セピア色の想い出。

日々の生活と、其処から生まれる物語の布飾り。

大晦日 +今年もよろしく・・・+(ブリ―チ)

2009-12-31 23:10:16 | 季節ネタ


「うあわ-、すごいじゃない。」
「・・・この間の任務で二ヶ月・・・休養だったから。」
「でも、これだけ編めるから、聖はすごいねぇ。」
「うわぁ、そのショ―ルきれ-」
「やちるちゃんも・・・作って・・・あげようか?」
「いいの-?」
そんな会話がされたのが、約二ヶ月前。
十月に入ってしばらくした頃の話。
毛糸で、着物用のショ―ルコ-トを弓親に作ってあげたという話があってしばらく。



大晦日 +今年もよろしく・・・+



「・・・一角・・・怪我無かったのはいいけど・・・・・・見てて寒い。」
十二月三十一日の深夜。
神社に、初詣に行く約束をした聖と一角。
待ち合わせ場所にした十三番隊の食堂前。
しんしんと雪が降るそんな天気の中、大きな包みを抱えた聖が、一角を見るなり、そう言った。
今日の午後まで、今年最後の任務だったのだ。
死覇装に、マフラ―を巻いているだけの姿で風が吹いてはいないとはいえ寒そうな格好だ。
対する聖は、紺地に薄灰色で流水を意匠化した着物に、淡灰青色の帯、黒いコ-トにベ―ジュのショ―ル。
そして、手袋に帽子、ブ―ツと完全防備である。
「お前も、冷えてんじゃねぇか。」
「そりゃね。
 ・・・後・・・クリスマスとお年玉代わり・・・・・・ちょっと屈んで。」
完全防備といえど、深夜の雪の降る天気。
一角が触れた聖の頬はそれなりの時間待っていたことを示すように、冷たかった。
それに、短く肯定を返し、彼に屈むようにお願いする聖。
応じた一角に、彼女は、抱えていた包みから黒みの強い深紅ショ―ルコ-トと揃いのニット帽を取り出した。
そして、それを一角の肩に掛ける。
ニット帽も被せようとするが、少々悪戦苦闘。
その間も、一角は目を見開いたまま、硬直している。
「・・・・・・一角?」
「これは?」
「この間・・・やちるちゃんの分・・・・・・作ってたんだけど・・・・・・一角も寒そうだったから。」
「・・・ありがてぇ、さんきゅな、聖。」
「・・・・・・どういたしまして。
 ・・・神社・・・行こっか・・・・・・甘酒・・・無くなっちゃうし。」
「だな。」






そして、二年参りを終え、神社で配っている甘酒と熱燗を飲みつつの会話。
ちなみに、この神社は、戦勝祈願と健康祈願の神様である。
「・・・何・・・お願いしたかって?」
「おうよ。」
「・・・言うと効果・・・無くなるわ。」
「俺のは、解かってんならいいじゃねぇか。」
「・・・・・・一角のは、数百年変わらないから・・・・・・解かりやすいだけよ。
 ・・・屈んで、一応・・・・・・周りで聞き耳立ててるのいるから。」
甘酒のカップ片手に、熱燗持った一角の言葉をすげなく断る聖。
しかし、一応、折れる形で答える為に、屈むように言う。
そして、こう耳打ちする。
-『一角と十一番隊の皆が、怪我しませんように。』
「・・・貴方達には・・・侮辱かもしれない・・・・・・だけど、もう・・・仲間がいなくなるのは・・・・。
 大切な人が・・・いなくなるのは嫌だ。」
「・・・わりぃ。」
確かに、十一番隊、更木隊には侮辱だ。
戦闘部隊に、怪我をするなというのは。
だけれど、長く・・・今いる十一番隊の隊士の中で一番長く隊にいる聖だからこそ思うのだろう。
生きて帰ってきて欲しいと。
「いい・・・。
 ・・・蕎麦でも・・・食べてく?
 蓮華が打つって・・・言っていたし。」
「おう。」
飲み終わったカップをゴミ箱に捨てた2人。
どうやら、小鳥遊としてのたかなしの家に、向かうようだ。
途中、コンパスの幅の違いのせいか、聖が遅れ気味になると一角が、彼女を抱き上げる。
そして、悲鳴をあげるのなんていうお約束があったりした。


「ああ・・・そうだ。
 あけましておめでとう・・・一角。」
「おう、あけましておめでとさん、聖。」
「・・・ついでだ。」
ちゅう・・・。
「ななな、なななんを?」
「たまには・・・私から、というのも・・・・・・悪く在るまい。」
家への道すがら、何があったのか、それはまた別のお話。






一応、年末年始ネタ。
詳しく言うなら、小鳥遊嬢が00に行く半年前。
現在の本編のvs藍染戦の二週間ほどあと。
そんな設定。




ナイトウィザード二次…

2009-12-30 10:22:43 | 携帯からの投稿
キャラ作成難航中です。
正確には、SFM側のヒーラー以外の作成済みです
より正確には、ライフパスなどのパーソナルデータが決まらないのです。
一応、ナイトウィザード側…キャスター×2+ヒーラー+ディフェンターは、過去キャラからとりあえずオーケーなのですが、SFMのアタッカーのが微妙なのです。
彼は同じ、SFMのヒーラーちゃんにぞっこんらぶなんですよね…。
過去版…V3などでは近いのあるんですけど…。
なんつか、イメージはわんこ?
柴犬とか懐っこい感じじゃなくて、ハスキーとか、ドーベルマンな感じ?
ツンデレちっくなあんなわんこなイメージです。ライフパスは置いて置くべきか…



ちなみに、SFMのヒーラーちゃんは、某緋室灯嬢の料理の腕前並みに、方向音痴ってのは決まってるです。
どれくらいかと言うと、道に迷って、違う世界に行っちゃうぐらいに。
だから、一応、ラースフェリア出身ですが、転職経験に、精霊使いなんかの異世界ジョブがある予定です。
なので、でも、無いですが、結構マルチな感じになりますね。
予定のジョブの特殊能力だと、回復して殴って、攻撃魔法もそこそこ。
ゲーム的には、ダイス目操作系…小説的には因果改変的な演出の特殊能力も美味しいのです。
…レベルだけは高いんです。
結構、いい子です。




…とりあえず、年明け早々に、オープニングパートをアップします。
今のとこ、マスターシーン的なシーンとオリキャラズ4人のシーン半分書けば終わりそうなので。
ただ、マスターシーンに誰を出すかかなり、迷ってますが。
マスターシーンと言いつつ、こっちのキャスターの一人とリオン嬢か、ベル嬢との会話な予定です。
アゼル嬢も捨てがたい…色々もんもんしてます。

そんな晦日の日。

ある日の会話(OO/フェルトとモルテア(イヴェール))

2009-12-28 12:25:46 | 携帯からの投稿
二期直前の12月28日
フェルト、18歳の誕生日のこと


「Happybirthday!!」
「…モルテアさん?」
「う~ん、イヴェールなんだけどな~」
「…あ、すいません。」
「ま、いいや。
 ほい、誕生日プレゼント」
「…三つもですか?」

(渡された三つの包み)
(但し、一個だけ古ぼけていた)

「一個は私ら兄妹から合同で。
 もう一個は、雪姫姉様から。
 ちょっと古ぼけてるけど、これは、ルイード達から、18歳のフェルトに」
「パパとママから?」
「そう、一応、ルイが選んだんだが、絶対渡さないだろうってマレーネが私に預けた。」
「…開けてもいい?」
「どうぞ」

(中身は、ダブルクロスのペンダントとペアリング)

「なるほど、な。
 ルイ達は、「家庭」を作って幸せになってくれってさ。」
「………」
「フェルト、確かにね。
 私達は咎人だよ、だけど、幸せになるのを厭うなら、ルイ達が哀しむ。」
「………」
「…フェルト?」
「わ、私、……」
「ゆっくりで良いから、話して」
「私、好き、な人……特別、に好きな、人。
 三人いるの」
「うん…うん」
「…ひとりは、宇宙(そら)で消えて。
 もう一人は、此処に居なくて。
 ……もう一人は、」
「臆病にならなくていいって。
 ロックオンはもういないけど。
 刹那くんも、パル兄貴も生きてんだから、さ。」
「………」




例えば、こんな誕生日。





私は、ニルフェルも好きだが、刹フェルも好きだ!(断言)
しかし、オリキャラのパルスくんとフェルトの組み合わせも好きだ!(更に断言)
つか、ニルフェルがお兄ちゃんと妹の延長ちっくなら、パルスとフェルトは、お父さんと娘だと思うんだ。
経験値考えれば、それくらいの年齢やし、パルスくん。
今のとこ、ニルフェル前提でパルフェル経過して、刹フェルで二期は落としたいですよ?
後、フェルトの「特別に好き」は、「家族で一番好き」ぐらいの意味かも。

ともあれ、来年はこれを清書したいです。

ある日の会話(種シリーズ/セインとディエス)

2009-12-27 11:06:57 | 携帯からの投稿
本編より前。
種の『血のバレンタイン』ある数年前に、遡った時期。

キラが月のコロニーにいた頃。

ディエスが、ディエスでなかった頃の会話



(テンはセインを振り払う。)
(セインは、尻餅をつく)

『あたっっ』
「すいません、セイン様」
『…その様付け止めて』
「そうもいきません。
 貴女様はナチュラルですから。」
『…ナチュラルって誰か言った?
 コーディネーター(どうるい)でも無いけれど、ナチュラルでも無いよ?』
「……………?……………?」
『色々と事情があるの
 …まぁ、貴方達の仕様上、私をナチュラルと間違えない方がどうかしている。』
「……わけが解りません。」
『解らない方がいいわ。
 …貴方はどうするの?』
「貴方は、とは?」
『テン=ソキウス、貴方のこれから、よ。』
「…わた、しの?」
『そう、ルピナス…貴方と一緒にいたインクルース・ゼロの子は、とりあえず、やりたいことを見つけたみたい。』
「……………」
『眉寄せないの』
「……解りません。」
『……さっき、私が何しようとしたがわかる?』
「…………?」
『…抵抗しないでね。』
(テンをセインは抱き締める)

『こういうこと』





プロットしかたててない視点違い予定の小説の前半。
おいおい、書きますが…ディエスがちゃんと、ソキウスしてて、書いた本人びくーりです。

ともあれ、次の物語に

Sentimental Xmas +月を欲しがるようなこと+

2009-12-24 22:43:40 | ガンダムOO 二次創作

今がどんなに充実していても。
それがどんなに叶わなくとも。
忘れてはいけない。
叶えたいと思う。
そんな願いがある。
後悔って言い換えてもいい、そんな願い事。





Sentimental Xmas +月を欲しがるようなこと+



ソレスタルビ―イングが、あの宇宙での戦いで、突然に姿を消した時から。
数えて、丸一年と半年、二度目の冬がやってきた時のことだ。
色んなことがあった。
リアクトが新しい肉体を手に入れたり。
ビアンカが、子どもを作って戻ってきたり。
そして、フェレシュテが、CBに合流したり。
予期せぬ人物が、想定外の形で生き残っていたり。
しかし、それは、全て闇の中のこと。
世界は、統一を果たした。
ソレスタルビ-イング沈黙の後のとあるテロによって。
そして、新たな時代を刻んでいった。
人々の記憶からは、徐々に、世界を騒がした彼等のことも消えて久しい。
何しろ、一年に満たない間の出来事だ。
――人の噂も七十五日。
その故事成語ではないが、その短い間の出来事を長く記憶に留めろという方が、難しいのかも知れない。
だが、確実に、ソレスタルビ-イングによって、大切な人を奪われた者、刃を交えた者は忘れない。
痛みを憤りを、抱いた感情を決して忘れることは出来ないのだった。
そう、この宇宙のどこかに息を潜めているソレスタルビ-イングその者の記憶からは決してなくならないのだ。
いつまでも。
昨日のことのように。
一瞬前のことのように。
残酷なまでに色鮮やかに、思い出すのだ。
これからも、ずっと、ずっと、無慈悲に優しい宇宙の先を見る度に・・・。
宇宙に散ったその仲間の幻影を。
「・・・ティエちゃん、部屋にいないから探しましたわ。」
「ネ―ヴェ・・・どうしかしたのか?」
CBの月の工房、その展望室から、宇宙の闇を見出していた面影に釣られて表れた幻影・・・もとい、ツナギに、防寒用のショ―ルを引っ掛けただけのネ-ヴェを硝子越しに見つめるティエリア。
時間をかけて、振り返れば、どうやらツナギはツナギでも、此処最近、寝間着にしている方のツナギのようだ。
これは、最近、思い立ったらすぐに行動する為、彼女の兄役の提案だったはずだ。
そして、彼女が寝間着なのも、そうだろうと、ティエリアは一人納得した。
標準時刻で、もう午前二時を過ぎている。
数時間前・・・九時前に、早めに休むといって、自室に戻ったはずだった。
それに、工房の生活地域も、標準時刻の午後九時から午前九時までは、エネルギ―消費を落としていて、普通の人間にはやや肌寒いぐらいの気温だ。
「用事はないのですわ、ただ・・・。」
ティエリアの訝しげな視線を受けて、すぐに彼女は目を逸らした。
思い出した部分が少ないとはいえ、かなり前からの知り合いだ。
何かを隠していることぐらいは解かる。
「皆と過ごす前に、今日をティエちゃんと過ごしたいと思ったからですわ。」
「何か在るのか?今日は。」
「大きな意味はないのですの。
 ただ、ティエちゃんと一緒にいたいと思ったから、それだけですわ。
 ・・・一緒にいてくれませんか?」
ティエリアと視線をあわせずに、隣りに立つネ―ヴェ。
あくまで、遠くを・・・かつて、生死を分かった戦場を見つめている。
いつもは穏やかなながらも生気に溢れている瞳は、無機質な・・・どこか、金属的な色合いをしている。
そこに、何か意味を見出そうと、必死に闇を見据えるように。
一体どうしたのかと、その横顔を見つめるティエリア。
そこに、彼女の中にあるのが、自分に近しい感情だと気付き、彼は同じ様に宇宙を見つめることで了承を示す。
無言の時間は短かった。
しかし、それはお互いにとって、一日匹敵するほどに長く感じられた。
ふと、ネ―ヴェの細い指がティエリアの服の袖を掴む。
幼子が、母親に『離さないで』とお願いするように。
それに、反応したティエリアが、彼女を見ると俯いた頭が見えた。
「・・・何があった?」
「・・・・・・何も。」
「何もないのに、こんなことはしないだろう?
 少なくとも、ヨハン・・・いや、イェルンが復帰してからは、彼の方に行くことが多かったはずだ。」
ネ―ヴェは、良くも悪くも、その小動物めいた雰囲気に反して、物事を溜め込みやすい。
その上、それを表に出さない為、大変解かりにくい。
他人に、弱みを見せれない稼業に長くいたせいなのも、ティエリアは知っていた。
しかし、あの≪ラクエン≫の頃ならまだしも、今は、イェルンがいる。
彼女の後悔の元になってしまっているが、行方不明の2人の妹と同じ様に拠り所になっているのだ。
それはさておき、彼女がこうも、人前で落ち込むなどと言うのは、稀に見ることだ。
顔だけでなく、身体も、ネ―ヴェに向け、いつかのように前髪をかきあげる。
露わになった顔は、泣いてしまったほうがよほど楽だろう、と思うぐらいに歪んでいた。
「今日は、聖なる日なのですわ、暦の上では。
 ・・・願いが叶う、奇跡の起こる日。」
「何を願って、そんな顔を僕に見せている。
 ・・・イェルンを頼れないような願いなのか?」
「・・・・・・言ってしまったら、ティエリアさん、泣いてしまいますわ。」
ネ―ヴェは、誤魔化すように、そう言った。
もう戻らない、戻ることはない『あの日々』のように、さん付けをしてまで。
「・・・僕は泣き上戸になった覚えはないぞ?」
「素直じゃないですのね。
 思っている以上に、ティエちゃん情が深いのですのに。」
無理して、笑おうとする姿は痛々しくて、見ているだけで胸が騒ぐ。
大切な妹が苦しんでいるのに、自分の手でどうにも出来ないのは何よりも辛かった。
じっと、見つめていると、その笑顔も消え、また哀しみに彩られる。
再び、俯いた頭は、迷わずティエリアの胸元に押し付けられ、これにはさすがの彼とて、驚きを隠せなかった。
「・・・ティエちゃん、人間ってどうして・・・叶わないことばかり願うのでしょうね。
 ・・・ほんと・・・どうしようもないですわ。
 欲しがりで・・・欲張りで、わたくしはそんなことないって・・・思っていましたけれど。
 ・・・だけれど、どうしようもなくわたくしも人間でしたわ・・・。」
何を願い、叶わなかったのかは、正確にはわからない。
だが、それが、人間にしか当てはまらないというのは、賛成できなかった。
成分とも、生まれとも、人間でも、彼女は自分と同じく、人間とは違う生まれ方をしている。
彼自身、周囲を『人間』と呼び区別してきたが、何かに執着し、それ故に叶うはずも無いことを願い、落胆するのは、同じ。
もう戻らない『日常』の日々。
もう戻らない掛け替えのない仲間。
見えない明日という未来。
その全てに、自分の胸は熱くなり、締め付けられるようになったのか。
・・・そう、思えば、黒壇の海に散った男との日々が、自分を変えたのだ。

(・・・ロックオン・ストラトス・・・)

もしも、願いが叶う聖なる日ならば、どうか彼を自分達に返して欲しい。
でなければ、あの日に還って、取り戻したい・・・守り抜きたい。
ネ―ヴェが願ったのは、後者だろうと、ティエリアは思う。
あの時に、あの人を助けていなければ、≪意識干渉≫のオ-バ―ヒ-トは起こらずに、彼を助けれていたはずだ。
最低限、あの眼の負傷は無かったはずだ。
だけれど、それは、感傷に過ぎない。
刻(とき)を遡れない以上は、月を欲しがるよりも、叶わないことだ。
人間よりも、優れた能力をもつティエリア達ですら、そんなことは出来ない。
もう、≪ラクエン≫の日々は、ただ遠い。
ティエリア・ア―デが、イノベイダ―であることを忘れるほどに。
「・・・でも、一つだけ叶いましたから、もう今日はこれ以上欲張りませんわ。」
「何が、叶ったんだ?」
「ティエちゃんに甘えれますようにって。
ついでに、優しくしてくれますようにっていうのもですわ。」
胸元から聞こえた声に、ティエリアは眼を見張る。
ネ―ヴェは押し付けていた頭を離し、疲れたような笑みを浮かべる。
優しい、と言うのは、CBの実働部隊に入ってからついぞ、いわれたことは無いが、素直にうなづけない
何故だか、ティエリアは、今のネ―ヴェと顔を合わせることが出来ない。
ティエリアにとって、『優しさ』とは、失った仲間そのものだ。
ならば、自分は以前のままではなく、彼女の言うところ、欲張りになってきているのだろう。
それが、思っていた以上に、嬉しくて、ティエリアは目を伏せて、笑うと、『そうか』とだけ、呟いた。
その途端、ネ―ヴェの目が見開かれ、頬に朱が差す。
どうしたのか?と、首をかしげると、ネ-ヴェは大変いいにくそうに、失礼な発言をした。
「・・・ティエちゃん、あの頃みたいで、少々不気味、ですわ。
 いえ、優しすぎて、怖いのですわね。」
「失礼だな、君は・・・。
 取り立て優しくしているわけじゃない、あの頃の僕ならこうだろうと、思って行動したい気分だったんだ。
 ・・・そういう気分の時も、ある。」
「・・・わたくしのお願いが、叶いましたのね。」
「いったい、何の日なんだ、今日は。」
「・・・聖なる日ですわ。」
「・・・・・・もういい。行こう。」
「どこに?」
「此処は寒いからな。」
ようするに、まだしばらくは、相手をしてくれるということだ。
柔らかく、笑ったティエリアに、彼女は驚いた顔をしたが、すぐに、手摺から離れる。
見慣れた背中は、変わらない。
二年前から・・・いや、十年以上前に再会した時から変わらない。
その理由を本人よりも、詳細に知っていた。
だけれども、その心は、自分・・・いや、人間に近付いている。
もう、止めよう。
過去に囚われるのも、想い出に縋って歩くのも。
そう、不思議と思えたのだ、ネ―ヴェは。
「・・・メリ-クリスマス、ティエちゃん。」
「何か言ったか?」
「寒いですわ、って言ったのです。」
「当たり前だろう、こんなに冷えていて、寒くはずが無いだろう。」
「ふふ、そうですわね。」
「コ-ヒ-とココア、どっちだ?」
「・・・そ-ですねぇ。。。。」
そんな他愛のない話をしながら、廊下を歩く。
つい、本当に、ぽろりと、ネ―ヴェがティエリアに、妹を助ける算段をしていたのを話してしまったのも、ご愛嬌だろう。





ついでに、寝てしまったネ―ヴェを甘やかして、そのまま一緒に寝て。
そして、翌朝に、兄のパルスの怒鳴り声で目を覚ますのも、ご愛嬌。






+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

はい、一応、クリスマス話です。
どこがやねん、というツッコミは置いておきましょう。
解かってます、1+1の答えを提示するよりも、刹那に切ない感傷的なクリスマスですので。


さて、時間軸的には、前のティエリア誕生日話の約一年後です。
正確には、一年と二週間と二日後ぐらいです。
コメントで、「なんで、ネ―ヴェが、一期終了参年後から飛んだのか?」という質問に対する連作短編にする為でもあります。
一応、確実的に、一期と二期の話は、F沿いや、こういう短編以外はやりません。
というか、連載にしたら、Fと重なる部分や、イェルンのことで、修羅場るからです。
主に、パルスが、イェルンをボコる方向で。


今回のお話というか、一期以降のうちのティエリアは、属性に「ク-デレ/素直ク―ルなおにいちゃん」が加わります。
年齢や経験はさておき、≪ラクエン≫の頃の記憶上、妹に甘い兄貴になりそうです。
事情を知らないミレイナあたりに、『恋人ですか!?』なんて聞かれそうなくらいに、≪ラクエン≫のメンバ―・・・特に、ネ―ヴェときやすい関係になりそうです。
そして、しつこいかもしれませんが、もう一度言います。
ティエリアとネ―ヴェは、兄妹関係です。
ティエリアとネ―ヴェは、恋愛関係ではなく、兄妹関係です。
大切なことなので、2度言いました。


では、次の物語で。




ある日の会話(種運命後/芙蓉とクシュリナ)

2009-12-21 18:42:41 | 携帯からの投稿
種運命終了後。

クシュリナの身体調整終了直後


『…今日の分は終わり。 おやつにしてから勉強にする?』
「クシュリナは、勉強する。
 早くクロトサンやシャニ兄貴の仇討ちたいから。」
『…せめて、おやつたべながらね』
「うん、…あ、セーヤサン明日来るんだっけ?」
『そうよ』
「ナイフ教えて欲しいんだけど。」

(芙蓉、身体データ見て)

『いいわよ、頼んでみなさいな。
 だけど、二時間だけね』
「え~、クシュリナ、もっとやりたいの~」
『ダメよ、それ以上は、治療が台無しになっちゃうわ。』
「…(むくれる)」
『……また最初からになるわよ?』
「わ、わかった。
 クシュリナ、我慢する。」
『いい子ね』



例えば、こんな日常

早いもんで…

2009-12-20 02:28:53 | 携帯からの投稿
本日、二十日で、このブログは1000日突破しました。
早いもんです。

そんで、一個短編書こうかにゃ、と思うのです。予告だけ置きます。





ー「んー?ショウがどうであっても、私は好きだぞ!!」
淡い日常。
何でも無い日常。


ー『変人だろ、女なのに群れないのはよ。』
だけど、何よりも大切だった人。


ー『主を殺させません。』
それが主の意に反しようとも。


ー『主が一番なのだ』
主の生存が唯一の存在理由。


ー『死なないで下さい』
予期せぬ別れの予感。


ー『お慕いしております。』
それが刃になった


ー『許さない。
  絶対に許さない。
  私はショウがいれば死んでも良かったのに!』
誰が罪人(つみびと)なのか?
それとも、そんなモノいないのか?


昨日と同じ今日
今日と同じ明日
世界は同じように流れる
変わらぬように流れた。
だが、少女の知らないところで世界らは動いている

『madeleinememory+無垢なる忠義+』


こんな短編
昔の連載の焼き直しでもあります。
例えて言うなら、アルシャードの話をアルシャードガイアで焼き直すような。


では、乞うご期待。

NW2+SFMのオリキャラ達座談会風予告。

2009-12-19 14:16:34 | 携帯からの投稿
ナイトウィザード二次出演予定のディフェンダーキャスターと異世界よりの客人のヒーラー&アタッカーの対談形式のある日の会話。
ナイトウィザード側のヒーラー&キャスターもう一人は、仕事により欠席。

また、登場キャラの性格等は変わる可能性ありますがご了承下さいますようお願い申し上げます。


「は~い、魔剣使いの月森久遠よ~っ
 アナタ達は?」
「…『アナタ達は?』はないじゃなかろう、久遠。
 後、お前は男だろう?」
「心は女よっ!!」
「……(ジュリ、頭を抱える)」
「しょうがないじゃない、私とジュリちゃんは知り合いよ?
 だけど、ラース・フェリアのお二人は初めてじゃないの」
「…ジュリ・ローゼンマリア。
 吸血鬼だ。」
「…エンジェルのナハト・トワイライトだ」
「私は、プリーストウォーリアのレティーツィア・ヴァールハイトと申します」
「…」
「あら、どうしたの、ナハトちゃん?」
「…何でもない。」
「ふふふ、イライアちゃん思い出すわね。」
「イライアちゃん?」
「昔、って言っても、一年前二年前かしら。
 マジカルウォーフェアで、パーティ組んでた子よ。
 他に、今で言う落とし子の子と聖職者の子と組んでたのよ。
 …いい子達だったんだけどね…」
「…………悪かった」
「いいのよ。
 …終わったことよ。」
「争いが起これば、そんなのは腐るほどある」
「そういう言い方はっ…」
「馬鹿げたマジカルウォーフェアで付き合いの長い天春市楼を亡くしているのさ、私とてね。」
「……………」
「…月森久遠、一つ聞きたい、俺達が喚ばれた理由は?」
「久遠でいいわ、ナハトちゃん。
 …そうね、哀しい恋の決着を、うまくハッピーエンドに持っていくことね。」
「……こっちで言う、侵魔の魔王・アッシェンテンペスが、夜見トオル達を襲撃しようとしてる」
「それを止めろ、と?」
「いいや、生き残るように手助けしろって、さ」
「エルネイシアに旅立つ前にアンゼちゃんがとある人にお願いしてたの」
「不可解な…」


(その時、月コウが張られる)


「あら、パーティーが始まったわね。
 ジュリちゃん、乾ちゃんは?」
「今、秋葉原についたそうだ。
 直接向かわせる」
「わかったわ、行くわよ、ナハトちゃん、レティーちゃん」



例えば、こんな始まり方

あがつまとながかんばせのうるしき

2009-12-19 00:21:57 | 携帯からの投稿
…みじかきなつのひびぞこえゆく

by「少年舞妓」シリーズ

微妙に改変しましたが。
原文は、「ひび」じゃなく「けふ」ですけれども。
久しぶりに、該当巻読みまして。
カッコーンとハマりました。
何がと言いますと、この歌は、「少年舞妓」シリーズの楡崎ママが、楡崎パパと慎一郎に対して唄った短歌です。
原歌は、「愛しい貴方と我が子と一緒だからこそ、短い夏の今日という日を越えられるのです」と言う意味合いです…多分、古文やってないからかなり曖昧。



んで、OOのオリキャラ、リアクトと遺伝子上の…つまりは血の繋がった息子・セリエの状況にドンピシャハマるわけです。
更に、キャスティングするなら、祖母役はヴェーダで、父親役はリボンズでしょう。
敢えて、ですがね。
ヴェーダは、遺伝子提供者としての二人は必要だけど、両親としては必要無い…家族パロならば、跡継ぎとしてのセリエしかいらないみたいな?



んでですね、とりあえず、リアクトは考えるわけですよ、自分が生きていればどうにかなる。
だけど、死んだら?
そう考えて、萩行に託したわけです。
「違う世界でも、生きていて欲しい。
 生きてさえいれば…」みたいな感じで。
離れたくないし、離したくなかった…だけどっ……
まぁ、この辺りはセリエ襲撃話で騙り語りましょうってことで。
お母さんは偉大なのにゃが基本。


何にしても、進まない。

ある日の会話(ASTRAY/劾とセーヤ)

2009-12-14 12:52:40 | 携帯からの投稿
種本編時間軸中に、とある事件を劾が知った後。
XASTRAY以前



「知っていたか?」
「…知っていたか…って?
 ………ああ、ディエス達のこと?」
「そうだ」
「知ってたよー?」
「…………………」
「ダンナ?」
「…………………」
「んもう、そんな熱い眼で見られたら惚れそうになるじゃん
 お兄さん頑張っちゃうぞー?」
「…………」
「……あのね、ダンナ。
 ダンナが、ブルーコスモスを…ムルタ・アズラエルを恨んでるのは知ってる。
 アンタが、自分みたいなのに対して、優しいこともね」
「何故だ?」
「……『感情とは、弓から放たれた矢である』ってこと」
「……っ」
「もちろん、ダンナがそこまで愚かたぁ思わないよ?
 だけど、万が一もあるしさ」
「…プロなわけだな」
「そ、ダンナにも死んで欲しく無いしね。」



現在、書いている劾とディエスの話の後日談的な