本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『 変身 』 フランツ・カフカ

2006年08月22日 | 小説

『 人はなぜ物語(小説)を作るのか 』 というテーマの英文(上智大学の入試問題)を授業で解説しましたが、その英文中で、“カフカ”の言葉を引用していました。何となく、聞いたことがある気もしますが…、それを訳しますと

『 本というものは、私たちの心の中にある、凍りついた海を打ち砕く斧(おの)でなければならない 』 という感じでしょうか。
  ("A book must be the axe for the frozen sea inside us.")

何となく、良いなぁ~と思い、例によって生徒たちに、カフカを知っているかと尋ねると、いずれも “No” でした。漱石の『 こころ 』 のところでも申しましたように、やはり文学作品、それも古典となると読む人は少ないですね。

カフカの死後、すでに80年ほど、経っていますし、本書が出版されたのはもう100年近く前のことですが、いまだに世界中で読まれ、実際こうして、日本の入試問題にも言葉が引用されるほどなんですね。特に本書『変身』 には、なんとも不思議な魅力があります。


『 ある朝、目がさめてみると、グレゴール・ザムザは一匹の巨大な虫に変身していた 』 という衝撃的な内容で始まります。

“なんだ、なんだ、ずいぶん気味悪いなぁ~。”となりますよね。でもおもしろい。親はザムザを追い出そうとし、会社の上司には見つかってしまう。唯一の理解者である妹が、“エサ”をくれていたのですが…。


バカバカしいと一笑にふすこともありですね。何といっても“不条理文学” です。ありえない話です。しかしなぜ世界中で読まれ続けるのでしょうか、そこを生徒には考えて欲しいですね。

これほどの名作になりますと、アマゾンにも、解釈をめぐっていろいろなレビューがありますし、ウィキペディア には詳しいあらすじ、解説までついています。虫に変身する前の自分が、家族や社会とどうかかわっていて、どのような思いを抱いていたのか、虫になった理由を哲学的に探っていくととても面白く読める作品です。


ちなみに青空文庫で探してみたら、『変身』 は無かったのですが、『 処刑の話 』 がありました。



■■ まだ、読書感想文の宿題をやっていない生徒諸君へ 夏休みあと10日!■■ 

世界的名作で、たった120ページしかなく、ストーリーは分かりやすく、解釈は自由にできる。しかも参考になるレビューはネット上にあふれています。こんなお買い得商品ないでしょう(笑)。すぐに宿題やっちゃいましょう。ただし、ウィキペディア写すのはダメ!

ついでですから、もう一冊のお買い得。ジョージ・オーウェルの『 動物農場 』。これも世界的名作で、とても短く、読みやすく、アニメにもなっているらしい。独裁政治がテーマなので、高校生向き。北朝鮮や日本の右傾化に絡ませて書くのもよし。ただし、アニメ見ただけで書くのもダメ!(笑)


『 変身 』フランツ・カフカ
新潮文庫:121P:340円
変身

新潮社

詳細


http://tokkun.net/jump.htm



■■ 人生は不条理かぁ~。がんばります。応援をお願い致します。 ■■

      にほんブログ村 本ブログへ 何とかふんばっております。        こちらも前より後ろが…
『本』 ジャンルのランキング
コメント (8)   トラックバック (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『審判は見た!』 織田淳太郎 | トップ | 『治安崩壊』 北芝健 »
最近の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
冒頭の言葉、素晴らしいですね (福禄太郎)
2006-08-22 13:36:05
実は、気に止まった言葉を語録として、2002年1月から書き溜めています。前回は2005年11月4日でした。

A book must be the axe for the frozen sea inside us.

を久しぶりに私の語録に記入しました。
太郎さん (VIVA)
2006-08-22 21:06:04
そう言っていただけると、大変うれしいです。ブログでぜひ、名言集を疲労してくださいね。コメントありがとうございました。
池内紀さんの新訳 (山ちゃん)
2006-08-23 01:00:20
VIVAさん



はじめまして。



カフカは現在池内紀さんの新訳で白水社から新書版で、彼の作品が連続で刊行されていますね。



新潮文庫の訳より若いひとにはこちらの訳のほうが読み易いかもしれません。池内さんの訳による「変身」の出だしは絶妙でした。



「変身」は何故か荻原浩さんの「明日の記憶」をだぶらせてしまうという友人がいました。テーマが似ているのでしょうか。
山ちゃんさん (VIVA)
2006-08-23 04:52:31
はじめまして、よくお越し下さいました。また有益な情報ありがとうございます。



池内さんの【変身】の出だし、そう言われますと、すぐに見たくなってしまいます。



萩原浩さんのお名前はたびたび、目にいたしますが、読んだことがありません。映画になるという作品でしょうか。ぜひ、そちらもチェックしておきます。



よろしければ、これからも時々、お越しいただき、いろいろ教えていただければさいわいです。
Unknown (kazu4502)
2006-08-23 10:37:01
おはようございます、毎日ご苦労様です。

古典て難しいですね、どうしても現実思考が強いものでなんとなく敬遠しがちなのですがでも古典文学から学び取るものは多いと思います、ぜひ読んでみたいですね。

今日の富山は曇り、そろそろ雨が降りそうな感じです、ちょっと仕事をサボりコメントしました。

今日は早稲田の優勝について書きましたがちょっと意見が強すぎたかな(苦笑)

今後ともよろしくお願いいたします。

kazuさん (VIVA)
2006-08-23 13:39:32
こんにちは、いつもありがとうございます。東京も暑いですが、天気予報を見ると、他の関東圏や中部・近畿などよりはいつも3度くらい低いようです。

古典を学ぶ意義を伝えるのは難しいですね。私も本当は紹介記事を書けるほどの知識はないのですが、“何も知らない”生徒が増えていますので、恥を忍んで書いております。本当は野球のことのがずっとわかります(笑)。
カフカワールドへようこそ (ITS下田)
2006-09-02 19:08:10
初めまして。

私はよく本を読むのですが、このサイトは読書案内としてよいサイトですね。

使わせて頂きます。
ITS下田さん (VIVA)
2006-09-02 19:36:29
はじめまして、そうおっしゃっていただき光栄です。私もそちらへおじゃまさせて下さい。



さて、お願いなのですが、こちらのブログではTBは10個しか表示できません。他のブログを広く告知したい方や、お付き合いの長い方のTBも表示させたいので、TBは1つにしていただけるようお願い申し上げます。



今回5つのTBをいただきました。まことに恐縮ですが、カフカ以外の4つは保留扱いとさせていただきました。ご了承下さい。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

2 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
フランツ・カフカ 「変身」について (文学)
文学に興味を持った人間は、まずこの作品を読まなければいけない、という程の文学の代表作。一日もあれば読めてしまいそうな短編であるが、その中身の重さははかり知れないだろう。このい作品は一般に批評されている様に、カフカの後の大作品である「審判」や「城 ...
「変身・断食芸人」カフカ作 山下肇, 山下萬里訳 を読んで (そういうのがいいな、わたしは。)
変身・断食芸人 (岩波文庫)カフカ(作) 山下肇, 山下萬里(訳) カフカの「変身」を初めて読んだのは、高校生のとき、現代文の教科書でだった。 でも教科書に載っていたのは、冒頭の部分だけだったので、正確には読んだとはいえない。 授業の内容は、よく覚えていないけれど...