計に括り付けられているのはアルミ管(内径4mm 長さ20cm)です。
  別に風量40L/分のエアポンプ(日本電興製NIP-40L 8800円)を求めて、これから上記アルミ管を通して
  風を釜の中に吹き込ませ発生する煙などを強制的に排出させると言うアイデアです。
  実際は、40/分を3分割し、一つは上図のアルミ管、他の二つにも空気抵抗を揃えるため同じ長さのアルミ管
  に繋ぎます。
  そして、状況に応じて、40L/minの1/3、1/2、全量を吹き込ませるようにしました。
  そして今回開発した焙煎法を「空気吹き込み焙煎法」と名付ける事にしました。

  尚、実際に吹き込まれた風量を測定/推定するのは簡単ではありません。
  私の持っているガスメーターにNIP-40Lを繋いで測定すると、その内部抵抗の為約20L/min の値しか得られません。

  実際に行われた焙煎の一例についてやや詳細に説明します。
   1.図3.の焙煎機をガステーブルの上にセットします。
     但し温度計には上述の様にアルミ管が括りつけられています。
   2.図3.右の状態で点火し釜は回転させます。
     火力は、上述の試行錯誤の中でほぼ最適の条件が選ばれています。
   3.約7分で釜内温度が200℃に達したら火を止め、図3.左の様にポッパーをセットし、
     用意した生豆200gを投入します。
     豆は、ブラジル/イェロー・ブルボン16up で2kg 2730円(私が利用しているワイルド社の最安値)
     で購入、本機立ち上げの為に使用しました。本例がその10回目(最後)の焙煎です。
   4.そして直ちに図3.右の状態に戻し再点火し、ここから改めて時間を計測します。
     それをtrとし、また釜内温度をTとしましょう。
   5.tr=1min T=140℃   tr=6min T=180℃ ここで煙が出始めます。
   6.tr=9min T=200℃ ここで風量1/3でエアーを吹き込む。
   7.tr=10.5min T=215℃ で「一ハゼ」開始 ここで吹き込み風量を1/2にする。
   8.tr=14min T=240℃ で「二ハゼ」開始  ここで吹き込み風量を全開(40L/min)にする。
     煙の吹き出しが激しい。
   9.tr=15.5min で火止め、豆の排出。排出は取っ手とモーターを持って本体を傾けて
     冷たい金属製ボールに取り出す。

   焙煎結果はフレンチ・ローストとして良いと思いますが、豆は、見たところ油脂の出が、
   従来の手回し機と比べて可成り少なく、空気吹き込みによって本機が「半熱風式」的
   になっているらしい事を示していると思われます。
   又興味深いのは、焙煎による豆の重量減が24.9%で、従来の手回し式によるフレンチ・ロースト
   の値22~23%と大きく異なっていることです。
   これは、焙煎過程の化学反応が両者で可成り変化している事を示していると思われます。
   見渡したところでは、「直火式」と「半熱風式」で焙煎による重量減の値が異なるとの
   記載は見つかっていません。
   これは新しい現象かも知れません。

   肝心の抽出液の風味ですが、私は従来の手回し式によるものに比べて香りが強いように
   感じています。
   これは、図2.に記載された利点・欠点の表現と異なるもので、これは今回私の開発した
   「空気吹き込み焙煎法」の特徴になればと秘かに思っているところです。

   これで本「空気吹き込み焙煎法」の骨格は出来上がったとして、現在もう少し高価(1kg当たり2000円台)
   な豆を使って焙煎し、従来法との比較を行っているところです。
   
   分かった事1.焙煎による重量減
     焙煎条件             従来法(auvercraft機)     「空気吹き込み焙煎法」 
     1ハゼ+2分(ハイ・ロースト)    14.0%(豆:ケニア/AA)   14.7%(豆:パナマ/SHBママエステート) 
     2ハゼ直後(シティ・ロースト)    16.9%(ドミニカ)       17.6%(エチオピア/イルガチェフ)
     2ハゼピーク(フレンチ・ロースト)  22.3%(ブラジル/ブルボン)  24.0%(インドネシア/マンデリンG-1)

     これより、焙煎法による重量減の差は、フレンチ・ローストの辺りで際立ってくるらしい事が解りました。
  
   分かった事2.その他
      上記焙煎のエチオピア/イルガチェフ(所謂「モカ」)で、従来法には無かった独特の強い香りが
      出ている事が分かりました。

   以上、私の新しい焙煎に対する取り組みについてお話ししました。
   この「空気吹き込み焙煎法」を思いついた時は、それほど期待していた訳でもありませんでしたが、
   想定以上の効果が期待出来そうに思えてきました。
   この方式の検討をもう少し進めてゆきたいと思っているところです。





宮沢賢治と法華経

2017-05-09 23:24:20 | 真面目な話
  掲題で私のホームページに掲載しました.
 その概要を紹介します。

 Ⅰ.法華経を読む
   一昨年来の私の「仏説大東亜戦争」論で重要な位置を占める北一輝と宮沢賢治は何れも
   熱心な日蓮宗の信者でした。
   彼らの思想への理解を深める為に、先ず法華経を読んでみる事にしました。
   法華経の概要説明と、
   正木晃 現代日本語訳 『法華経』 春秋社
   にある方便品第二の現代語訳、その解説、如来壽量品第十六の解説
   をご覧になれます。

 Ⅱ.宮沢賢治と法華経と日蓮
  ○賢治が、先ず島地大等編著『漢和対照妙法蓮華経』を読み感動するあたりから
   国柱会館(上野桜木町1丁目)を訪れ、田中智学の講演を聞いて感激し、
   智学の著書『本化攝折論』を読むなどして熱烈な日蓮信者になっていく事、
  ○日蓮主義の本質としての折伏の考え方。
  ○国柱会の高知尾智耀師の影響の元に童話製作に励む事。
  ○昭和8年(37才)9月21日 午後1時30分入寂。
   遺言は、国訳の法華経を千部印刷して知己友人に分ける事。
  ○その『国訳妙法蓮華経』の一部も掲載。

   関心をお持ちの方が私敏翁のホームページを訪れるなら幸甚です。

   敏翁のホームページ

宮沢賢治とグスコーブドリ

2017-02-23 22:38:16 | 真面目な話
 今回も掲題のタイトルで私のホームページに掲載したお知らせです。

 昨年末本blogにも紹介した、私のホームページに掲載(12月23日)の『ジャータカ、倉田百三と宮沢賢治』
 で、賢治がヴェッサンタラ本生から強いインパクトを受け、ついに「グスコーブドリの伝記」
 製作に至ったと記しました。しかしこれは全くの私の直観によるものでした。
 それで
 『校本 宮澤賢治全集』(筑摩書房、1973~77年)全14巻、や
  續橋達夫編『宮沢賢治研究資料集成』全21巻 別巻2冊
 などに目を通し、賢治がヴェッサンタラを経由してグスコーブドリ創出に至った経緯を伝記としてではなく
 (確実なエビデンスは見付ける事が出来なかった)、私の想像も加えて小説的筋書きとして創作したのが本稿です。
 本稿では更に、賢治は、「グスコーブドリ」説話によって「ヴェッサンタラ」や「捨身飼虎」、「施身聞偈」
 などの「仏教説話として伝わってきた総ての本生譚を超える近代人にも受け入れ可能な新しい「捨身布施」像
 の創出に成功した事にも言及しています。

 関心をお持ちの方が私のホームページにお立ち寄り下されば幸甚です。
 敏翁のホームページ