文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

フルバッチのTEXの件、多大な反響を頂きました。周辺状勢 連載(2)

2006-10-10 22:24:33 | 組版プロの思考からXMLを考える
 現在、TEXからの最終出力としては、画像化して各種DTPソフトウェアに貼り付ける。あるいはTEXから直接PDF化して印刷に廻すという選択が主体となっていると聞いています。フルバッチでまともに対応しようと言う印刷会社は少なくなってしまいました。
 印刷会社の悩みは、オリジナルな制作環境で生成されたTEXフアイルに対して、校正の結果、修正がうまく出来ない事、さらなる高品質化を要求される事、データベース化を要求されることにあると聞いています。
 TEXでは、顧客先側でカスタマイズ出来る機能があり、さらにその開発が言語的にもまちまちであるが故に、印刷会社側が顧客先の仕様で造られたソフトの内部までの理解を求められても十分に適応出来ないことにあるかと思います。
 また、フルバッチバッチであるがために、同じ言語でも作り方、組み立て方も顧客先別に、多様でありすぎることも原因です。
 プログラム的にも、納期的にも、コスト的な課題も含めて、残念ながら顧客先と相対して、対等にはなれない印刷会社の技術者にとって、顧客先から常に厳しい環境に落としこまれているからという方もおります。
 フルバッチでのシステムとしては、写研製の電算写植機器がありますが、いま、少し宛、諸般の事情で市場から姿を消しつつあります。
 写研では、数式等をバラバラに分解して、組版タグとして。1/16mm単位で積み木細工のごとく組み立てるという、正に職人的な技能で数式にも対応してきました。この場合は、印刷会社側に一任されていましたので、
 初期制作 → 校正 → 印刷版下までを自己管理に任せられていましたのでのびのびと制作に携われ、うまく高品質な印刷機能を引き出せたわけです。
 写研のこの環境がsapcolと呼ばれる言語環境です。今から30年も前に出現し、日本の印刷組版環境を席巻してしまいました。
 一時は、日本の出版物の圧倒的な部分が写研製の電算写植機器で制作されている時期もありました。
 それが諸般の事情で、大きく衰退し、それに変わる後継機種が今まで出現してこなかったと言えます。
 あまりに、写研のフルバッチシステムの機能が高すぎて、それに匹敵する組版ソフトが出現出来ていなかった事に大きな原因があるとも考えられます。

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