気ままに風の跡 by樋口友治郎

日々は風のごとく吹き抜けてしまうから、風の跡を刻んでいきたい。気ままに綴る詩ブログ。 

盆のころ

2017-08-12 08:41:29 | 詩歌


さっきまでの入道雲を
箒で掃き散らかしたよな 
薄く伸ばした雲に透けてく真夏

どこか空の高さが
どこか空の青さが

見上げた 遥か上空の彼方
飛行機の白い機体だけが
音もなく飛んでいく

風が少し 涼しくなって
祭の後の静けさ 漂って
お花市で手持ち花火セット買ってこ
そして今夜 そっと打ち明けよう 


ぼんやり灯る灯篭
風鈴 軒先でチリンと告げた
帰っておいでよ こんなとこだけど

こんど遊びにいこうよ
みんなで騒いだあの夜へ

今年の夏は 星空をあまり見なかったな
なんだか 突然 そんな気がしたんだ

稲穂が少し 大きくなって
ずいぶん日暮れも 早まって
お花市で手持ち花火セット買ってこ
そして今夜 そっと打ち明けよう 


こどもの頃の秘密 
ひと夏の思い出 みたいなもの
みんな会えるといいのにな


お花市で手持ち花火セット買ってこ
そして今夜 そっと打ち明けよう 

そっと打ち明けよう 








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