鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

150705 プライベートガイド

2015-07-26 14:28:04 | 鳥・夏

Photo by Chishima, J.
アカゲラ幼鳥 2015年7月 北海道中川郡池田町)


 兵庫からいらしたご夫婦を案内させていただきました。レンタカーで道内を回っていて、前日は糠平の泊まりということなので、早朝は糠平で自分たちで鳥を見てもらい、9時半に池田に来ていただき合流しました(帯広への送迎が無い分、ガイド料をお安くできます)。こうした融通が利くのもプライベートガイドの良さ。
 
 池田町内や十勝川下流域を中心に半日ほどの探鳥でした。最初に訪れた公園では、つい最近園内の草刈りが行われた場所に虫が多数出てきているようで、多くのアカゲラやカラ類にくわえ、ヤマゲラ、アオジ、キビタキなども地上で虫を捕えていました。撮影派のおふたりは、次から次に現れる小鳥たちに夢中でシャッターを切っていました。
 
 郊外の湿地に移動する頃には風がやや強くなり、期待していた草原性の小鳥は少なめでしたが、晴れ渡った青空を吹く風がヨシ原を揺らす様が感動的でした。付近ではタンチョウの親子がコムギ畑に出ており、初めて出会うタンチョウにいたく感激されていました。上空高く舞い上がるオジロワシの若鳥を、2羽のチゴハヤブサがモビングしていました。
 
 次の目的地はアカエリカイツブリの繁殖地。通常、この場所では繁殖中のカイツブリに配慮して、車内からのみ観察・撮影を行います。しかし、本日のお客さんは三脚を持参していたため、カイツブリと反対のドアから出て音を立てないでドアを閉める、撮影は車の陰からのみ行う、撮影は短時間で済ませガイドの指示に従うなどいくつかの約束をしていただいた上で車外からの観察・撮影を試してみました。結果、アカエリカイツブリは特に警戒することもなく、通常通り休息や羽づくろい、給餌等行っていました。ただし、この方法は車1台分の人数しか通用しないでしょう。

 最後の原生花園はジリ(霧と雨の中間のようなもの)で身震いする程の寒さでした。それでもノビタキやシマセンニュウが活発に活動しており、晴天時には朗らかなノゴマの囀りが、霧の中の潮騒と重なって妙に物哀しく聞こえていました。

 写真はアカゲラ幼鳥。頭頂部全体が赤く、胸から腹の白は煤け、下腹・下尾筒の赤はやや鈍い。

確認種:マガモ アカエリカイツブリ ドバト キジバト アオバト アオサギ タンチョウ カッコウ ハリオアマツバメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ コゲラ アカゲラ ヤマゲラ チゴハヤブサ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ショウドウツバメ ヒヨドリ ウグイス センダイムシクイ シマセンニュウ エゾセンニュウ コヨシキリ ゴジュウカラ キバシリ ムクドリ コムクドリ ノゴマ ノビタキ キビタキ スズメ ハクセキレイ カワラヒワ ベニマシコ シメ イカル アオジ オオジュリン (44種)


(2015年7月6日   千嶋 淳)

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