気ままに風の跡 by樋口友治郎

日々は風のごとく吹き抜けてしまうから、風の跡を刻んでいきたい。気ままに綴る詩ブログ。 

出逢えた人々の顔を思い返すとき

2009-10-28 12:05:43 | 詩歌
どこでどうして
流し流され 彷徨い
こんな岸辺に佇んで
 
よくもまあ
生きてこれたもんだ

こんな拙(つたな)い人生だけど
出逢えた人々の顔を思い返すとき

それだけで救われる 
それだけで救われる


どこでどうしてる?
流れ過ぎた 時の中
あの思い出たちとともに

よくもまあ
支えてくたもんだ

こんな小さな人生だけど
出逢えた人々の顔を思い返すとき

それだけで救われる
それだけで救われる
 

仮に別の生き方があったとしても
それはそれで
その岸辺で佇んでいるのだろう

こんな呆れた人生だけど
出逢えた人々の顔を思い返すとき

それだけでありがたい
それだけでありがたい





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不完全な世界

2009-10-23 14:04:37 | 詩歌
探し求めてる答えは
この世界にあるのかい

手を取り合う人もいれば
対立をしてしまう人もいる

考える人もいれば 考えなしの人もいる

生まれた場所や境遇
教えだとか思想とか
神すらそれぞれ違うのだから
完全な世界は夢かもしれないけど

人は皆 
それ以上でも、それ以下でもない
こんな不完全な世界だからこそ
この世界に平穏を望まずにいられない


答えを見つけたとして
この世界で手にできるかい
 
語り合える人もいれば
歩み寄れない人もいる

頭のいい人もいれば 悪い人もいる

生まれ持った人生や運命
差別だとか格差とか
食卓の上はそれぞれ違うから
完全な世界は理想かもしれないけど

人は皆 
それ以上でも、それ以下でもない
こんな不完全な世界だからこそ
この世界に平穏を願わずにいられない

人は皆 
それ以上でも、それ以下でもない
こんな不完全な世界だからこそ
人は平和をもたらせると信じずにいられない




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色眼鏡

2009-10-20 07:45:40 | 詩歌
そこだけ切り取って
そんな風に見せられても
どう見りゃいいんだ?

今日もテレビの中では
相変わらずのニュースが
色眼鏡をかけたように流れてる

ボクらが見極めなくてはならないのは
出来事の過ちなのか
色眼鏡の過ちなのか

色の着(つ)け方次第で
どんな風にも見えてしまう
あやふやな時代さ

今日も利権が駆け巡り
泣いてる者は置き去られ
色眼鏡の下では誰かが笑ってる

ボクらが出くわす目の前の景色は
真実の色彩なのか
色眼鏡の色彩なのか

せめてボクらは
心の瞳で景色を見つめていたい
たとえ色眼鏡が色彩を惑わそうとも
心の瞳で景色を凝らしていたい





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なんもないから

2009-10-14 18:12:41 | 詩歌
(すが)る想いで しがみついた
なんもない人生だから
なんか一つぐらい 残したくて

無謀な話でも 踏み込んだ
なんもない俺だから
なんかこのままじゃ 終われなくて

変えたかったものは変えられただろうか
手にしたかったものは手にしたのだろうか
一人 過ぎ去りし日々に問い質(ただ)

闘う前から 決め付けて
なんもせずの自分では 
なんか死ぬに死にきれなくて

無理を承知でも やってみれば
なんもない掌(てのひら)でさえ
なんか出来ることがあるはずと

探したかったものは探せたのだろうか
叶えたかったものは叶えられたのだろうか
一人 消え去りし日々に省(かえり)みる


なんも変えられなくても
なんか必ず手に入れてる

なんも手に入れてなくても
なんか必ず変えている

なんも探せてなくても
なんか必ず叶えてる

なんも叶えていなくても
なんか必ず探せてる

残せるものは なんもないかもしれないけれど
残したところで なんかあるのだろうか

所詮 
俺はなんもないとこから生まれたのだから



   
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ミテクレ

2009-10-10 09:13:29 | 詩歌
なりたい形なら沢山あるけど
どんな形になるにしても
一つしかなれなくて

見てくれ重視で形成してしまえば
中身がなかったり 入りきらなかったりで
自分らしさは滲み出ないだろうね

重ねて 重ねて
泣いて 笑って
(おこ)り 怒られて

大きく 大きく
夢みて 挫(くじ)けて
(けな)して 貶されて

どこから見てもボクだと判る
そんなミテクレでありたい
どこから見てもあなただと判る
ミテクレでいてほしい

形を拾い集め 貼り付けても
見栄えばかりで
魅力は薄れていくね

憧れる姿を追い求めるなら
着飾るよりも 磨かなくては  
築き上げるべきは内側なんだろね

重ねて 重ねて
優しく 勇ましく
(いじ)め 苛められ

幾度も 幾度も
叫び 奮え
倒して 倒されて

大きく 大きく
(こらえ)えて 逞(たくま)しく 
傷つけ 傷つけられて

いつか いつか
愛し 愛され
その手を誰かに
差し伸べられるように  

重ねて 重ねて
大きく 大きく
温かく 温かく

憧れられる姿になりたいのなら
着飾るよりも 磨かなくては  
築き上げるべきは内側なんだろね

どこから見てもボクだと判る
そんなミテクレでありたい
どこから見てもあなただと判る
ミテクレでいてほしい

そんなミテクレでありたい



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可哀想

2009-10-02 17:51:13 | 詩歌
そんな言葉で慰められても
「あんたみたいじゃなくてよかった」って
言われてるような気がするだけ

そんな言葉を投げかけられても
どんな顔して受け答えたらいいのか
返す言葉もなく 
苦笑いで視線を逸らす

人は皆(みな)「可哀想」だね
孤独を持ち寄っては ひけらかして 
詰まらない話に紛らわせたら
また持ち帰るなんてね

一人きり最終電車に揺られれば
ひと駅ごと 静寂に慣れてゆくけど
流れる街灯に ぽつり、つぶやく
ため息 雑(ま)じりの 「可哀想」


そんな言葉に過敏になるなんて
受け流して突っ込み返すくらいで
丁度いいのに
可哀想な話し

人は皆 人恋しいんだね
孤独を持ち寄っては 自慢して
笑い話に織り交ぜあわせ
また持ち帰るんだね

一人きり最終電車に揺られれば
ひと駅ごと ひとりに慣れてゆくけれど
流れる街灯に ぽつり、つぶやく
ため息 雑(ま)じりの 「可哀想」



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