気ままに風の跡 by樋口友治郎

日々は風のごとく吹き抜けてしまうから、風の跡を刻んでいきたい。気ままに綴る詩ブログ。 

メトロノーム

2008-04-23 13:01:25 | 詩歌
埋め尽くされた雑音の隙間から
一つのテンポが漏れてくる
規則的ではあるが
揺らぎながら 探しながら

まだ大声で唄えていた日
テンポに合わせて
時に激しく 時に穏やかに
僕は確かに歌っていた
あんなに力を込めて
へたくそだったけど
お構いなしに 
僕が僕を唄っていた

今では 
上手く唄うことも覚えたけれど
テンポは体の奥で
時に堪え 時に奮い立たせ
僕が僕を失さぬように
誰でもない僕を
ありったけの声で唄えるように
僕自身に刻んでる

メトロノームは
指で弾いた あの日から 
動き続けているだけだろう

埋め尽くされた雑音の隙間から
生きた分だけ かき消され
か細くなったテンポだが
今でもはっきり聞こえてる

この手で止めてしまわぬ限り
僕が消えてしまわぬように

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新たなる風

2008-04-17 12:45:44 | 詩歌
明日の風なら
もう どこかで吹いている

桜 散らす風も
花吹雪 舞わす風も
同じ風だとしても

明日の風なら
もう どこかで吹いている

迎えにいこうか
待ってみようか



ふと気付くと、前回の詩から10日もたっていました
自分では2,3日ぐらいしか間が空いてない感じなんですけど・・・
何気に、5月連休もちらちら見えてきてるし
そうこうしてるうちに、今年も終わってしまうんじゃないだろか?
まったく、どんどん、どんどん1年が短くなっていく。
そういえば、以前好きな作家さんが
「歳をとる度に1年を短く感じてくいくのは、
  その人の人生という分母が増えていくからだろう」
って言ってたのを思い出す。 俺の分母もだいぶ増えたなぁ・・・、
ひしひしと身に沁みる今日この頃です。
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見に行こう

2008-04-07 12:44:40 | 詩歌
追い求めた古い景色に
ふんぎりはついていた
もう綺麗さっぱりと洗い流してた
今さら 突きつけられなくても

確かに
手痛い代償だったよ
煮えきらない怒りも覚えたよ
悔しさ 情けなさ みじめさも
そして不条理さや騙しも・・・
夢を弄(もてあそ)ばれ教えてもらった

一先(ひとま)ず退散するよ
当然だが、降参ではない
わだかまった自分との決別
新たなる覚悟の目覚め 
新たなる決心の幕開けにすぎない

あいつがくれたチャンスは
栄光を見せてくれるためではなく
足元を見つめさせるためだった
ただ 当然だが、降参はしない

どのくらいかかるか分からないけど
俺はやっぱり この道を行く
ゆっくりでも この道を行く
いつの日にか見える景色を
見に行くために

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