奉納歌舞伎「由良港千軒長者 安寿姫厨子王丸 由良港浜辺の場」
安寿姫は汐汲み、
厨子王は芝刈りの仕事をさせられ辛い日々を送っている。
説経節、浄瑠璃や童話などで古より語り継がれ、森鴎外の「山椒大夫」は馴染みが深い。
本来は悲劇性を伴う物語ではあるが、
主人公を取り巻く村人たちの陽気でコミカルな所作は暗さを感じさせない。
山椒太夫の娘おさん、お供の腰元たち。
この汐汲み桶は結構重いな~
みんなで手伝ってあげましょう~
由良港の浜辺で繰り広げられる人情味あふれる演題となっている。
各務西組区小学生にて相務め申し候~
歴史の重みが漂う芝居小屋に粋な語りと三味線の旋律。
子供たちにとっては夏休みから稽古に励んできた芸の発表の場であり、
歌舞伎伝統の様式美が至る所に散りばめられている。
子供歌舞伎の世界ではトチリも芸の内と思っているのだが、
子供たちの修練を積んだ芸は見応えがあり、拍手が鳴りやまなかった。
おひねりの嵐に代わり 最後はお菓子の山で幕引きです。
2019年10月 岐阜県各務原市