巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
cosgyshow@gmail.com

贅沢な人生

2017-10-29 18:55:37 | 
冬は鍋だね
身体の芯から温まる
変化は苦手だね
体温調節が難しい
乱れ切った日常
慣れは怖いね
生存確認
声をあげて

失くさないで
時間感覚
年老いていくから
貴方は私の青春よ
衰えとは無縁?
色褪せない思い出は
心狂おしいね
未来の代表作
誰かの手本になるといいね

灯りをつけて
机に向かって
何を書いているの
恋文なら粋だね
誰宛?なんて野暮じゃない
私が大好きなその背中
そっと撫でてみるね
ゾクゾクしたこの感覚
絶対、愛とは違います

危険水域
臨界状態
どこにいればいいの?
社会不安
雇用不安定
いろいろあるけど
スルーしていいかな?
連戦連勝にはツキもある
ネガティブな空気を排除
貴方が私のすべてなら
それはリスキーだから
早めに分散しておこう

海を渡ったあの世界が
あまりにも近過ぎて
私達の距離なんてないね
相対的にはそのはずなんだけど
壁を隔てた向こう側で
愛が育まれてる
私には無縁な世界
人生に選択肢などない

とりあえず出会った貴方
特別な存在かもね
二人きりでつつく鍋
寂しいようで温かい
ちょっと心が揺れる
人間なんてそんなもの
ひとりきりだって生きられる
ふたりなら贅沢な人生
バルコニーから見える景色
仲の良い家族連れ
羨望も諦観も
正直認めるけど私は私

寒気が捻れこむ
早く窓を閉めて
カーテンも閉め切って
貴方の温もりがあればそれでいい
割り切りは大事だね
妥協じゃなくて
これが現実だから
いつ切れるとも知れぬ
スリルと背中合わせ
裏切りも覚悟のうえ
お互い様でしょう
とりあえず「愛してる」
そう言ってればいいよね

純粋な不純

2017-10-29 18:01:13 | 
目下離席中
貴方は浮気中
ちょっと邪魔みたい
私の存在が不要なら
離籍する?

裏切りの夕刻に
突き刺すような雨が降る
貴方の言う通りに
目黒のカフェで待つ
道行く人の慌てぶり
予想できたはずよ
ご機嫌斜めの週末
貴方と過ごす
私はご機嫌
籍は入れない
自堕落な貴方が好き
「ごめん、急な仕事」
嘘も方便
たまには家庭を向いて
私、別の男にtel
この雨の中呼びつける
私は濡れない
困らない
今がきっと最高の位置どり
美貌と年齢と媚びを
最大限に生かすわ
どこから綻びが出るの?
悪の象徴に鉄槌を
私、私、私は既婚
何も顧みない毒牙
形ばかりの愛は好都合
許し、許し合い
人は生きてく
偽りの愛情は寛容を持つね
助手席に乗り込む私
ただの抱かれ要員
安物の体
心、心、心は非売品
男達の魂を吸い取って
更に色づく
花は、華は、花は短命
貴方の心を貫いて
ちょっと小首を傾げて
瞳を潤ます
花に毒牙を
心に愛情を